第8話 二階層目
次の階層に下りた俺の目に飛び込んできた風景は草原だった。
見渡しがいいので目を凝らして見ると、多少群れていたりもするが角の生えたシマウマが複数いるのが見えた。
「さて、まずは各個撃破だな・・・出来れば群れにも挑戦したいが・・・右とか左の一発で倒せるなら考えてみるか・・・それなら先手を取ればイケそうだからな」
俺は時計を確認する、現在は午後1時を廻ったところだ。
「ステータスオープン」
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帝 拳信
身体能力値
レベル 4
筋力 62
反応 68
敏捷 59
器用さ 59
魔力 17
SP 1
スキル
闘気(New)
鑑定
アイテムボックス
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俺は自分のステータスを確認して出来る事を確かめる。
「鑑定」
俺は闘気を鑑定してその使用効果を確認する。
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スキル名 闘気
効果 自身の身体能力を1.2倍以上に引き上げるスキル、習熟度を高める事により効果が上がり最大で2倍まで効果が上がる。
SPを使う事でも効果を上げる事が出来る。
現在の上昇率 1.2倍
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現在のステータスを強化する事によってより堅実に狩りを出来るようになった。
何れは攻撃系のスキルも憶えていきたいが、まずはこの階層でしっかりと足場を固めてから三階層に進みたい。
今日はまだ初日だからな、無理をする必要は無い。
因みに闘気を修得するSPは1だったので4だったSPは鑑定とアイテムボックスの強化に回した。
鑑定は罠も鑑定出来るようになったので、次の階層を進むのに大分安全マージンを取れるようになった。
アイテムボックスも保存機能が追加されて食べ物の劣化が緩やかになった、これで肉なんかも長時間保存する事が出来るし、アイテムボックス自体の容量も大きくなった。
万が一の為にアイテムボックスの中に常備している水を取り出して俺は口に含み水の冷たさを感じながら飲み込む。
それを何度か繰り返してから残っている水をしまって、一番近くにいる角の生えたシマウマに近づく。
草食系の動物は元々視野が広い上に耳も良い、だから不意打ちを諦めて最初の1体は正面から挑みに行った。
「ブルルルゥ!!」
角の生えたシマウマは俺を視界に入れるとまるで闘牛のように前足で地面を引っ掻いた。
俺は一階層と同様に構えてシマウマの出方を窺う。
「ヒヒイィィィン!!」
シマウマは自分の得意な距離だと判断したのか、勢い良くこちらに頭に生えている1メートル近い角を向けて突進してきた。
勿論、俺もスキル【闘気】を発動済みで、まるで車並みの速度で突っ込んでくるシマウマを横に避けて、顔の左側面に右拳を合わせる。
「シッ!!」
シマウマと人間では身体の構造が違う為、昏倒させる事は出来なかったが、手応えはしっかりと有り、こちらに振り返るシマウマの脚は鈍い。
「ゼァッ!!」
好機と見た俺は直ぐ様シマウマとの間合いを詰めて、踏み込みと同時にアッパーを繰り出し、それがシマウマの顎を砕く手応えを残す。
シマウマの前足が高く浮く程の威力はあるが、ここで俺は更に止めの一撃をガラ空きのボディに決めて、シマウマは断末魔を上げる事も出来ずに沈んだ。
俺は倒したシマウマの死体を鑑定する。
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モンスター名 ゼブラホーン
状態 死亡
草原で風のように駆け回り、自らを襲う者を返り討ちにして捕食する馬と似て非なる雑食生物、襲われる事が無い時は草原の草を食べて生きているが凶暴になる。
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またなんとも言い難い生態をしているようだが、特に毒とか無さそうなので次のレベルアップ時にアイテムボックスの拡張機能を開放して解体してみよう。
少し美味しそうに見えてしまうのが不思議だ。
「とりあえず、身体は良く動くし問題は無さそうだな、じゃあ時間の許す限り狩るか」
そう言って俺はこのゼブラホーンというシマウマもどきを手当たり次第に狩ることにした。
二匹、三匹と狩っていく内に四匹程で群れているゼブラホーンの群れと当たってしまったが、
「シャア!!」
「ヒヒイィィィン!!?」
俺の棘棘とした篭手によって深刻なダメージを負って動けなくなったゼブラホーンを順番に息の根を止めていった。
因みにゼブラホーンから取れるドロップアイテムは角と肉と魔石に皮だ。
肉は解体すれば多めに手に入るのでそちらの方がオススメだが、角と魔石と皮はドロップアイテムの方が綺麗な形で手に入るのでそちらの方をオススメする。
今の戦闘で一気に7匹狩った事になるのでレベルもそれなりに上がっているだろう。
そう思ってレベルを確認すると、やはり7レベルぐらいまで上がっている・・・だが、やはりちょっと上がるペースが早い気がするが、不都合は無いのでスルーする事にした。
時間ではまだ二時間も時間は経っていない、俺は更なる成長の為にゼブラホーンを狩りに行くのだった。
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