第19話 ポーション作成。カレン4、トレーニング
食事を終えて部屋に戻ったところ、外はまだそんなに暗くはなかったが、部屋の中は結構暗かった。俺は、備え付けの火打石と
ポーション作りの諸々の操作は、やや面倒ではあるが、アイテムボックス内で行う。
買ってきた瓶や薬缶を洗浄。乾燥。
最初は回復ポーション。いってみよう。
エキス抽出。
まず、<分析>で、赤葉草の薬効成分を確認した。
取ってきた赤葉草のうち5束ほどを対象に<分離・抽出>。
ピュアな薬効成分、エキスが抽出される。これを広口瓶に入れる。量は50シーシーほど
純水創出。
空気中の水蒸気から水を大きめの広口瓶に生成。これには少し時間がかかってしまった。本格的にポーションを作るとなるとちゃんとした水をアイテムボックスの中に入れてそこからH2Oを抽出して純水を作った方がいいな。
オリーブオイルの精製。
<分離・抽出>。これで、オリーブオイルの瓶の中からオリーブオイルだけを抽出し残った不純物は廃棄。オリーブオイルを瓶の中に戻しておく。
エキスを1シーシー、2シーシー、3シーシーと1シーシーずつ増やして9シーシーまで9個の小瓶に入れる。小瓶の口のやや下あたりまで純水を加え、残りをオリーブ油で満たす。最後にコルク栓をして完成。アイテムボックスの中の作業は難しそうだったけれどやってみたら案外簡単だった。
さて、鑑定してみますか。
<鑑定・解析>。エキス1シーシー入りのもの。
……
名称:回復ポーション(中級・品質優良)
効果:服用することにより、HPを約20パーセント回復。部位の欠損の回復はできない。骨折の回復はできないが、回復速度は自然回復の120倍ほど向上する。直接患部にかけた場合、効果が安定しないので、服用が望ましい。
成分:赤葉草から抽出された純粋な回復成分を純水で100倍に希釈したもの。
不純物が混入していないため体内への吸収が極大。即効性がある。
その他:瓶への注入後、精製されたオリーブ油をコルク栓で封をする前に入れ、直接ポーションが空気に触れないようにすることで、ポーションの劣化を防いでいる。
まずまずの出来。
<鑑定・解析>。エキス2シーシー入りのもの
……
名称:回復ポーション(中級・品質優良)
効果:服用することにより、HPを約25パーセント回復。部位の欠損の回復はできない。骨折の回復はできないが、回復速度は自然回復の130倍ほど向上する。直接患部にかけた場合、効果が安定しないので、服用が望ましい。
成分:赤葉草から抽出された純粋な回復成分を純水で50倍に希釈したもの。
不純物が混入していないため体内への吸収が極大。即効性がある。
その他:瓶への注入後、精製されたオリーブ油をコルク栓で封をする前に入れ、直接ポーションが空気に触れないようにすることで、ポーションの劣化を防いでいる。
<鑑定・解析>。エキス3シーシー入りのもの
……。
名称:回復ポーション(中級・品質優良)
効果:服用することにより、HPを約28パーセント回復。部位の欠損の回復はできない。骨折の回復はできないが、回復速度は自然回復の135倍ほど向上する。直接患部にかけた場合、効果が安定しないので、服用が望ましい。
成分:赤葉草から抽出された純粋な回復成分を純水で33倍に希釈したもの。
不純物が混入していないため体内への吸収が極大。即効性がある。
その他:瓶への注入後、精製されたオリーブ油をコルク栓で封をする前に入れ、直接ポーションが空気に触れないようにすることで、ポーションの劣化を防いでいる。
……。
<鑑定・解析>。エキス9シーシー入りのもの
……。
名称:回復ポーション(中級・品質優良)
効果:服用することにより、HPを約30パーセント回復。部位の欠損の回復はできない。骨折の回復はできないが、回復速度は自然回復の140倍ほど向上する。直接患部にかけた場合、効果が安定しないので、服用が望ましい。
成分:赤葉草から抽出された純粋な回復成分を純水で11倍に希釈したもの。
不純物が混入していないため体内への吸収が極大。即効性がある。
その他:瓶への注入後、精製されたオリーブ油をコルク栓で封をする前に入れ、直接ポーションが空気に触れないようにすることで、ポーションの劣化を防いでいる。
濃くなればなるほど効果は高くはなるが、頭打ち。収益性を考慮すると、100倍希釈がよさそうだ。
小瓶が残り41本あるので、全部ポーションを作ってしまおう。
赤葉草のエキスを抽出しながら、100倍希釈ポーションを順次作成していく。
……。
完了。少し疲れたかな。今日の作業はこれで終了。
小瓶の入荷待ちだが、どこかで上級ポーションかそれ以上のポーションの実物を解析したいもんだ。
おやすみなさい。そうそう明日は夜明け前に起きなくちゃいけなかった。
翌朝、夜明け前。
宿屋の玄関の外で、カレンが動き易そうな服装で待っていた。上は長袖の腰下まである薄緑のチュニック。下は膝丈の白地のキュロットスカートという出で立ち。俺の方は、毎度の上下革服。
「オオヤマさん、おはようございます」
「カレンさん、おはよう。待たせたちゃったね」
「いえ。さっき来たところです。それと、わたしのことはカレンと呼び捨てにしてください」
「うん。そうだね。じゃあ、カレン、俺のことはゲンタロウと呼んでくれ。さっそくだけど手を貸してくれるかい?」
「わかりました。それでは、ゲンタロウさん。何をお手伝いすればいいんですか?」
「手伝うんじゃなくて、きみの手を握らせてくれるかい?」
「え?」
「何もやましいことをするわけじゃないから」
恐るおそる差し出されたカレンを手を握り、システムに干渉する。
まず、情報集合体としてのカレンを特定。これは、手を握っていたので簡単に特定できた。
次に、情報強化。俺を除く第三者による情報改変の禁止。
最後にカレンの身体能力関連情報の修正。
……。
完了。
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