(2)
更にマズい事になった。
主に自業自得だけど。
でも、まだ手は有る。
騎士団大虐殺だの冒険者ギルド大爆発だの。
理由は良く判らないけど(いや、判ってるけど直視したくない)何かマズい事態が起きてるらしい、王都から逃げ出そうとしている難民も発生し始めている。
それに紛れて……王都から逃げ出して、他の国あたりで第二の人生を……。
いや、「魔力はそのまんまだけで、魔法使う度に大暴走」なんて魔法使い(なお、魔力だけはやたらと有る)に仕事なんて無いだろうけど……今の私は、酒さえ飲めれば仕事も家族も恋人も財産も要らない。
酒さえ有ればいい。
長生きしたい気持ちだって、あんまり強くない。
あと、何かの間違いか、とんでもない偶然で、逃げ出した先に、あの「鋼の男」が現われなきゃ、それでいい。
ともかく酒だ。
酒だ。
酒……。
しかし……何でだ?
何で、王都から出ようとしてる難民の行列が全然進まない?
倒れそうだ。
つか、行列に並んでる子供や年寄の中には、倒れてるヤツが次々と……。
それでも、行列は……ゆっくり進み……。
あ……なんか踏んだ。
立ちっぱなしで体力使い果した誰かを、うっかり踏んだ。
踏んだ相手が、子供だった場合と老人だった場合、どっちが
何で、こんなに時間がかかる?
まさか、この騒ぎで、王都中の人間が王都から逃げ出そうとしてんのか?
夕方ぐらいに行列に並んで……もう……夜中も半分過ぎ……。
ああああ……し……しまった……。
そりゃ、王都から人が中々出られない訳だ……。
王都は城壁に囲まれてて、基本的に何箇所か有る城門からしか外部との出入りが出来ない。
その城門で検問が行なわれてた。
マジで、ここ1年の酒びたりで、頭が働かなくなってたようだ……。
そりゃ、当然だ。
騎士団大虐殺に……謎の大爆発。
そりゃ、検問が有ってもおかしくない……。
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