為にならない人物紹介④ ~登場予定に無かったキャラと変更設定~

 隠密チームは連載開始後に生み出されたキャラクター達です。管理人との戦いだけではワンパターンな展開になりがちなので、人間同士のチーム戦を組み入れてみました。主人公チームが良い人だらけなので、隠密隊構成員は地獄に落ちても納得と思えるゲスい人物設定にしました。


 それとエナミのパパを倒すには射手が足りなかったんです。当初はセイヤの弓の腕を急成長させてイオリにぶつける予定でしたが、いやいや、凄腕の暗殺者で地獄で300年間(現世時間では5年)管理人やっているイオリに、弓持ったばかりの素人が並んじゃうとか白けるよね、と考え直しました。

 そこで急遽、弓を扱える新キャラが書き下ろされた次第であります。




◆シキ(33)


 隠密隊の現リーダー。剣も弓も鞭も使えるオールラウンドプレイヤー。

 貧しい家庭に育ち、七歳の時に貧民街の片隅に口減らしを図った両親によって置き去りにされた。彼を拾ったクズに小児愛好家である金持ちうんこへ売られてしまう。

 金持ちの性奴隷として屋敷で生活することを許されるが、度々抜け出して両親を捜しに貧民街へ行っていた。


 ある日、衰弱した捨てられた赤ん坊を見つけ、かつての自分を思い出した彼は保護することを決めた。屋敷には連れ帰られなかったので、貧民街の住人に金持ちから貰った小遣いを渡して赤ん坊の世話を依頼した。その後もソウシと名付けた赤ん坊の元へ足繫く通い、両親の代わりとなる家族愛を手に入れた。

 将来ソウシを守る為に、金持ちに頼み込んで武術の師を付けてもらい鍛錬に励んだ。 


 十四歳で声変わりと同時に、男娼として用済みとなり金持ちの屋敷から追い出されるが、ソウシを引き取り、身に付けた武芸で貧民街で生きる不良少年達のボスとなった。

 彼の強さに目を付けた当時の隠密隊リーダーにスカウトされ、更なる闇の世界に踏み込むこととなる。壮絶な人生を送って来た苦労人。道化師のような言動は、茶化さなけば精神が崩壊してしまうから。

 人間扱いされてこなかったので、犬と呼びながらも気遣って来るエナミ達の態度に戸惑っている。




◆ソウシ(25)


 シキに拾われた元赤ん坊。シキにとっての生きる意味。射手。

 命の恩人であるシキを兄と慕い、シキを助ける為にシキの反対を押し切って隠密隊へ入る。

 癖の強い隠密隊の中に居ても周りに染まらず、高潔な魂を失わなかった心の強い青年。




◆ノエミ(36)


 くのいち姐さん。針使い。見た目は儚げな美女。

 『流寓人』が18歳以上指定作品だったら、性技を使って大活躍していた。


 主人公のエナミに拷問されてしまう、作中で一番酷い死に方をしたキャラかもしれない。

 やられキャラとして登場させたので細かい設定はしていません。名前の無い中年男二人も。ごめん。彼女が語った過去は、キサラの部分以外は作り話です。病気で死んだ娘も居ません。




◆キサラ(21)


 エナミの実姉。剣士。

 シキにさらわれて隠密隊へ連れて来られた。くのいちとして育てられる。

 家族の夢を見られるかもしれないと、自由時間はほとんど眠っている。そのせいで隠密隊の他のメンバーから「眠り姫」と称されている。


 エナミが主人公の今作品は現世へ戻るまでのお話なので、キサラは名前だけの登場です。京坂キョウサカとイズハ現国王も。

 いつか今作品から二年後の設定で、彼女が主人公のお話を書いてみたいです。

 二年後の続編が実現するなら、地獄からの生還組とキサラを共闘させて、京坂キョウサカを倒すところまで書いてスカッとしたいです!



  

■変更設定 ヒロイン交代


 連載開始前の設定では、アオイが当作品のヒロインでした。

 アオイがエナミの初恋の相手となるはずでした。敵側だからとウジウジしている間に他のメンバーとアオイが付き合って、エナミのほのかな初恋は終わるという展開予定だったんです。


 ですが女性キャラが少ないという点から、ランとトオコが新たに生み出されました。そしてトオコがエナミの初恋エピソードを担ってくれたので、前半部分でのアオイの出番はかなり少なくなってしまいました。筆者が好きな戦える強い女性キャラなので、これからガンガン活躍させますけどね。 


 そしてトオコですが、彼女は病魔に侵されているので物語の途中で退場してしまいます。

 そこでヒロインの座を勝ち取ったのが第三の刺客、ミズキさんです。


 もっとも、最初はあくまでもエナミとミズキの恋は友情の延長線上、抱きしめるが最終形態の予定でした。作品キーワードにボーイズラブのタグを付けたのも念の為だったのです。

 ところがですね、ミズキが勝手に動き始めたんです。まさにイサハヤが言っていた通り、真面目な男であるミズキは初めての恋に暴走しちゃいました。ベテラン作家さんがぼやかれる、「キャラが勝手に動いて困る」という現象を私も体感できる日が来るとは。困惑しましたが、これはこれで楽しいです。

 エナミも何だかんだでまんざらでもなさそうなので、二人の恋はこのまま突っ走ります。


 ラスト、二人の恋の行方がどうなるか、それは読者様ご自身の目で確かめてみて下さい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る