第十四章

「遂に...終わったんだ...」

力が抜けたように、その場に倒れこむ。


砂の感触が気持ちいい。静かな海の音が、心を落ち着かせてくれるようだった。


横を見ると、ハヤテも同じように倒れこんでいた。


「えへへ...やったね、スイ...」

にやけたような声で、語り掛けてくる。


その声を聴いたと同時に、意識が闇の中に落ちた。



....


「なーにこんなとこで寝てんのよ!二人とも!」

ムスッとしたような声が聞こえる。


目を開けると、ホムラとダイチが僕を見下ろしていた。


「ほら、そろそろ起きなさい。」

伸ばされた右腕をつかみ、起き上がる。


ハヤテのいた方向に目を向けると、彼女も同じように起こされていた。


「まったく、二人ときたら...」

呆れたような表情をホムラが浮かべる。


「あはは...」

ハヤテと目配せしつつ、はにかむ。


「まぁなんにせよ、僕らは勝ったんだ。」

場をなだめるように、ダイチが話始める。


そうだ、僕らは化身たちに勝ったんだ。

今になってから、喜びが込み上げてくる。


「やったーーー!!!これで世界も安泰だね!!」

元気にハヤテが声を上げる。


「でも、念のため封印の儀式は果たしておかないと。いつ彼らが蘇るかもわからないわ。」

そうホムラが言った途端、


空から一筋の光が差し込み、何かが落ちてきた。


「なんだろ、これ」

訝しく思いながら、落ちてきたものを拾い上げる。


「これは...石の欠片...?」

どうやら正体は石の欠片のようだった。

白銀色にきらめきを放つ、小さな欠片。


「ねぇ、この欠片あの宝玉の色に似てないかな?」

そう、ダイチが声を上げる。


「ホントだ!なんとなく似てるかも!」

「確かに色合いは近いかもしれないわね...」

ダイチの言葉に、ハヤテとホムラが賛同する。


「もしかしたら、この欠片を元手に宝玉を作り直せるんじゃ...」

そう、ハヤテが呟く。


もしかしたら、この手なら打開できるかもしれない。

咄嗟にほかに手段も思いつかなかった僕らは、その可能性に賭けてみることにした。



そして僕らは再び、封印の祠へと向かった。

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