第12話唐辛子の魔法少女

 三人さんにんになったジョハリのまどは、香辛料島こうしんりょうじまにやってた。

 カレーさんがたくさんあるしまだ。

香辛料こうしんりょうじまかおりが、はなるわね」

 ジョハリは、カレーのにおいをぎながら飲食店いんしょくてんまえとおる。

「あたしは、かのにおい。苦手にがてだワン……」

 リンおねえさんは、はなをつまんでくるしそうだ。

「もうすぐ、アサラ兄様にいさまの『アサラカレーてん』です」

 アサラカレーてんぐちにやってた。

 そこには、ドラゴンむすめがいた。

 緑色みどりいろかみ青唐辛子あおとうがらしのブローチがついたマント、しろいドレス、『そう』の文字もじ髪飾かみかざりをしている。

「ああ、美味おいしかったぁ」

「ねえ、みせからてきたあなたは、だれですか? 」

「あたしのは、マンガンジ。これでも、青髪あおがみ魔法少女まほうしょうじょ。アサラカレーセットをべたければ、あたしの年齢ねんれいてなさい」

「では、三十歳さんじゅっさい

魔法少女まほうしょうじょ年齢ねんれいじゃないワン」

「……、では、マンガンジ。ヒントちょうだい」

「うん。あたしは、十二人じゅうににん姉妹しまい一人ひとり名前なまえかみいろふくもみんなちがう。けれど、みんな、激辛げきからきで、ほのおかぜ得意とくいで、ママがドラゴン。そのママは、一年いちねん一度いちどんだ。長女ちょうじょのキャロラナは、十一歳じゅういっさい。あたしには、八人はちにんいもうとがいる。では、あたしは何歳なんさい? 」

「わかりました! 」

「ハイエ、また珍解答ちんかいとうすのかワン? 」

今度こんどは、本当ほんとうです。こたえは××ピーさい

正解せいかいとおっていいよ」


 ジョハリのまどは、アサラカレーてんに、青緑色あおみどりいろ暖簾のれんをくぐってはいった。

 茶色ちゃいろできた正方形せいほうけいのテーブルや椅子いす

 窓際まどぎわまでつづくカウンターせき

 香辛料こうしんりょうかお厨房ちゅうぼうがある。

 そんなみせなかに、丸刈まるがりにしろいティーシャツとしろたんパンの青年せいねんが、なべでカレーをぐつぐつている。。

 その青年せいねんは、しろはだとがったみみをしている。

兄様にいさま、ただいま」

かれが、アサラ」

たしかに、右手みぎてふたつあるワン」

「さぁ、今日きょうはオレのおごりだ。アサラカレーセットを用意よういする」

 ジョハリのまどは、窓際まどぎわせきでカレーがるのをつ。

 カレーをっているあいだ

 ジョハリはハイエに、アサラとの関係かんけいについていた。

「そうえばハイエ、アサラとはどう関係かんけいなの? 」

兄様にいさま元人間まとにんげんで、わたしがみついてグールにしたのです。わたしは、一人ひとりだったので」

「それて、グールのおきて? 」

人間にんげんをグールにえるのは、人間にんげんがそれをのぞんだときだけです」

「なら、安心あんしんしたぁ」

 しばらくして、アサラがカレーをってきた。

「アサラカレーセット、おたせ」

「いただきます! 」

「この激辛げきからカレー、ナンにうわね。刺激的しげきてき。マンガンジがまもりたくなるわけね」

「きのこやとりのカレーもおすすめです。旨味うまみがあってコクぶかいですよ」

「そうね」

「あたしはカレーが苦手にがてだから、みずんでいるワン」

 しばらくして、ジョハリとハイエはカレーをえた。

 そして、ハイエがジョハリとかおわせるようにった。

「ジョハリさん。わたしは、ここにります」

「え、ここにるの? 」

「はい。わたしは食材しょくざいさがしが目的もくてきでした。偶像島の浜焼き、騎士きしのオレンジジュース、雪稲荷ゆきいなりのアイス稲荷いなり分館ぶんかんギルドの血肉ちにく。どれも、美味おいしかったです。しかし、市場島いちばじま魚介ぎょかいつくるシーフードカレーにはかなわない。年明としあけに一緒いっしょつくりましょう」

「うん、約束やくそくする」

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