第3話裏世界島の魔法少女

 ジョハリは、裏世界島うらせかいじまにやってた。

 灰色はいいろ四角しかく建物たてもののがひとふたつとならんでいる。

「ふぅ……五月ごがつなのに、あついわね…」

 ニハ王子おうじからいたはなしによると、かれあねがいて、そのむすめ魔法少女まほうしょうじょらしい。

「そうえば、ドーナ。このみち、ずっとくろいわね」

「これが、裏世界うらせかいなのかモウ? 」

なにか、あかみどりにピカピカひかるものがありますねー」

裏世界うらせかいのゴーレムか? 」

 しばらくすると、しろ横縞よこしま足元あしもとあらわれた。

 縞々しましまさきには、ニハ王子おうじからいたえきがある。

いますぐ、くモー」

 ドーナは、いそいでえきかう。

 そこへ、あか横長よこなが四角しかくいものがドーナにちかづく。

「うも? ふ、モーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! 」

 ドーナは、四角しかくいものにひかれた。

大変たいへん! 」

 ジョハリは、まみれになったドーナに回復魔法かいふくまほうをかけた。

「ヒーリング! 」

「う、うう……」

 すると、ピンポンパンポーンとおとながれる。

「フィロからのおらせ。信号機しんごうきあおになってからわたりましょう」

「あのゴーレムは、信号機しんごうきか」

「ジョハリさん、ドーナさん。縞々しましま手前てまえもどってください」

「そうね」

縞々しましま手前てまえ集合しゅうごうだモウ」

 そしてジョハリのまどは、信号しんごうあおになってからわたった。


 えきなかいた。

 天井てんじょうには、えき看板かんばんのようなものがあるが、なにかれていない。

 とおくで、二本にほんてつぼううえを、橙色だいだいいろ横長よこなが四角しかくはしっている。

「あれは、実家じっかほんたことがある。電車でんしゃよ」

と、そのとき

「あ、……」

 ジョハリがだれかの魔法まほうによって、てつぼううえにワープした。

「フィロは、あたしをひくつもりね。だけど、リバース」

 ジョハリは、自分じぶんとフィロの位置いちえた。

 そして、フィロは電車でんしゃにひかれた。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

 そのあとかたまりになったフィロを回収かいしゅう

「リライフ! 」

 ジョハリは、フィロを魔法まほう復活ふっかつさせた。

 ふくからかぶりものまで、すべて復活ふっかつしている。

「これで、よし」

 魔法まほうをかけわると、フィロがもともどった。

 彼女かのじょ姿すがたは、くろ黄色きいろのツインテールとさかさまのティアラ、『てん』とかれたドレスだ。

 フィロは五人ごにんて、おこったよな表情ひょうじょうになった。

 そして、自分じぶんやってきたことをいた。

電車でんしゃもバスもうごかしたはフィロなの」

「こいつが、ドーナとジョハリはひどいわせたのかワン」

「フィロは、裏世界うらせかい常識じょうしきおしえただけ」

 フィロは、反省はんせいしているかは、わからない。

 しかし、フィロにとっては正論せいろんのつもりだ。

 そんなフィロに、ハイエが質問しつもんした。

「けれど、なぜ裏世界うらせかいにこだわるんですか? 」

「この世界せかいに、フィロにふさわしい結婚相手けっこんあいてがいないの。本当ほんとう裏世界うらせかいけたら……」

「なら、一緒いっしょこう! 」

 突然とつぜん、ジョハリがフィロの右手みぎてにぎった。

「いいの? けるかどうかわからないよ」

実家じっかもどって調しらべてみる」

「フィロも、しろもどってみる」

 ジョハリとフィロは、裏世界うらせかい約束やくそくをした。

「わたしも、裏世界うらせかいけるといいワン」

 リンおねえさんも、きたそうだ。

「わたしは、目的もくてきつかったら……」

「ううん? 」

「ああ。けるといいモウ」

 ドーナは、かくごとをするかのようにこたえた。

裏世界うらせかいでチェーンてんしたいですねぇ」

「ひょっとして、ハイエのいえって……」

「カレーさんです」

「そうなのか! 」

 ハイエは、裏世界うらせかいみせしたいようだ。

 しかし、ハイエのいえがカレーさんだったとは。

「ちなみに。オレは裏世界うらせかいとおしたにくう」

 ボサツは、本気ほんきでおなかをこわしたいようだ。

 どんだけ、間抜まぬけだ……。

 とにかく、島巡しまめぐりとおなじく、裏世界うらせかい目的もくてきもみんなバラバラだった。

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