第2話 ダンジョン?

俺は、ギルドをクビにされて数日が経った。

 俺は、お金をあまり使う程では無いのでまだ、働かなくてもいい。


それに、家の庭には畑がある。

 今は春なので、トマト・キュウリ・ナス・ピーマン・ほうれん草が畑では育っている。

もう、収穫できる頃だと思う。


今日は、トマトに塩を振って3時のおやつにして食べようかと、家を出て畑に向かった。


庭の一部に畑を作っていたのだが、畑にピンポイントで穴が作られていた。


穴の周りを見ると、俺が育てた野菜達が散乱している。


「なんで!?」


イノシシか何かの動物に穴を掘られたのか?

そう思ったが、イノシシとかにしてはデカい穴だ。


「ん?」


穴の中は人が通れるほどの大きさだった。穴に中を覗いてみると、穴は奥に奥にと続いている。

 大きなモグラが、穴でも掘ったかなっと冗談半分で思いながら穴の中を進むと、穴の中がダンジョンになっていた。



「え?うちの庭にダンジョン!?」


ダンジョン内を歩いていると、ゴブリンが居た。

 ゴブリンは、木の棍棒を持って1人でダンジョン内をウロウロしている。

俺は、一旦ダンジョンから出て、家から魔物討伐用の短剣を取り出してダンジョンに戻った。


「グギャアアアア!!」

「ふうう...」


俺は、ゴブリンを後ろから短剣をひとつきにした。すると、ゴブリンは悲鳴と共にゴブリンが腰に巻いていた布をドロップした。


自分で言うのもアレだが、ゴブリンを倒して布を落とすのは低確率でドロップする物で、殆どの人は、10回に1回ドロップするかどうかの確率である。

 俺は、スキルのおかげで確実にドロップしてくれる。


しばらく、ゴブリンしか見かけないのでゴブリンを狩るために歩いていると、宝箱を見つけた。


「ん?」


中身を開けてみると、剣先が赤い炎の魔剣が入っていた。

俺は、魔剣を手に入れた。


運がいい。魔剣を持っている人なんて、10人も居ないんじゃないかな?

 魔剣を持っている人は、大体上位ランクのギルドに入っている。もし、俺がギルドに入ってたらこの魔剣は確実に取られていたんだろうな~


俺はギルドをクビにしてくれてありがとうと、感謝をした。


「そろそろ、戻るか。」


俺は、激レアな魔剣を手に入れたことで、ルンルンでこのダンジョンを出た。


「ふう...じゃあ、冒険者ギルドに電話するか。」


ダンジョンが出来るとギルドやダンジョンを管理・統括している冒険者ギルドに電話をしてみてもらう事になっている。

 俺は、冒険者ギルドに「ダンジョンが出来ました」っという風に連絡をした。


すると、翌日の朝に冒険者ギルドの人が家にインターホンを鳴らしやって来た。

俺は急いで、玄関のドアを開けた。目の前には、二人のギルド職員が居た。

 ちなみに、こんな朝早くに来るとは思っていなく寝起きでパジャマの状態だ。


「すいませ~ん。冒険者ギルド職員ですけど~お電話された佐藤ケイさんのお宅でしょうか~」

「そ、そうです。」

「では、早速ダンジョンの方を見せてもらっても?」

「はい、こっちです。」


俺は、ダンジョンが出来た元畑の場所に案内した。


「え~っと、確かにダンジョンが出来てますね。」

「そうなんですよ。昨日気づいてビックリです。」

「そうでしょうね~庭にダンジョンが出来たとか聞いた事がないです。家の近くにダンジョンが出来るのは、ある意味ラッキーですね。」

「ですね~」


ギルド職員と会話しながら、ギルド職員はダンジョンの中に入ったりなどをして調査をしている。


「はい、ダンジョンと確定しましたので、ダンジョンが登録されます。私有地なので、ダンジョンが探索する冒険者とか来るかもしれませんが、どうしますか?」

「どうしますかとは?」

「このダンジョンを独り占めにしますか?」

「そんなことできるんですか?」

「できますよ。ほかの、ギルドの人もやっていますから。どこか、ギルドには所属していないんですよね?」

「はい、最近クビになりまして。」

「運がいいですね。もし、ギルドに入って居たら佐藤さんの所有物ではなく、所属していたギルドの物になるので」

「そ、そうなんですか。」

「ですが、佐藤さんが個人でダンジョンを所有したい時はギルドを作らなくてはいけないので、今ここで作りますか?」

「あ、お願いします。」


俺は、ギルド職員に渡された紙を書き、ギルド名はラッキーと言う名前にした。


「では。」


ギルド職員の人は、あらかた調査を終えると帰って行った。



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