幕間の物語



土使いの里から麓まで下っていた時。


.....


「ね、せっかく4人そろったんだし、ちょっと遊ぼうよ!」

小さな原っぱに差し掛かった刹那、不意にハヤテが声を上げる。


「え~、はやく祠のとこに向かったほうがいい気がするんだけど....」

「いいじゃん!これまでずっと動きっぱなしだったんだから、ちょっとくらいゆっくりしようよ! ね、ホムラちゃんもいいと思うよね?」

僕の否定的な返答に対し、ハヤテは反論しながらホムラに同意を同意を求めた。


「そうね、悪くないと思うわ。」

「...お前もそっち側なのかよ....」

ホムラの口角が上がる。


「だって楽しそうじゃない?私たちはもしかしたら出会わないまま終わっていたかもしれないのに、出会えちゃった。こんな面白いこと楽しまないなんて損よ。」


「それに、私はともかくスイ君とハヤテちゃんはダイチとは初対面でしょ?お互いのことを知るのも大事だと思うわ?」

ホムラの説得に、笑顔でブンブン首を縦に振るハヤテ。


ダイチのほうに目を向けると、どっちでもいいよ。と言うように肩をすくめた。


まぁ、ホムラの言うことにも一理ある。もしかしたらみんなといられるのもこれで終わりかもしれない。


そう思い、少し微笑む。


「わかった。じゃあ今夜はみんなでキャンプでもしようか。」

その言葉を聞き、ハヤテが飛び跳ねる。


「わーい!!待ってました!!」

「じゃあ!じゃあ!私たち買い出しに行ってくる!いこ、ホムラちゃん!」


そういい、風邪を起こして飛んで行ってしまった。


....なんで初対面組を取り残しちゃったのかなぁ


「まぁ、行ってる間にいろいろ準備しよっか。」

ちょっとどぎまぎしながら、二人で薪とかを集めた。


しばらくすると二人が帰ってきた。

肉やジュースやその他いろいろ。かなり豪華だった。


火をおこし、薪をくべる。


ぱちぱち、と軽快な音が辺りを彩る


「よーし!今夜は語り明かすぞー!!」

ハヤテがコップを突き上げ、立ち上がる。


僕らもそれに呼応するように、声を合わせ叫んだ。


「おーーー!!!」




月明かりに照らされながら、僕らは夜が更けるまで楽しんだ。


にぎやかで、楽しくて、終わってほしくない。


そんな夜だった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る