第3話 まず探索の前にする事とは?

 日本政府が打ち出したダンジョン探索者支援制度とは、簡単に言うとダンジョンを探索する資金を日本政府が貸し出す制度である。


 俺はこの制度を利用してダンジョン探索の準備資金を借りて、まず準備を整える事にした。


 野営をするときに必要な物とは?と聞かれた時に俺が答えるのは火を起こす道具だ。


 次に鍋などの水を汲む事が出来る道具に更に言えば湧き水を蒸留させる道具もあると心強いと思う。


 俺がこれから探索する場所がダンジョンであるならば寝袋など使ってられないし、精々毛布を一枚持っていくだけだろう。


 食料は嵩張らないで保存の聞く物を3日分用意するのが限界だろう、それ以上になるとキャパオーバーになると俺は判断した。


 そして、最後の準備に・・・


 「ステータスオープン」


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 名前 帝 拳信


 年齢 37才


 身長 182センチ


 体重 72キロ


 ジョブ 未選択


 身体能力値


 レベル 1


 筋力 18


 反応 20


 敏捷 16


 器用さ 18


 魔力 6


 SP 1


 スキル 

 鑑定 

 アイテムボックス


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 いま現在、まだ決めていないジョブの欄を決めなければならない。

 

 この部分を決めて漸く俺は武器を買いに行く事が出来る。


 俺は意を決してジョブの欄をタッチする。


 すると出てきたジョブの種類は10種類、その内に戦闘職と思われるのは5種類・・・戦士、剣士、槍士、弓士、拳士である。


 盗賊などのスカウト系ジョブがあればそれを選びたかったがどうやら無いようである。


 後の職業が全て商人系ジョブだったしな・・・あの某有名ダンジョン探索RPGゲームのように上手く行く訳ないから秒で除外した。


 そして、予め決めてあったスキル欄は鑑定とアイテムボックスを選んだ。


 鑑定は何にでも使えて鑑定出来るようだが、アイテムボックスは容量を拡張するのにSPというポイントが必要になるようだ。


 現在は毛布や鍋などの道具をアイテムボックスの中に入れていてまだ余裕はあるようだ。


 感覚的には大きめのトラックの荷台くらいの容量だろうか?他にも保存機能を付けれるようだがそちらは必要とするポイントが多すぎた為に断念した。


 そして、俺はジョブを選択する前に取得したばかりのスキルを使う。


 「鑑定」


 俺は戦士の項目に向けて鑑定のスキルを使用する。


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 戦士 能力変動値


 筋力 +5


 反応 +2


 敏捷 +3


 器用さ +1


 魔力 −5


 ジョブスキル 

 武器の心得 どのような武器も扱う事が出来る


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 戦士の項目はこのように表示された。


 俺は他のジョブも鑑定を使用して調べたが、予想通りにジョブスキルの欄が各ジョブで違っていた。


 剣士は剣の心得、槍士は槍の心得、弓士は弓の心得となっていた。


 これらのジョブスキルは各対象武器の使用でダメージ1,5倍増で各対象武器の習熟速度が上がるというものだった。


 そして、拳士というジョブについてなんだが・・・


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 拳士 適性能力変動値


 筋力 +15


 反応 +20


 敏捷 +20


 器用さ +18


 魔力 +5

 

 ジョブスキル

 打撃の技能 拳や脚を使った攻撃ダメージが3倍になり、技能等の習熟速度が3倍になる。


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 という感じに一瞬であるが罠を疑ってしまうくらいには、非常に強いジョブであるのだが・・・どうやらこれは俺かもしくは拳士のジョブに適性があるものだけだろう。


 他のジョブにも適正者がいると考えられるのでこの身体能力の高さは俺だけでは無いだろう。


 それにジョブスキルが発動しなくなるだけで他の武器が使えなくなる訳では無いようなので、俺は自分のジョブを拳士にした。


 このジョブがまさかあんな育ち方をするなんてこの時の俺はまだ知る由もなかった。

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