第16話 昨晩はお楽しみでしたね…?!

翌朝、目覚めた俺の耳に1番に入ってきたのは…

「昨晩はお楽しみでしたね?お二人さん?」

…という、明らかに怒っている渚の声だった…。

「な、なんのことだ?」

心当たりはありすぎるのだが、一応こうして何も知らないフリをしてみることにする。

「さすがに私だって横にいた未来がいなくなったら気づくわよ」

…どうやら未来がいなくなったことで気づいたらしい。ならば俺には気づいていないのではないか…?

「そしたら廊下の方から2人の話し声は聞こえてくるし…」

―ダメなやつだ、これ。

…そう思った俺が、怒鳴られるのも覚悟していたその時…

渚の反応は、俺の思ってもいないものだった。

「あんな夜中に…2人で何してたの?」

…さて、最悪の事態は回避したものの、これはこれでどうしようか…。

どうにかしてくれないかという期待を込めつつ、未来の方に目をやると…

「あっ…」

目が合った…のはいいのだが…。

…あちらも確実に困っている顔をしている。

正直に言うしかないか…

「えー、簡潔に言うなら混浴した、以上だ」

「あーなるほど混浴ね」

よし、なんとか回避…

「って混浴!?なにしてんの!?」

…できてなかった。

「ま、まぁ色々と予想外の出来事があったんだよ、なぁ、未来?」

「そ、そう、仕方ないようなことがあって…」

「どんな用事なのよ!」

…必死に言い訳をする俺ら。

問い詰める渚。

…そんな問答が10分ほど続いた後のこと…

「まぁいいや、二人がそこまで言うってことは本当に何ががあったんでしょう?」

なんとか渚を折れさせることに成功した…。

…いや、神に誓ってやましいことはしてないんだけどな?

未来と目を見合わせ、任務完了の喜びを共感しておく。

「じ、じゃあ朝ごはんでも食べに行くか」

…と、俺が話を変えると…

「私は朝風呂派だから…今から入るわ」

「どうせなら一緒に入ってくれば?」

なぜかさらに爆弾を増やす未来。

「「入らないわ!」」

やれやれ、朝から大量の爆弾を解除するのに一苦労だ…

…そうして、俺たちの騒がしい一日が今日も始まるのだった。



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