第10話氷の魔法少女

 四人よにんになったジョハリのまどは、氷菓島ひょうかじまにやってた。

 一年中いちねんじゅうしろたまのようなゆきもっているしまだ。

なつだというのに、ふゆになったかのような銀世界ぎんせかいね」

「なんだか、さむい……。尻尾しっぽえそうだワン……」

あとで、あたしのコートしてあげるから」

「ありがとワン」

 ジョハリは、リンおねえさんにコートを約束やくそくをする。

 そのジョハリに、ハイエが氷菓島ひょうかじまについてはなした。

「ジョハリさん、アイス稲荷いなりってごじですか? 」

はじめていたわ」

「わたしは、べたことがないのです。狐耳きつねみみ雪女ゆきおんなまもっているので」

たしか、ハイエは、魔法まほうよわいのよね」

「はい」

 しばらくすると、すぎもりからて、合掌がっしょうづくりの建物たてものいた。

 そこには、れい狐耳きつねみみ雪女ゆきおんながいた。

 しろとがったみみしろいショートヘア、ジョハリの二倍にばいおおきさのおっぱい、しろ和服わふくをしている。

「おらの名は、雪稲荷ゆきいなり。おらにてたら、アイス稲荷いなりわせてやろう」

「リンおねえさんは、あたしのコートをてて。あたしは、ハイエの未練みれんは、あたしがかなえる」

魔法少女まほうしょうじょか。ついでに、メタンに、相応ふさわしいかたしかめてやる」

 ジョハリと雪稲荷ゆきいなり魔法戦まほうせんはじまった。

「いざ行くだぁ。吹雪ふぶき! 」

「フレイム! 」

 ジョハリは、氷魔法こおりまほうたいして炎魔法ほのお使つかった。

「うぅ……」

 しかし、ほのおはかき消され、建物たてものちかくにせる。

ほのおだけじゃ無理むりね。じゃあ、フレイム! オイル! 」

 ジョハリは、ほのおくわ油魔法あぶらまほうした。

 そして、大爆発だいばくはつ雪稲荷ゆきいなりがぶっんだ。

「う゛ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 屋根やねあないた。

「ジョハリさん。やりぎじゃないですか? 」

「……ごめん……」


 そのあと、ジョハリのまど雪稲荷ゆきいなりは合掌造りの建物たてものなかはいった。

「はむぅはむぅはむぅはむぅはむぅはむぅ……バニラのあまさと大豆だいずあまみが、みごとにわさっている。おいしい」

「あたしは、スイーツが苦手にがてだから、みずんでいるワン」

 そこへ、ジョハリとはべつ魔法少女まほうしょうじょがやってた。

 『こおり』の文字もじかれたとんがり帽子ぼうしあおのツインテール、ほそあお和服わふくあおいベストをしている。

はじめまして、メタンだぁ。雪女ゆきおんな魔法使まほうつかいのあい

「あたしは、ジョハリ。よろしく、メタン」

「よろしく」

 雪稲荷ゆきいなりが、メタンをんだ理由りゆうにつて説明せつめいした。

じつは、メタンをんだのは、冒険ぼうけんパーティーにいれれてほししいからだ」

「オカンからいた。うちは、雪稲荷ゆきいなりよりえぇ。ジョハリ、仲間なかまにしてくれ」

うわさになってたのね。いいわよ。ただし、メンバーはまだ十分じゅうぶんだから。年末ねんまつね」

「ありがとぉう」

ジョハリは、年末ねんまつにメタンとあううことを約束やくそくする。

 

 すぎもり

 そのなか小屋こやでジョハリのまどは、のこったアイス稲荷いなりべながら休憩きゅうけいした。

「はむぅはむぅはむぅはむぅはむぅ……こんなにゆきつよいと、かえりが大変たいへんね」

「そうだワン……」

 ボサツは、年末ねんまつのことについてづいたはなした。

「そうえば、年末ねんまつおに女神めがみがイベントをひらくんだよな」

「そうなの。去年きょねん、その女神めがみたたかったんだけれど、あまりにもつよくて鬼神餅きしんはいらなかったのよね。モンスターの頂点ちょうてんだからかなぁ」

「はむぅはむぅはむぅはむぅはむぅ……ジョハリさんでも、たおせない相手あいてがいるのですね。それにしても、このアイス稲荷いなりは、あまくて美味おいしいですね」

「うん」

 ハイエはアイス稲荷いなりを、しまからるまで美味おいしそうにべた。


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