第13話ドーナの依頼

 ジョハリとリンおねえさんは加工食島かこうしょくじまにやってた。

 白くて四角い建物がたくさんたくさん並んでいる。

 これらの建物たてものは、ちくわや干物ひものなど、加工かこうしたものつくっている工場だ。

 あつ湯気ゆげ工場街こうじょうがい

 そのなかを、ジョハリたちあるく。

「コーヒーのにおいがする。あったらってみたいわね」

「あたしは、わないでおくワン」

 すると、リンおねえさんをこえがする。

「おお、サンソ、タンソ、イオウ! 」

「おねえさん。ハーブソーセージがあるイン」

一緒いっしょに、べるビャウ」

「こっちてキャン」

 十字路じゅうじろに、リンおねえさんのいもうとたちがいた。

 リンおねえさんとおなじ、くろみみのついたくろいモフモフの尻尾しっぽ、ジョハリの1.5ばいのおっぱい、くろいドレスをしている。

 妹達いもうとは、うれしそうにリンおねえさんをさそっている。

一緒いっしょべるワン! 」

 リンお姉さんがかけったそのとき

 四人よにん大量たいりょう熱々あつあつのチーズがかかった。

「う゛ぼぉぉぉ……」

 ブラックドッグは全員ぜんいんうしなった。

こうにだれかがるようね」

 ジョハリは、だれかが気配けはいかんじた。

 やって来たのは、三人さんにん女性じょせいのミノタウロスだった。

 ひだりからじゅんに、おおきなかんおの、ナイフをっている。

 彼女達かのじょたちは、二本角にほんづの茶色ちゃいろみみほそ尻尾しっぽ、ジョハリの三倍さんばいおおきいおっぱい、チーズがら胸当むねあてをしている。

 三人のミノタウロスは、むっとしたようなかおだ。

「ブラックドッグを確保かくほするモウ」

「はいモウ」

 三人さんにんのミノタウロスは、ブラックドッグをふとなわでグルグルきにした。

 そして、三人さんにんなかで、おのったミノタウロス以外いがい二人ふたりがブラックドッグのちかくへく。

 そして、わきにひとりずつはさんだ。

二人ふたりさきってくれモウ」

「はいモウ」

 ジョハリのまえに、おのったミノタウロスだけがのこった。

「あなたたちはだれなの? 」

「わたしたちは、チームフロマージュ。ドーナの依頼いらいで、ここにた」

「ど、ドーナ? 」

「ああ、わたしたちは、リンをることを依頼いらいされた。リンのいもうとがいいこまになってくれたモウ。わたしは、彼女達かのじょたち感謝かんしゃしているモウ」

「なんてことを……」

依頼いらい完了かんりょうした。わたしたちかえるモウ」

「何てことぉぉ……」

 おのったミノタウロスは、ドスドスとおとてながはしってった。

「……ドーナ……裏切うらぎったのね……」

 ドーナに裏切うらぎられたジョハリは、こしとすようにすわんだ。

「ううん……」

 ジョハリは、かおおおうほどかなしい気持きもち。

 ドーナは、なぜそんなことをしたのか。

 ジョハリのからだは、かんがえるたびつかれていく。

 

 十分じゅっぷんった。

 ジョハリは、ゆっくりとがる。

「……こんなところでくじけちゃダメね……」

 なみだいたジョハリは、気持きもちをえることにした。

 三十歩さんじゅっぽさき工場こうじょう直売所ちょくばいじょで、ジョハリは七百二十ななひゃくにじゅうG《ゴールド》のチーズちくわと五百三十ごひゃくさんじゅうG《ゴールド》のコーヒーをった。

「ここからは、一人旅ひとりたびになりそうね。さびしくはなるけど」

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