第2話偶像少年

 ジョハリのまどは、偶像島ぐうぞうじま偶像城ぐうぞうじょうのコンサートにやってた。

 しまへの移動いどうは、ジョハリの浮遊魔法ふゆうまほう使つかう。

 あお屋根やねしろ一階いっかいにあるコンサートの舞台ぶたいでは、偶像島ぐうぞうじま王子様おうじさまアイドル『偶像少年ぐうぞうしょうねん』がうたやダンスを披露ひろうしている。

 偶像少年ぐうぞうしょうねんは、結婚けっこん興味きょうみがない三兄弟さんきょうだいが、裏世界うらせかい流行はやっているアイドルにあこがれて結成けっせいされた。

 かれらをまとめているのが、プロデューサーのわりである王家おうけ専属せんぞく吟遊詩人ぎんゆうしじんだ。

 いま偶像少年ぐうぞうしょうねんは、大声おおごえしながらひかぼうっている人々ひとびと応援おうえんされている。

 ジョハリも、ドーナたち準備じゅんびしたひかぼうって応援だ。

「ニハー! こっちいてー! 」

「ジョハリさん、ニハ王子おうじしなんですか? 」

どもっぽいかおとパズルきなところが、きなの」

うたは、関係かんけいないのか! 」

 偶像少年ぐうぞうしょうねんうたわり、ライトがひとつずつえ、舞台ぶたいはだんだんしずかになる。

「みんな、てくれてありがとーーー!!! 」

「このあと、ゲーム大会たいかいだ! 」

「ゲーム大会たいかいたいワン」

「リンおねえさん、ドーナ。ってらっしゃい」

 二人ふた獣人じゅうじんは、舞台ぶたいおこなわれるゲーム大会たいかい参加さんかした。

 第一回戦だいいっかいせんは、綱引つなひき。

 こしいたつなって、さきにボールをとった方がち。

 バトルは、長方形ちょうほうけいのフィールドで行う。

 むらさきのショートヘアで細目ほそめすえのニロ王子おうじと、ドーナの対決だ。

 しかし、勝負しょうぶは、一瞬いっしゅんだった。

「う、モーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! 」

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

 ニロ王子おうじは、さけごえをあげながらられた。

 それにより、ボールをいきおいよくったドーナの勝利しょうり

「やったモーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! 」

「ミノタウロス、つよすぎ……」

 最終戦さいしゅうせんは、漢字かんじクイズ。

 さきに、二問正解にもんせいかいしたほうち。

 ここでは、二つのライトがらされている舞台ぶたいで、ボタンがあるつくえ一人ひとりずつすわっておこなう。

 茶色ちゃいろいショートヘアで笑顔えがお似合にあうニニ王子おうじとリンおねえさんの対決たいけつだ。

 出題しゅつだいは、ハンデとしてドーナがおこなう。

第一問だいいちもん。『牧場』は、なんとむモウ? 」

こたえは、『まきば』」

「ブブーーー! 」

「『ぼくじょう』だワン」

「ピンポーン! 」

第二問だいにもん。『辛い』は、なんとむモウ? 」

こたえは、『からい』」

「ブブーーー! 」

「『つらい』だワン」

「ピンポーン! 」

 二問先取にもんせんしゅによりより、リンおねえさんの勝利しょうり

「クイズでらずのこのぼくが……」

 すると、舞台ぶたいおくから、パチパチとをたたくおとがした。

 あおいショートヘアの長男ちょうなんのニハ王子おうじだ。

「すごい、イカサマだったよ」

「イカサマ? 」

「さすが、偶像少年ぐうぞうしょうねんいち頭脳派ずのうはニハ様。わたしもとから、こたえがふたつある問題もんだいしてたモウ。だから、リンおねえさんが正解せいかいになるようにしたモウ」

にいさん。ミノタウロスとグルだろ! 」

「オレ、らねえ」

 こうして、たのしいゲーム大会たいかいは、無事終了ぶじしゅうりょうした。

 

 偶像城ぐうぞうじょうぐち

 暗闇くらやみつつまれる、西洋風せいようふうしろまえ

 そこで、ドーナがジョハリに本音ほんねった。

本当ほんとうは、ジョハリがクイズに参加さんかしてしかったモウ」

「どうせ、おな結果けっかよ」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る