第十三章

ハヤテの風に乗って、再び水龍の元へ向かう。


大丈夫、今度こそ負けない。

彼女の記憶も受け入れた今なら。


海岸線にたどり着くと、ホムラとダイチが水龍と交戦していた。


「ごめん二人とも!遅くなった!」

二人の近くに降り立ち、声をかける。


「遅いわよ!どんだけ戦わせる気よ!」

「スイ!後は頼めるよね?」

ホムラとダイチがそれぞれ声を投げてくる。彼らにはいくら感謝してもしきれない。


「うん、あとは僕とハヤテに任せて!」

そう返し、二人を離脱させる。


そして再び、水龍と正対する。


水龍が咆哮を上げる。


「始めよう、ハヤテ!」

ハヤテが力強く頷く。




再び、僕の戦いが始まった。


先刻のハヤテとの会話もあってか、最初から全能感に包まれていた。

さらに、ホムラとダイチが戦い続けてくれたおかげか、水龍の動きが初戦よりも鈍い。


勝てる。漠然とながらそう感じた。


隙を見て弾幕を叩き込んだり、水の矢を打ち込んだり。自分の持てる力をすべて使って攻撃を畳みかけた。

ハヤテもサポートに回ってくれたおかげで、かなりのダメージを蓄積させることができた。


「今度こそ決めよ!スイ!!」

ハヤテの言葉に呼応するように、再び水の刀を創り出す。


同時にハヤテが巨大な竜巻を創り上げると水龍にぶつけた。


「スイ!今だよ!」


竜巻に水龍が怯んだその瞬間。


刀を収め、前傾姿勢に構える。


そして、鞘に収めた刀を抜き去ると同時に、首元を一閃した。



一撃を受け、水龍は一際大きい方向を上げると、




そのまま水となって消滅した。



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