第11話喰の女神

 ジョハリのまどは、分館島ぶんかんじま分館ぶんかんギルドにやってた。

 紅笠くれないがさ住宅街じゅうたくがいギルドの分館ぶんかんである。

 草原そうげんなかにポツンとつ、木造もくぞう施設しせつだ。

 をもとめるモンスターがおおいからか、ギルドないいのしし鹿しかなどの血液けつえきにおいで充満じゅうまんしている。

 そとからやさしいひかりなか

 ジョハリのまどは、正方形せいほうけいのテーブルをふた陣取じんどって昼食ちゅうしょくべていた。

「バクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバク……」

「ここは、血肉ちにくっているのね」

「今まで、ジョハリに召喚しょうかんしてもらったからな。ひさしぶりに、血肉ちにくえたよ。帽子ぼうしにたっぷりらないとな」

「わたしも、久々ひさびさ血肉ちにくです」

血肉ちにく美味おいしいワン」

 四人よにんは、たのしそうに食事しょくじをした。

 すると、いりぐちから、一人ひとり女性じょせいがやってた。

 彼女かのじょは、 『しょく』の文字もじでできたのしろしろはだとがったみみをしている。

 そんな女性じょせいが、ハイエにわせる。

ひさしぶりです。ハイエ」

「うん? 」

「わたくしと、大食おおぐいで勝負しょうぶしなさい」

だれかはりませんが、けてたちます」

「あたしにも、いどませて」

「……いいでしょう。ジョハリさん」

 三人さんにん正方形せいほうけいのテーブルにき、三十分間さんじゅっぷん大食おおぐ対決たいけつをする。

「いただきます! ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

「おかわり! 」

「おかわり! 」

「あなたも、右手みぎてふたつあるのですね」

「ハイエもね」

 二人ふたりは、売店ばいてんく。

血肉ちにく、おたせしました」

「おかわり! 」

 ふたたび、売店ばいてんく。

血肉ちにく、おたせしました」

「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

さらえないでね」

「わたしもです」

 一方いっぽう、ジョハリは、売店ばいてんとテーブルをったりたりしていた。

血肉ちにく、おたせしました」

「テレポート」

血肉ちにく、おたせしました」

「テレポート」

 どうやら、二人ふたりさらえないのは、ジョハリの瞬間移動しゅんかんいどう魔法まほう仕業しわざようだ。

 そして、三十分間さんじゅっぷんかん大食おおぐ対決たいけつわった。

 ハイエとなぞ女性じょせいは、三皿さんさら

 ジョハリは、五十皿ごじゅっさら

「ジョハリがったけれど……ずるいワン……」

 ジョハリが、リンお姉さんの所に行った。

たしかに、ズルよ。あたしは、あなたたちみたいに血肉ちにくべられないわ」

「さすが、魔法少女まほうしょうじょだワン」

 すると、なぞ女性じょせいがフードをいだ。

「お、お母様かあさま? 」

ひさしぶりです。わたくしは、しょく女神めがみ。このしま守護者しゅごしゃです

「まさか、お母様かあさま女神めがみになってたなんて」

「ハイエのいっぷり、むかしよりもさかんになりましたね」

「それほどでもー」

香辛料島こうしんりょうじまきなさい。あなたの知識ちしきなら、あたらしいメニューをつくれる」

「あ、ありがとうございます! 」

 

 一方いっぽう、ボサツは掲示板けいじばんていた。

鹿狩しかが三百さんびゃくG《ゴールド》。猪狩いのししがせんG《ゴールド》……」

 ボサツは、ジョハリのテーブルへく。

「ジョハリ。オレは、ここでおわかれのようだ。このギルドなら、血肉ちにくえるし、りもできる」

「やっと、目的地もくてきちいたのね」

「ああ。それと、約束やくそくしてしい。年明としあけに、依頼先いらいさき狩猟島しゅりょうじまで、一緒いっしょりをしたい」

「うん! 約束やくそくする」


 

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