第53話 クロウ様に誓いを
な、なん、なんですか!!」
「...」
俺は近づくと、ミケさんは後ろに下がる。
そんなに、怖いのかな?
あ、魔剣を持っているからか?
とりあえず、魔剣を投げ俺から遠ざけた。
これで、俺が怖くない。誤解だ、悪い者じゃないよっと言うアピールになっただろうか?
「そんなに、我が怖いか。」
「...コック...」
ミケさんは、頷いた。
「何故、我を襲う。何故、我を恐れる。」
そう、問いかける。
「私の大切な物を奪った貴様を倒すためだ!!」
俺が、投げた魔剣を掴み俺を襲ってきた。
いや、だから...
あれ、俺のローブで魔剣って大丈夫かな?
俺は、そう思い俺はグローブを付けた手で魔剣を受け止めた。
「はぁあああ!!」
「それは、お前には扱えない。」
この、魔剣は重い。
俺が付けている手袋でしか、100%の力を振るうことが出来ない。
俺ですら、グローブ無しで振るうのがやっとだったのに...ここまで魔剣を扱えるとは凄いな。
この魔剣で、炎が出る。
炎までは、防げないので、中々熱い。
佐々木さんに、炎体制でもつけて欲しいな。
俺は、魔剣を掴み剣先を持った状態で、ミケさんが魔剣を持った状態で飛ばした。
このグローブは、ローブとは違い魔法とかも防げるようだな。
いいこと知った。
「な、なんで」
「それは、我との力の差だ。」
「うう...」
「お前は、何か勘違いしているのではないか?」
「かん...違い?」
「ああ、何故お前は俺を襲う。何故そう思った....」
ようやく誤解をとけるかもしれない。
これで、俺を恨むことは無くなるはず。
****
な、何故そう思った?
なぜ襲うだと..?
それは、ミツキちゃんを殺したから。
それの、どこが悪い。
だけど、私はミツキちゃんの事をなんにも調べずに怒りに任せてた...思い返せばミツキちゃんの情報やクロウの情報は全てタケルが教えてくれただけ...
いや、確かにタケルは冒険者ギルドから発行されるミツキちゃんが死んだ証明書を持っていた。
だけど、それはクロウが仕込んだことだとするとミツキちゃんは死んでいない?
タケルは、ブラッド・クロウを見たと言った、だけど、クロウにミツキちゃんを殺す意味があるのか?
あるわけない。
だって、ミツキちゃんを殺してクロウ側にメリットが見当たらない。
クロウは、わざわざ殺す意味がない。
もしかしたら、ミツキちゃんが、クロウに助けを...助けを求めたのでは?
クロウは、ミツキちゃんを助けて冒険者ギルドでミツキちゃんを死んだことにしたのでは?
そうなると、タケルのパーティーの誰かがミツキちゃんを殺そうとしたのではないか?
だったら、私は誤解してたってこと?
私は、タケルに騙されて...
****
「どうだ。分かったか。」
「ハイ、今までの無礼...すいませんでした。」
「分かったならいい。」
ようやく、誤解が解けたようでなによりだ。
まあ、俺にも悪い部分も少しは、ある。
俺はすぐに許してあげることにした。
「クロウ...ミツキちゃんは生きてるの。」
「今度、会わせてやろう。」
やっぱり、ミツキを一時的にだが死んだことにしている。
元同じギルドで、友達だった。
なら、心配もしているかもしれない。
今度、会わせるぐらいならしてあげよう...だけど、誤解が解け反省したからか『様』づけは少しむずがゆい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます