ジョハリの魔法少女

セレンとセシウム

第一章 準備

第1話ジョハリの窓、出発

 幻獣国紅笠町住宅街げんじゅうこくくれないがさちょうじゅうたくがいギルド。

 ギルドとは、冒険者ぼうけんしゃたび途中とちゅう仕事しごとさが施設しせつ

「ふー。コーヒーがおいしいわ」

 長方形ちょうほうけいのテーブルのまえで、コーヒーをみながらクッキーをほおばる少女しょうじょいる。

 彼女かのじょは、ジョハリ。

 金髪きんぱつのおがみに、くろあおのワンピースとしろあかのコートをて、白いネクタイを付けた十歳じゅっさい魔法少女まほうしょうじょ

 魔法少女まほうしょうじょとは、10さいから18さい魔法使まほうつかいのことである。

「今日は、冒険ぼうけん出発しゅっぱつするね、ハイエ」

「ジョハリさんのためにも、頑張がんばってべます。バクバクバクバク……」

 さらおおんでいるグールの少女しょうじょがいる。

 彼女かのじょは、ハイエ。

 グールとは、とがったみみしろ、白いはだふたつの右手みぎてった妖精ようせい

 グールのまれた人間にんげんは、グールになる。

「そうえば、ボサツの姿すがた見当みあたらないわね」

 ジョハリは、ギルドの中を見渡みわたした。

 なんと、売店ばいてんまえ長方形ちょうほうけいのテーブルに、あか和服わふく茶色ちゃいろいベストのレッドキャップの少女しょうじょがたおれている。

 レッドキャップには、グールとおなとがったみみがある。

 かりった血肉ちにくで、帽子ぼうしめる妖精ようせいだ。

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」

「おなか、こわしましたね」

「ボサツったら。また、とおしたにくべたのね。しかたないわ」

 ジョハリのこうには、ふたつの魔方陣まほうじんがある。

 それをひからせ、呪文じゅもんさけぶことで魔法まほうせる。

「ヘルスケア」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 ボサツは、気持きもちがらくになり、おなか回復かいふくした。

「そう言えば、ジョハリ」

「うん? 」

「リンおねえさんと、ドーナの姿すがたをみていないんだが」

「このあと偶像島ぐうぞうじまでゲーム大会たいかいがあるから、その準備じゅんびおくれるって」

たびまえにお手洗てあらいをませましょう」

「ああ」

「わたしはそとっていますね」

 二人ふたりは、テーブルから三十歩先さんじゅっぽさきのお手洗てあらいにった。

 五分後ごふんご

「ああぁぁ」

「すっきりしたぁ」

 お手洗てあらいからもどった二人ふたりは、ハイエが売店ばいてんまえのテーブルにもどる。

二人共ふたりとも、まだてないわね」

「ああ」

「ジョハリさん、ボサツさん。もう少し、ちましょう」

 十分後じゅっぷんご

 おくれてきた二人ふたりがやってた。

「おたせだワン」

 最初さいしょたのは、ブラックドッグのリン。

 ジョハリの1.5ばいおおきさのおっぱい、くろみみがついたくろいモフモフの尻尾しっぽがある、いぬ獣人じゅうじんのおねえさん。

 炎魔法ほのおまほう使つかえる。

おくれてしまったモウ」

 リンおねえさんのつぎにやってあおいサロペットの少女しょうじょは、 ミノタウロスのドーナ。

 二本角にほんづの茶色ちゃいろみみほそ尻尾しっぽがあるうし獣人じゅうじんだ。

おそいよ。では、あらためて。あたしたち冒険ぼうけんパーティー『ジョハリのまど』は、幻獣国げんじゅうこく上空じょうくういている十五ヶ所じゅうごかしょしまめぐるの」

「わたしは、美味おいしい食材しょくざいさがしに」

「オレは、あたらしいさがしに」

「あたしは、きん女神めがみ試練しれんけるために」

「わたは……うんとにかく出発しゅっぱつするモウ」

「それじゃあ、たびるよぉ」

「おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!! 」

 れわたるそらした

 仲間なかまがそろったジョハリのまどは、ギルドを出発しゅっぱつした。




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