ある者の手記『スキル・魔法』編
とある手記より抜粋
●『スキル』
ステータスに表記される特殊な力を指す。
大別して二種類に分けることができ、それぞれ通常スキルと天賦スキルと呼ばれる。
・『通常スキル』
行動に付随する技術や効率などの補助をしてくれるもの。
一説には世界よりその力を認められた人間が与ることができる恩恵とされている。
基本的にはスキルに記載された力を強化することができ、中には魔力を使うことによってその性能を強化することができるものも存在する。
例を挙げれば、〈遠視〉という通常スキルは遠くを見るということを強化してくれるスキルであり、魔力を注ぐことで数キロ先の景色も詳細に見ることができる。
・『天賦スキル』
その個人が持つ特異極まりない能力の総称。その種類は通常スキルよりも多岐にわたり、個々人による性能の差が激しいのも特徴。
総じて、生態的に人間が持ち得るようなものではない力、或いは本来の能力を逸脱した力を人間に与えてくれる。
とある悪魔曰く、それは何らかの要因によって魂に刻み込まれた力だとされる。
〇〈
火属性魔法の性質を変化させる魔法系天賦スキル。
スキルの使い手が扱う火属性は、花が咲き誇るかのように炸裂する強力な魔法となる。
何よりも、魔力の使用効率が上昇するために大量の魔力が必要とされる大規模な上位、高位魔法の使用ハードルが低くなるのが強みと言えるだろう。
〇〈重傷止まり〉
魔力を注ぐことで致死の傷を重傷でとどめることができる生存系天賦スキル。このスキルのおかげで、ルードは様々な局面を乗り越えることができた。
〈瀕死止まり〉より進化したスキルである。
〇〈王の器〉
〈王の器を連なるもの〉とステータスをやり取りすることができるスキル。前代未聞の異常なスキルであるが、ルードの存在自体が前代未聞レベルのものなので、その異常性については割愛しよう。
〇〈玉座支配〉
ダンジョン支配のスキル。未だ謎が多いものの、支配下に置いたダンジョンを管理する側面もあるようだ。
〇〈
手から放出された魔力に触れたものを金に変貌させるスキル。生物無機物問わず有効であるものの、本人曰く防ぐ方法があるらしい。
〇〈
火属性に分類される魔力を使い自身の肉体を軸として爆発を起こすことができる。爆発による直接攻撃はもちろん、爆風を利用した加速といった応用も可能。その威力は魔力を溜めるほどに高くなっていく。
〇〈虫の報せ〉
自分の知己の人間の窮地を知ることができる感知系スキル。ただし、どんな窮地に陥っているのかはわからない。だが、その窮地を見過ごせばその人間が死んでしまうことは確からしい。
〇〈
水属性魔法に分類される魔法系天賦スキル。数少ない魔力を氷へと変質させることに特化しているらしく、〈花炎姫〉と比べると魔法の操作に対する補正が全くないため、扱い熟すには相応の習熟度が必要。
〇〈
己の肉体を霧状物質へと変化させることが可能。また、周囲の霧や雲を飲み込むことでその体積を増加させることが可能であるが、反面自らの消失に繋がる危険を孕んでいる。
何が自分の中に混ざって来ようとも、自分であり続ける強靭な精神力が求められるスキルである。
●『魔法』
魔力を利用し特定の現象を発生させる魔力運用術の総称。未だ解明されていないことも多く、様々な国が研究を進めている。
・属性
魔力には純粋な属性を持たない魔力と属性に変換させられた魔力の二種類が存在する。可逆的ではあるが、魔法には属性持つ魔力しか運用することができない。
・始原四属性
この世の形を作ったとされる火、水、土、風の四つからなる属性。たいていの魔法はこの四属性からなる。
・創成四属性
遥か昔、創世期に世界の基盤を作ったとされる属性。時空、夢想、白光、黒闇の四つが存在する者の、公には失われた属性として伝説所の存在となっている。
・階級
魔法にはその魔法を発動させるための難易度を示した階級が存在する。下位、中位、上位、
〇『
〈花炎姫〉によって変質した魔法の中でも、その変化を色濃く現した魔法。咲き乱れる花のように同時並行的に複数の花騎士を召喚することができ、その隊列は高難易度ダンジョンの魔物を蹂躙するほどの攻撃力を誇り、その盾は主である姫を守る鉄壁の防御力を持つ。
〇『
172層での階層門番との戦いでコルウェットが編み出した大魔法。
〇『
中位に属する火属性魔法。ルードが扱える最大火力の魔法であるものの、魔法に熟達したものならばだれでも利用できる程度の難易度である。
〇『凍槍』
その名の通り命中した場所を凍てつかせる氷の槍を放つ魔法。中位魔法であり、威力も高くはないが――〈冰帝〉のスキルがあるのならばその限りではない。
〇『
周辺空間を凍てつかせる高位魔法。実は高位に属するものの扱いは簡単なのだが、その分使用魔力がとんでもなく、また閉所でなければ冷やした先から冷やした空気が逃げて行ってしまうために、満足のいく効果を期待することができないという欠陥魔法。
或いは、莫大な魔力でもあれば別なのかもしれない。
〇『絶冰界』
冰界を超える魔力と、それを御しきる技術と、それらを補助するスキルの存在によって初めて発動を可能にした大魔法。神位に手を掛けた魔法であり、その威力は絶大。
狙いを雲に定めていなければ、町そのものが永遠の氷の中に閉じ込められていたやもしれない。
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