二章『白き龍と閉ざされし国の姫』

一章までのあらすじ


・『序章』での出来事


 最高難易度ダンジョン13層という大きな壁を世界で初めて乗り越えた真一級パーティ『ソロモンバイブルズ』に所属するルードは、自らの無能を責めてたてられてパーティーから追放された。


 その後、コルウェットによって13層から突き落とされ、奇跡的に目覚めたスキルによって一命をとりとめたモノの、172層にまで落ちてきてしまったルードは低国ヴィネの最深部出の生活を余儀なくされることになる。


 そこで出会った悪魔ヴィネからの特訓を受け強くなったルードであったが、ルードを排除しようと目論むバラムの計画に嵌められてしまう。


 利用されたのはルードを172層に突き落とした張本人のコルウェットであり、彼女もまたバラムの手で172層まで突き落とされてしまう。そして、遂にはバラムの予想通りにダンジョンボスを目覚めさせてしまうコルウェットであったが、そこに駆け付けたルードがダンジョンボスを倒すことで事なきを得た。


 しかし、裏で暗躍していたバラムが表に出てきてから状況は一転。ルードは反撃することもできないほどのボコボコにされ、更にはコルウェットが心臓を貫かれて殺されてしまう。


 コルウェットの死を悼むルードは、どういうわけか使えるようになったコルウェットの力を借り、何とかバラムを倒すことに成功した。


 ダンジョンボスを倒したことによって崩れていく低国ヴィネ。しかも出口がないため、このままでは自分たちは生き埋めになってしまう。

 しかし、ここでヴィネから提案がされる。


 ダンジョンの主になれば、この崩壊を止められると。


 そんな提案を受けたルードは、奇跡的に一命をとりとめたコルウェットを助けるためにも、ダンジョンの主となることを決意し、ヴィネと契約を交わしたのだった。


・『一章』での出来事


 塩を求めて地上に帰還したルードとコルウェットの二人。生きていたことを隠していた二人であったが、ひょんなことにかつてのパーティーメンバーであるブルドラに絡まれ、決闘紛いの戦いにまで発展。


 事の成り行きを見かねたのか、更にはもう一人の元仲間のナズベリーまで現れた結果、二人は素性と目的を話さざるを得なくなった。


 そうして始まったのは、ブルドラの監視役となってしまったギルドの受付嬢マリアを連れた五人の旅路であった。その道中で命からがら逃げる商隊を助け、そこでモアラと出会いつつ、ルードとコルウェットは目的の街ダマサクに到着する。


 その目的は、コルウェットの帰郷であった。


 コルウェットの帰郷を手伝ったルードたちだったが、ギルドから緊急招集が掛かり、それどころではなくなってしまう。


 どうやら低国ヴィネが存在する国、流砂の国アビルの王都コーサーに異変があったのだという。その異変を解決するためにルードたちはコーサーにとんぼ返りをすることに。


 実は流砂の国の姫であったモアラと共に、コーサーに乗り込むルードたち。様々な犠牲を出しつつも王宮にたどり着いたルードであるが、そこには敵に操られたブルドラがいた。


 呪いに縛られた彼は、戦いの中で正気に戻る。しかし、ルードへの嫉妬を忘れることができずに戦いを挑み敗北した。


 一方、モアラとコルウェットは王宮の地下に移動。秘宝である『アビルの宝剣』を入手し、代々王族に引き継がれてきた〈冰帝〉を守ることが目的だ。


 その道中でアイリスという少女と戦い、そしてコルウェットの機転によって何とか勝利を収めることに成功する。


 その後、地上に出た彼女たちに待ち受けていたのは、コーサーの異変の首謀者との最終決戦に挑むルードの姿であった。


 敵となるのは悪魔プルソン。彼は空高くへと昇って行き、雲と一体化することによって町ごとルードを殺そうと企んだ。それを阻むために、ルード、コルウェット、モアラは協力し高位魔法を超える神域の魔法『絶冰界』を発動し、事なきを得た。


 ただ、最後にモアラはルードの問いかけた。


 地下で出会ったアイリスの装備から、彼らの後ろには白の国という大国があることを。そして、その白の国を牛耳る大貴族『シュバルツ家』と、ルードは関係があるのではないか、と彼女は疑ったのだった。


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