為にならない人物紹介③ ~物語を彩る人々と獣~

 第三弾は兵士ではないキャラクター達のご紹介。




◆ラン(4)


 幼いながらに、かなりハードな人生を送っている女の子。

 逃げ足が異常に速い。すたこらさっさ。しかしこれは、母親に盗みを強要されていたから。切ない。


 慣れない小さい女の子の世話に、四苦八苦する戦士達を描きたくて生み出されたキャラクター。ただし物語の舞台が悪かった。

 小さな子供が地獄へ落ちる罪とはなんぞや? と考えたら設定がどんどん暗くなってしまった。やっちまったですよ。書いている作者自身も子供がつらい目に遭う展開はしんどいです。

 ネタバレになってしまいますが、ランには幸せな未来を用意していますので安心して下さい。




◆トオコ(19)


 元娼婦。病気を患った為に、現在は自宅療養中。

 アル中の父親に娼館へ売り飛ばされた気の毒な女性。うんこ親父は酒の飲み過ぎで肝硬変で死亡。当然地獄へ落ちて、射手の管理人にサクッと殺られております。ざまぁ。


 エナミ、セイヤ、ミズキの十代戦士達にも青春を楽しんでほしくて、生み出されたのがトオコというキャラクター。殺し合いばかりだと可哀想なので。

 短い期間で男をメロメロにしてもらう為に、色っぽい女性としてデザインされた。そのせいで女性らしい女性が苦手なミズキが早くも脱落。セイヤにんまり。

 流寓人のテーマは主人公エナミが自分の居場所を確認することなのですが、恋愛や友情の要素もしっかり組み込んで物語を進めていきますので、そちらにもご注目下さい。




◆ヨモギ(?)


 灰色の狼。主人公エナミを気に入って付いて来た。エナミの仲間には基本フレンドリー。

 作者を含む全てのワンコ好きの癒し。物語後半、別の動物も仲間になります。

 現在は狼だが、元は勇猛な戦士の魂の欠片。その戦士が誰なのかは設定していません。お好きなように想像して下さい。


 高い戦闘能力を持つが、ワンコなので飛び道具が使えない。遠距離攻撃が得意な射手の管理人は苦手。

 暇な時は穴を掘ったり、自分の尻尾を追い掛けたりしている。




◆案内鳥(享年12)


 青いクチバシと大きな黒い身体を持つ鳥。うっかり細い枝にとまると折れる。

 地獄第一階層の全てを知る案内人。本人が勉強した訳ではなく、案内人に就任した瞬間に知識が脳に流れ込んで来た。


 かつては病弱な少年。家族に負担を掛けまいと自死した。その罪の重さを気づかせる為に、生きようと足掻く魂を見守る案内人に選ばれた。本人は自分が選ばれた理由を知らない。

 口が悪く、大人ぶろうとするせいで生意気な印象を受ける。

 幼い頃から寝たきりの生活だったので、外の広い世界に憧れていた。海の向こうの異国のことが書かれた本を読むことが、生前は唯一の楽しみだった。


 名前を地獄の統治者に奪われている。




◆鎌の女管理人(享年39)


 その正体は桜里オウリ軍第六師団の軍師、獅子座シシザマホ。

 序盤だけのキャラクターかと思いきや、地獄編にもしっかり登場。インパクトの有る名字は伊達じゃなかった。


 マホは地獄の第一階層へ落ちて一時間も経たない内に、現世の肉体が機能を停止して死亡してしまった。そして空いていた管理人に選ばれた。

 鎌の斬撃の威力は凄まじいが、近距離攻撃しかできず頻繫に地上に降りて来る為、管理人の中では戦いやすい相手。

 彼女の魂を救おうと、マサオミが直接対決を願っている。




◆射手の男管理人(享年43)


 その正体は主人公の父親である、騎崎キサキイオリ。

 五年前に地獄第一階層へ落ちるものの、仲間にした数人と共に真っ向から管理人に勝負を挑み、見事に二人討ち取った凄腕のスナイパー。

 しかし三人目の半人半獣の管理人に殺されて、新しい管理人となってしまう。


 通常矢は鎌の攻撃力よりもだいぶ弱いが、力を溜めることによって威力を上げることができる。

 格闘ゲームで例えると、⇧(溜め)の後⇩+Aボタン。溜めの最中に邪魔されることが嫌い。特に小刀を投げ付けて来たロン毛は大嫌い。


 名字持ち。名家の出身なのか、本人が国に貢献して賜ったか。答えは後者。何をして貢献したかは物語に深く関わる部分なので、今はまだ内緒です。




◆半人半獣の男管理人(享年71)


 その正体はかつて州央スオウ軍の頂点であった兵団長、草薙クサナギヨウイチ。

 マサオミやイサハヤの祖父世代の英雄。

 老いても衰えることを知らない厄介な爺さん。管理人に選ばれてからは無敗。生者の塔の守護を地獄の統治者から任される。


 管理人達は最初に能力の底上げをされているが、更に地獄に長く居た彼は地獄の空気に馴染み、身体が強く変貌した。元騎馬兵だった名残りか、上半身が人間で下半身がお馬さん。和製ケンタウルス。寝る時は横になるのか立ったままなのか気になる。

 長槍と、ブーメランのように投げて手元に戻って来る変形鎌を使う。もう何でも有り。




◆地獄の統治者(見た目は三十代前半)


 別名、大いなる存在。亡者の名前を管理する者。

 普段は別階層で仕事をしている。

 カザシロ地方の下に広がるエリアだけではなく、桜里オウリ国や州央スオウ国を含めた列島全てのエリアを統括している。瞬間移動の能力を使ってエリア移動をしているらしい。

 非常に忙しくしているお方なので、滅多に会えない超レアキャラ。物語にはちょろっと登場予定です。




◆統治者の使者(見た目は二十代後半)


 もう少ししたら登場する謎のキャラクター。統治者のことを「主様あるじさま」と呼ぶ。

 金髪に碧眼へきがん。海の向こうの異国人を連想させる美しい女性、と思いきや女装した男性。

 ミユウと名乗るが本名は不明。


 普段は「~ですの」とお嬢様言葉を使うが、時々男の本性が出て野太い声になる。

 忙しい統治者の代わりに「目」の役割を果たしているらしいが、好戦的で男好き、気まぐれなのでちょいちょい寄り道をして任務をないがしろにする。統治者プンスカ。


 彼の素性については最後の最後、物語のエピローグで語られます。彼について知れば、物語途中で散った仲間のその後に希望が持てる……かも。

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