番外編 俺の日記

日記


聖歴3520年5月

・俺はヒョーゴっていう名前で新たな世界に降り立った。

本当に異世界転生できるとは…。

そういえば、女神様からは悪役を演じることを頼まれていた。

頑張るしかないよな。

~~~~~~~~~~~~

小屋で目を覚ましたけど近くに女性がいる!

なんか声かけられたけど…俺の頭がボウっとしてて……。

上手く答えることが…。


~~~~~~~~~~~~~~~


はい、倒れました。

因みにあの後分かったのだが、あの女性ってサリーさんっていうらしい。

なんか冷たい瞳向けてくるんだけど?!

え…?まあ、俺悪役だから致し方ない事だな!!



聖歴3520年5月

・日記見っけたぜ。

ここに昔のヒョーゴがどんな人生を送ったか知ることが出来るな。

……。

一言で言って内容が辛い、両親どっちも亡くしてるし

片方は盗賊にやられちゃうし、

もう片方は魔物に惨殺…。

結構、ハードな人生送ってたんだなあ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ちなみにサリーさんはオーガっていう種族で魔物という認識も所によってあるらしい。

それを俺の意思が宿る前のヒョーゴが散々、

両親を魔物でなくした言い訳でサリーさんを精神的に痛めつけてたみたい…。

ただの憂さ晴らしの行動に俺は腹が立ったわ!


聖歴3520年5月

・無事怪我から復帰!

さてさて、周囲探索しますか!って家を出た途端に自然!

ここの家は山の頂上らしい…。

はあ?!

下山して近くの街まで六時間、きついな。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そういえば土魔法を獲得した!

『アップ・グラウンド』

地面を数センチ持ち上げる魔法……。

いつか役に立つ…はず。


聖歴3520年5月

・やっべえ、乳搾りで殺されかけた!!

小屋の、牛みたいな動物が強いって!

異世界ってこんな化け物みたいなやつ多いの?

とにかく新技『肘落とし』を獲得して事なきを得たわ…。


注釈:化け物牛、通称、ブタ牛


聖歴3520年5月

・最近サリーさんのご機嫌が良すぎなんだけど!

ちょっとまってくれ!始めて会話で攻められてるんだが…?

俺悪役だからさ…もっと気分を落としてもらわないと。さ…。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今日は街に行くぞ。

つまり、山を降りる!

ってことで降りて街に着いたぜ。

そして着いた早々チンピラに絡まれるの巻。

散々だった。

なんか思ったより相手が弱いせいで『肘落とし』で相手全身骨折だって…。

チンピラが殺意を向けてた、フード被ってる謎の少年助けちゃったしさ。

悪役が人助け…?

悪い方向に転がらないといいけど。


その後、いやーな貴族に絡まれました。

今日は散々!!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ふう、やっと貴族も去っていったぜ!

フード少年…?あれ?

ふぁ!コイツ…フード取ったらエルフの少女だったわ。

なんかエルフ少女の目が必死で草。

名前を大声で俺に必死で伝えてきて笑った。



聖歴3520年12月

…八ヶ月過ぎた。

ゴーレム作る魔法を手に入れたんだよなあ。

でも魔法の書には『クソ雑魚土魔法のゴーレム』って語ってたんだよなあ。

まあ、期待はしないけど、ゴーレム生成!!


会話ができないらしいよ〜

「グワア、グワア」


ほらね、人の言うことも聞けないらしいぜ

「心の中(静かにしねえかな…)」

「……」

シーン

あれ?静かになった?


運動能力悪いらしいぜ!

バコーン!!

「…」

朗報:土ゴーレム、牛ブタを軽々と討伐!


…頭が悪いらしいんだよな…?

一冊のノート。

そこにはヒョーゴが最近始めた、家で育てている作物の品種改良。

それが事細かに記されているノートをゴーレムが読んでいる。


読んでもわからないと思うぜ?

「グワア、グワア」

めっちゃ品種改良やりたそうな目でこちらを見ている…。

馬鹿だけど…さあ…まあ、やらせてみるか!!


数日後、

完璧に記されている品種改良の結果ノート。

紛れもなく作ったのは土ゴーレムだった。


…。

お前万能じゃねえか!!


聖歴3521年3月

・サリーさn…………………


聖歴3521年3月

・さて、一大イベントが待っております。

それが『女神様の祝福』。

一定の年齢に達した人が参加する(ほぼ強制)儀式だ。

ここでは祈ることによって女神様から『称号』がプレゼントされるらしい。

さて、出向きますか!!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

う〜ん。

考えさせて。

えっと…俺って悪役を演じるんだよね?

女神様から勇者をいい感じに成長させるために悪役演じてって約束されたよね?

『女神様の祝福』が行われる協会に出向いて。

儀式が始まって、自分の番になってお告げを聞いたと…。


俺の『称号』が勇者になっているんだが?!

あれ?おかしいな?

しかも女神様本人出てきたし!何してるの?

ミュリエル様?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

女神曰くどうやら、勇者パーティーに俺を加盟させるための必要事項だったらしい。

必要かどうかは考えどころだけど。

===重要====

ちなみに俺の『勇者』という称号は偽物らしい。

本物の『勇者』はまた別にいる。

そっちのほうが将来の勇者パーティーのリーダーであり、主人公の立ち位置。

========

まあ、結果的に女神様からの念願の『シナリオ』も貰えるらしい!

これは嬉しい。

さあ、儀式終わったら家帰って見るかあ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

儀式の途中で、もう一人の勇者が乱入してきました。

これが、俺が育てるべき本物の『勇者』ね。

……いや、なんで来た?

主人公曰く「僕が本物の勇者だ!」

うん、そのとおりだね。

続けて「お前みたいな悪党が勇者になれるわけない!!」

…あながち間違っていないが…言葉の使い方ひでえ。

主人公って心優しいとか無いの?

めっちゃ無慈悲に言葉ぶつけてくるんだけど!


ちなみに周囲は『勇者』が二人もいることに大混乱しているんだなあ…。

どうしよう、収集のつけ方……。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この状況を『賢者』っていう謎の者が丸く収めた。

誰か分からないけどとりあえず感謝!!

賢者から「この街にまた来るね~~~~」

みたいなこと言われた。

はあ、忙しい。


……あれ?

今気づいたけど、シナリオが盗まれている?!

それと同時に本物の勇者もいなくなってる!


聖歴3521年3月

よし、ゴーレム。勇者の探索は任せた!!

シナリオ取り返してこい!



作者より、

網羅系回です。


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