(2)
「ギルド本部が使えなくなったのは、お前のせいだからな。こいつらは、お前が何とかしろッ‼」
幹部のお爺さんの1人は、私に、そう言って、
「おい、待て、お前だけ逃げる気かッ‼」
別のお爺さんも
ちゅど〜ん♪ ちゅど〜ん♪ ちゅど〜ん♪
続いて、
明らかに、
「我が神よ、この邪悪なる者達を地獄に引きずり込み給えッ‼」
神聖魔法(自称)の使い手らしい幹部が、大声をあげる……。
「待て、マズい。お前の神さんって……たしか……」
別の幹部が慌てまくった声。
そうだ……この世界には、本物の「神聖魔法」の使い手は、ほぼ残ってない……。
つまり、このお爺さんの「神」って……。
突然、地面に
ちゅど〜ん♪ ちゅど〜ん♪ ちゅど〜ん♪
「えっ? えっ? ええええッ‼」
神聖魔法(自称)の使い手らしい幹部のお爺さんの腹を突き破って、エロ触手が何本も出現。
その幹部のお爺さんの体をミンチにした後、エロ触手は消えた……。
どうやら、
周囲では、冒険者ギルドの幹部と
ちゅど〜ん♪
また爆音。
そして、また1人、冒険者ギルドの幹部が、
続いて、別の
逃げようとした幹部は……背後から
どんどん、
えっと……。
何だろう、この……すげ〜泥臭い戦い。
剣闘士同士の戦いだったら、客席がブーイングの暴風雨になるのが確実な……すんげ〜リアル指向だけど、傍で見てて、少しも面白くない、私みたいな目が肥えてないのにとっては、素人同士の喧嘩と見分けが付かないタイプの戦いだ。
けど、体格が結構よくて、どっかの王様みたいな感じの見事な白髭に真っ白な長髪の幹部は……。
多分だけど……現役時代は戦士だったらしい、このお爺さんの方がマトモに戦えば、腕は上なんだろう……。
でも……。
無い……。
肝心なモノが……。
そのせいで……お爺さんは全身をザクザクと、
結構、
「だ……誰か……」
ザクリ。
「剣を……くれッ‼」
グサリ。
「剣を……ッ‼」
ザクザク。グサグザ。ザクグサザクグサ。
「剣1本で……」
あたりは、さっきまで、酒場だった瓦礫の山。
「儂の全財産を……ッ‼」
誰に言ってんのか判んないけど……一般市民は、逃げ出してるようで……しかも、私も剣なんて持ってない。
「くれてやるッ‼」
御希望に沿えなくて……非常に残念です。
お爺さんの全財産欲しいけど……。
冒険者ギルドの幹部の最後の1人は、出血多量で地面に倒れ伏し……。
「最後に……教えて……くれ……」
「何だ?」
「儂の人生って何だったの?」
「知るかッ‼」
その一言と共に、お爺さんの顔面に気功拳が叩き込まれ、血と骨の欠片と肉片と脳漿と脳味噌が周囲に飛び散った。
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