第8話血の女神

 ジョハリのまどは、斬血島ざんけつじまにやってた。

 そこには、あかあおなどのかわら和風わふう建物たてものがある。

 その建物たてもの周辺しゅうへんに、日本刀にほんとうやサーベルなどのけんったモンスターがたくさんいた。

「あたしがきなにおいがするわね」

「ああ、オレもにおいはきだよ」

「そうえば、ボサツのおかあさんはどうひとなの? 」

「オレのオカンはむかしけん名手めいしゅだったんだ。『斬血ざんけつとおりであれば、オカンは女神めがみになっているはず。はやく修行しゅぎょう成果せいかをみせてあげたい」

 斬血神殿ざんけつしんでんいた。

 あか瓦屋根かわらやね和風わふう建物たてものだ。

 そのかわらは、レッドキャップの帽子ぼうしのような血液けつえきにおいがする。

「よし。準備じゅんび出来できた」

 ぐちに、ボトルをバッグにめているエルフの女性じょせいがいる。

 ぎん甲冑かっちゅうあかいショートヘアー、とがったみみ軍服ぐんぷくような黄色きいろふく、ジョハリの1.5ばいほどのおっぱいをしている。

「わたしのは、レジーナ。幻獣国げんじゅうこく都会とかいまれた冒険騎士ぼうけんきし。わたしをたおしたら、オレンジジュースをやろう」

「ここは、オレがやる」

頑張がんばって、ボサツ」

 ボサツとレジーナは、自分じぶんこしのさやからけん一本いっぽんいた。

「あなたは、日本刀にほんとうですね」

「そっちは、ほそけんか」

「では」

「いいたたかいを期待きたいする」

 二人ふたりは、ったけんを、キンキンとはげしくぶつけった。

 一回いかい二回にかい三回さんかい四回よんかい五回ごかい……。

 そして、一定いってい距離きょりをとる。

 一歩いっぽ二歩にほ三歩さんぽ四歩よんほ五歩ごほと。

「ううん? 」

 すると、ボサツはなにかにづいた。

「すきあり! 」

 ボサツは、レジーナのけんについているオレンジのたまねらってけんった。

「わたしのけんが! 」

 レジーナのけんは、ぐち付近ふきんのしげみにんでいった。

「たく。なぜ、オレンジをけんした? 」

「あれは、おしゃれ。そっちこそ、その帽子ぼうしはおしゃれじゃないのか? 」

「このあか帽子ぼうしは、レッドキャップの心臓しんぞう。おしゃれではない」

「しかたない。けんは、あとさがそう」

 レジーナは、バッグからコップとボトルをした。

「さぁ、オレンジジュースだ」

「いただきます」

「ゴクゴクゴクゴクズズズゥ」

 ボサツはオレンジジュースを、三秒さんびょうした。

「はやく、女神めがみわないと」

「あたしたちは、ゆっくりんでいるわね」

「それにしても、このオレンジジュース。甘酸あまずっぱいあじがクセになります」

「ゴクゴクゴクゴクゴクゴクズズズゥ。おかわり」

「そこのブラックドッグ。もうわったのか」

「だって、美味おいしいんだワン」

「ムシャムシャムシャムシャムシャムシャ」

「ドーナは、ずーっとくさね」

「よく、あききませんねぇ」


 ボサツは、女神堂めがみどういた。

 ゆか一面いちめんたたみかれている。

 まるで、道場どうじょうのようだ。

 まえに、女性じょせいがいる

 しろ和服わふくに、二本にほん日本刀にほんとうっている。

 彼女かのじょが、女神めがみだ。

「やっぱり、オカンだ」

「久しぶり。ボサツ」

女神めがみになったら、帽子ぼうしっかになるのか」

いまでも、あつめてるわよ」

「オカン。あんたがいないあいだ、オレは修行しゅぎょうをしてきた。修行しゅぎょう成果せいかをみせたい」

「どこまで成長せいちょうしたか、みてあげましょう」

 女神めがみは、こしのさや二本にほんけんいた。

 そして、まえすすむ。

 一歩いっぽ二歩にほ三歩さんぽ四歩よんほ五歩ごほ…。

「うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 そして血の女神は、ボサツにかってんだ。

 しかし、ボサツは二本にほんけんったままうごかない。

なにかんがえているのでしょうか? 」

いち…………さん……よん……てりゃあ! 」

「あっ! 」

 ボサツは、けん二本にほん同時どうじに振った。

 そして、女神めがみけんうえへはじきかえした。

「ああ。二本にほんとも天井てんじょうさちゃった」

「オカン。やっぱり、もう一度いちどたたかいたい」

十分じゅうぶん成長せいちょうしたとおもうわよ」

「オカンが、こんなによわいはずがない。もう一度いちどたたかわせてくれ」

「では、年明としあけに約束やくそくします」

「ありがとう! 」

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