第13話 リュックは重いが、感謝される。
13時に冒険者ギルドにこのドロップアイテムを渡しに行くことになり、少し早めに冒険者ギルドの近くに着いた。
少し早く着いたので、近くのラーメン屋で豚骨を食べ冒険者ギルドに向かった。
「あの、すいません。エレクトーンと言う会社の依頼を完了したのですが...」
「依頼主より直接受け取りたいとのことですので、あちらの席でお待ちください。」
本来は、受付のお姉さんに渡して依頼完了なのだが、今日は稀なケースだと思う。
受付のお姉さんに、案内された席で座って待っていると、ヨレヨレの白Tを着た眼鏡を掛け髪の毛がぼさぼさで、一瞬中学生かなっと思う位の小さなロリ女子?がやってきた。
「こちらが、佐藤様です。」
「あ、僕は佐々木です。よろしく。」
「よろしくお願いします。」
そんな感じで、俺はドロップアイテムが入ったリュックを机の上に置いた。
佐々木さんは、リュックの中にあるドロップアイテムを出して、中身を確認している。
「本当に依頼したドロップアイテムの数があるんだね。本当は僕君の事を疑ってたんだよ?佐藤さんがこんな早くにドロップアイテムを入手したって言うから、もしかして、ドロップアイテムを不正に偽造でもしているんじゃないかと8割ほど疑っていたけれど、どうやらそれも無いようだね」
「当たり前じゃないですか」
中々、この佐々木さんと言う人は思ったことを言うのか表情を変えず頭をポリポリ掻きながら俺が取って来たドロップアイテムを手に持って言ってきている。
第一印象は失礼な人だと思った。
「それにしても、下位の魔物のドロップアイテムが少なくなるって、不思議ですね~」
このまま、ドロップアイテムを鑑定して無言の時間が続くのは気まずいので話題を振った。
「まあ~僕もそう思いますよ。最近は下位の魔物のドロップアイテムが入手しづらくなったせいで大企業がお金に物を言わせて独占するんですよ。僕みたいな中小企業には中々手に入りにくくなりましてね。」
「へ、へえ~そうなんですか~」
「ええ~そうなんですよ。」
中々、辛辣な回答が返って来た。
「ドロップ確率の割に買取価格が安いからか、この依頼を受けてもらえるギルドが無く困っている僕の所に、受付のお姉さんと佐藤さんが喋っているのを偶然聞いていたので、よかったですよ。それに最近できたギルドと、受付のお姉さんに聞きまして、『新しいギルドは、お金とかに困ってそうなので僕の依頼でも受けてくれそうだな〜』と思い依頼を出したところ大当たりでしたよ」
「あの、結構正直者ですね。って、言われませんか?」
「あ、結構言われます。僕は口から生まれたとか脊髄反射で喋ってるとかもよく言われますよ。どうしてなんでしょうね。気を遣っている方なんですけどね。」
やっぱり、言われてたか。
と言うか、真顔で聞き返してこないで欲しい。
佐々木さんは、喋る時にフィルターが無いんだと思う。
「ドロップアイテムの確認できました。ありがとうございます。」
「いえ、気になっていたのですが...どうして、自分で鑑定をしているんですか?冒険者ギルドでも鑑定をしてもらえるのに?」
「それは、僕が人を信じていないだけです。なので、僕は佐藤さんの言う事も半信半疑だったんですよ。」
と、指を刺されて言われた。
「あ、これはお礼です。試作品ですが、回復効果を底上げした上級ポーションです。良ければ使ってください。」
佐々木さんに、試験管に入った回復薬を手渡された。
「はい、依頼完了です。」
「ありがとうございました~」
俺は、受付のお姉さんに依頼の完了の手続きを終えて、依頼料金を貰い家に帰った。
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