第五章:The Untouchables/関わり合いは御免だ
(1)
ああ、マズい。
でも、まだ、完全に手遅れじゃない。
冒険者ギルド本部(元々のヤツ)は騎士団や官憲に取り囲まれてるけど……。
まだ、踏み込まれてないらしい。
しかし……臭い。
かなり離れた場所に居るのに臭う。
私が、うっかり最上階の天井に、下水道らしき場所につながる
今や、冒険者ギルドはテロ組織だ。
最高幹部が皆殺しにされた後に起きた跡目争い内紛と、それを利用した「鋼の男」の芝居(まぁ、あんなに死人が出た芝居なんて聞いた事も無いが)のせいで、国王直属の騎士団を虐殺した犯罪者集団に仕立て上げられた。
でも、今の私は……ここ1年ばかりの一張羅である宿無しの浮浪者にしか見えない格好なんで、気付かれていはいないだろう。
では……。
見よ。ここまでの超長射程の
これで……証拠は消えた。
私は、冒険者をやめたつもりだったのに、ギルドの方は登録を抹消していない……そうだ。
なら、その証拠となる書類が有る場所を焼き払え……。
次の瞬間……聴覚が麻痺した。
えっ?
とんでもない轟音。
「鋼の男」のせいでパーティーが全滅したその時から……何故か轟音と縁が切れない生活だったけど、その中でも特大級の……。
その音のせいで……一時的か永久にかは判んないけど……耳が聞こえなくなったようだ。
な……何が……起き……ああああ……。
離れてて……助か……。
ギルド本部は……跡形もなく消し飛び……更に周囲の建物にも火が燃え移り……。
何か……おかしい……。
私は、魔力は昔のままで、その魔力の制御が出来なくなってる状態だ。
でも、魔力の暴走やら、
あ……もう1つ変な事が……。
何日か前に、ギルド本部のすぐ隣の酒場では臭いはそれほど気にならなかったのに……それよりかなり離れてるこの場所では……臭いが……。
うわあああ……。
ああああ……。
馬鹿か?
冒険者ギルドってのは馬鹿の集団だったのか?
私が開けた
それとも……魔力の制御が出来ない状態で
冒険者ギルド本部が有った場所の……かつての最上階あたりに開いた
何故……目に見えないガスが吹き出してるのが判ったかと言えば……。
言うまでもない。
そのガスに火が
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます