第41話 たたきつぶせ悪魔の手先2、バスラバ一家2
結局やってきた8人の喉を切り裂いて皆殺しにしてやった。部屋の床は血溜りでビチャビチャ。エライことになった。これは借家でやっちゃあかんことや。
俺は血だまりの中に転がっている血だらけ死体8体をアイテムボックスに入れた。俺が切り取った手首から先も床の血だまりの中で転がっていたので血だらけだ。ちょっとだけ迫力がある。これはこれで将来ビジネスの役に立つんじゃないだろうか? そう思った俺はその手もちゃんと収納しておいた。
そのあと俺は、逃げ出した男のマークを追って部屋を出た。俺の靴の裏は血で汚れているので、部屋を出たら血の足跡が付いた。コナ○くんじゃなくても犯人の足跡だと分かるよな。そもそも死体がないからコナ○くんは出てこないだろうし。そう考えるとコナ○くんて死体愛好者なのか? こう言ってしまうと、彼に対する見る目がちょっとだけ変わるような。
部屋を出た先にある階段を見上げたら上の方は自然光で明るかった。御多分に漏れずこういった連中は地下室で群れていたってことか。それとも上の階にはカタギの連中の領分ってことなのか? カタギといっても
次に俺の正面を見たら、階段の上り口の先に扉が付いていた。
何があるのかと思ってその扉を開けようとしたらカギがかかっていた。面倒だったので取っ手の部分をねじ切って無理やり扉を開けて中をのぞいたら、そこは倉庫として使っている部屋だったようで奥の方に木箱が積まれていた。
木箱の中に何が入っているのか興味があって木箱の蓋を力ずくで引きはがして中を見たら油紙で包んだ何かが詰まっていた。
包みを一つ取り出して油紙を剥がしたら中に布袋が入っていた。布袋は縫い付けられて口が無かったので引きちぎったら中に入っていた灰色の粉が床にこぼれてしまった。手の上に乗っかった粉から少し酸っぱい臭いがする。その粉を鑑定してみた。
<鑑定>
名称:精製オピウム(低級・品質普通)
効果:吸飲することにより強い多幸感と陶酔感を得る。常用すると強い身体的依存が形成され、2、3時間ごとに使用しなければ、体中の筋肉に激痛が走り、骨がバラバラになって飛散するかと思うほどの痛み、嘔吐、失神等の激しい禁断症状に苦しむこととなり、あまりの苦しさから精神異常をきたすこともある。
成分:ケシの実が分泌した乳液を精製したもの。精製が不十分なため不純物が混入している。
オビウムって一瞬何のことだ? と、思ったがどうもアヘンのことのようだ。こいつら麻薬を扱っていたわけか。イッチョ前に地球のマフィアと同じようなことをやってるんだ。ある意味すごいことだぞ。
どこから仕入れたのか知らないが、これだけの量のアヘンを作るとなると、簡単ではないはずだ。
とりあえず、手に付いたアヘンの粉を払ってクリンをかけた上、積まれていた木箱は全部アイテムボックスに入れておいた。これって何かの役に立つのだろうか? 焼いてしまうと煙が大量に発生して大ごとになりそうだしどうしたものか。どうでもいいが、クリンをかける前には靴に付いた血は床に拭き取られたようで血の足跡は付かなくなっていた。
すっかり空になってしまったアヘン倉庫から出た俺は、カギの壊れた扉を律儀に閉めて、階段を上がっていった。
1階の踊り場まで上ったら片側に出口があり窓も付いていた。窓から見えたのは通りを挟んだ向かいの建物の壁のだけだった。
出口の向かいにも扉が付いていたので、その扉を開けたら、扉の先は事務所のようで男女合わせて6人ほど人がいて机に向かって何やら事務仕事をしていた。部屋の扉が開いたことに気づかなかったようで下を向いて仕事を続けている。この連中は本物の事務員に見えるので殺さずにおいてやるか。バスラバ一家は何か表の商売でもしてるんだろうか?
扉を閉めて階段を2階に上がり、そこの踊り場にある扉を開けたらその先は廊下で、左右に扉が一つずつと突き当りに扉が付いていた。マークしたチンピラは突き当りの扉の先にいる。
俺は廊下を歩きながら途中の扉の取っ手に手をかけたらカギがかかっていた。取っ手をカギごとねじ切って扉を開けて部屋の中をのぞくと、そこも倉庫に使っているようで、部屋の中にはまた木箱が積んであった。
木箱の蓋をこじ開けたら箱の中にはポーション瓶が詰まっていた。一本取り出して鑑定してみたところ。
<鑑定・解析>
名称:鎮痛ポーション(低級・品質普通)
効果:服用することにより体の痛みを和らげ、多幸感と陶酔感を得る。直接患部にかけた場合、効果が安定しないので、服用が望ましい。常用するとオピウム依存症になる。
成分:精製オピウムを40パーセントのエタノールに溶かし、蒸留水で5倍に希釈したもの。オピウムの精製が不十分なため不純物が混入しており体内への吸収に時間がかかる。
その他:瓶への注入後、精製されたオリーブ油をコルク栓で封をする前に入れ、直接ポーションが空気に触れないようにすることで、ポーションの劣化を防いでいる。
ほう。さっきの精製オピウムは原料も兼ねているわけか。で、こっちがは文字通り普及品だな。これをばらまいてオピウム依存症患者を増やして、精製オビウムを後から勧めるってか。よく考えている。しかし、ここには錬金工房もないし、それっぽい作業員もいない。
こんなことができるのは錬金術師を多数抱える錬金術師ギルドだよな。ここと錬金術師ギルドはつるんでいるようだし、ここのボスを捕まえればだいたいのことは分かるだろ。
俺は自分勝手、好き勝手に生きていこうと思っているが、さすがに人の不幸を利用しようとは思わない。
錬金術師ギルドをいいように利用しようと思っていたんだが、麻薬を扱っているような真っ黒い組織となると叩き潰したほうがいいかもしれない。
俺は部屋の中にあったポーション入りの木箱を全部アイテムボックスに入れた。ポーション瓶は中身を捨ててしまえば、俺のヒールポーションの瓶に再利用できそうだ。思いがけない収穫だ。
その後、俺は廊下に出て反対側の扉の取っ手に手をかけた。ここもカギがかかっていたのでカギごと取っ手をねじ切って扉を開けて中をのぞいたら、こっちの部屋も倉庫のようで、またまた木箱が積んであった。
木箱の蓋をこじ開けて中を見ると、さっきと同じようにポーション瓶が詰まっていた。鑑定してみたところ。
<鑑定・解析>
名称:回復ポーション(低級・品質普通)
効果:服用することにより、HPを約5パーセント回復。鎮痛効果がある。多幸感と陶酔感を得る。骨折の回復はできないが、回復速度は自然回復の40倍ほど向上する。直接患部にかけた場合、効果が安定しないので、服用が望ましい。常用するとオピウム依存症になる。
成分:赤葉草から抽出された回復成分を蒸留水で100倍に希釈したもの1に対して、精製オピウムを40パーセントのエタノールに溶かし、蒸留水で20倍に希釈したものを1加えたもの。
不純物が混入しており体内への吸収に時間がかかる。
その他:瓶への注入後、精製されたオリーブ油をコルク栓で封をする前に入れ、直接ポーションが空気に触れないようにすることで、ポーションの劣化を防いでいる。
このポーションはアリっちゃアリかもしれないが、瓶以外は要らないな。
木箱全部をアイテムボックスに回収してその部屋を出た。
しかし、俺を殺そうと送り込んだ手下たちから何の音沙汰もないことをここのボスは不審に思わないのかねー。それとも自分の部屋にこもっていれば、待ち伏せでもできると思っているんだろうか?
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