"好き"は?

「まだ、一緒に居たい…。ドライブする?」

「…うん」

みずきは、ドキドキが止まらなかった。

でも、好きという言葉も、彼女とちゃんと別れたという言葉も聞いていない事に、不安を覚えていた。


2人でまた車に乗って走りだす。

赤信号の度に、手を繋ぐ。

「すぐ、青に変わっちゃうね」

「ん?」

「…何で」

「何で…って。何が?」

「手、繋いでいたいじゃん」

(…手より先にやる事あんじゃないの?好きは?)

「ま、いいけど…」

(こっちは良くないけど…?)


ちょっとした高台に車を停めた。

「ここからも、夜景キレイに見えるね」 

「うん、キレイ…」

創は、みずきにキスをしようとした。

「ちょっと!待って!」 

「何で?」

(さっきから、何で、何で、って…)

「私の事好き?」

好きと言う言葉を聞かない事には、先に進めないと思っていた。

「みずきさんは?」

「え?好き…」(質問返しかよ…)

「ホント?俺も好き」

「え?」

「だって…。みずきさん、ラインの返信で、(笑)って…」

「あぁ…ゴメ」(唯、私ら、まちがえてたっぽい)

「…嬉しい」

創は笑った。


「キスしたい」

創は、みずきが返事をする前に、キスをした。

創のキスはタバコの味がした。

2人は何度もキスをした。

でも、みずきは気がかりがもう一つあった。

2人は唇をはなした。

「彼女は…?」

「ん…、これから別れる…」

(は?!)

創はまた、キスをした。

みずきは、何度もキスをしてしまったから、今更断れず、モヤモヤしながら、キスを受け入れた。

それに、やっぱり創の事が好きになってしまっていた。


創がみずきの家まで送った。

みずきは、車を降りる前に、

「彼女と別れてね…」

と念をおしておいた。

「うん…」

(おいっ。…返事が薄いんだよ)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る