第7話怖い魔法少女

「ジョハリさん、みなさん、ただいま」

 リンおねえさんが、魔禁神殿まきんしんでんからもどってた。

 リンおねえさんは、なんだからくになったかのようにうれしそうだ。

「おかえり。どうだった? リンおねえさん」

「『魔法戦まほうせん試練しれんをクリアしたら、きたい飲食店いんしょくてんおしえてあげる』っておかあさんがってたワン」

「で、きたいみせってどこなの? 」

秘密ひみつだワン」

秘密ひみつなのね」

「それじゃぁ、みんな、つかれていることだし。休憩きゅうけいするワン」

「あたしが、血肉ちにく用意よういするね。ミート! 」

 ジョハリは、血肉ちにく召喚しょうかんした。

「ありがとう、ジョハリ」

 ボサツは血肉ちにくったあと丸太まるたうえすわった。

 そして、帽子ぼうしをひざのうえき、はじめる。

ほかのみんなはみずね」

「はーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!! 」

 ジョハリは、バッグからポットとコップをした。

 そのあと、ポットのみずをコップにそそぐ。

「みんな、コップをってぇ」

 ジョハリのびかけとともに、ボサツ以外いがい三人さんにんはがコップをった。

 そして、丸太まるたすわり、みずみながら雑談ざつだんをする。

「ちょうど、帽子ぼうしかわいてたところだ。ジョハリが召喚しょうかんした血肉ちにくろう」

「ゴクゴクゴクゴクゴクゴク……」

「それにしても、ドーナはよくみちえたくさってうよなぁ」

「ボサツ。いまくちにしているはみずだモウ。けれど、みちえているくさは、あしまるくらい美味おいしいモウ。

「それ、ダジャレか? 」

「わははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!! 」

「ドーナさん、ナイスギャグ! 」

うれしいしいモウ」

「わたしも、ギャグできますよ」

「ハイエ、せてしいモウ! 」

右手みぎてがパーで~左手ひだりてもパーで~ふたつの右手みぎて~ふたつつの右手みぎて~」

「でたぁー。グールぞくのモチギャグだモウ」

「すっごい、面白おもしろいワン」

「わははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!! 」

「もはや、ダジャレじゃないな」

 すると、ジョハリがくちひらいた。

「みんなにはなして、いいかなぁ……」

つらそうなかおですね」

はなしたいなら、はなしていいぞ」

「うん。あたしが九歳きゅうさいころ幻獣国小学校げんじゅうこくしょうがっこうかよってたの。ツァイガルとはおなじクラスだったんだ。彼女かのじょにはよく、魔法まほうでクッキーをして自慢じまんしてたの。けれど、魔法まほうしんじない男子達だんしを、魔法まほうころした。魔法少女まほうしょうじょ存在そんざい否定ひていするかれらを、あたしはゆるせなかった」

「……」

「それで、退学たいがくになったのですね」

魔法まほうは、かたちのない凶器きょうきなんだな」

 ハイエのギャグから一転いってん三人さんにんみずをこぼすほどかなしい気持きもちになった。

 そんなそんな、リンおねえさんはジョハリのちかくをゆびをさした。

安心あんしんしてくれ。たすけてくれるひとは、すぐちかくにいるワン」

「え? 」

 ジョハリはひだりいた。

 そこには、ハイエとのバトルから回復かいふくしたツァイガルの姿すがたがあった。

 からだかるくなったのか、ツァイガルはすぐにジョハリの正面しょうめん移動いどうした。

「パーティーにまぎれていてたぞ。つぎ十一月じゅういちがつ元巨木島もときょぼくじま魔法まほうをコントロールする修行しゅぎょうをしよう」

「ありがとう、ツァイガル。まさか、人間にんげんたすけられるとは、おもってなかった」

「え? 魔法少女まほうしょうじょって、人間にんげんじゃないのかぁ? 」

正確せいかくには、人間型にんげんがたのモンスター。人間にんげん魔法まほう使つかえないの」

はじめて、ったよ」

「とにかく、修行しゅぎょう、よろしくね」

「ああ」

 ジョハリは、ツァイガルとの修行しゅぎょう約束やくそくをした。

 

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