スキル運で、運がいい俺を追放したギルドは倒産したけど、俺の庭にダンジョン出来て億稼いでます。~ラッキーを持つ俺はいつの間にか逆襲してました。~

暁 とと

第1話 ギルド追放

ダンジョンから帰り、ギルドで一番偉い社長に呼ばれた。社長に呼ばれるなんて、初めてな事なので何かと社長室に向かった。


 社長室には、すごい重装備の人が社長の横で座っていた。


ーーーあれ、この人はビーダルギルドで第3位の実力を持つ永井タケルじゃなかったっけ...どうしてここのギルドに来ているんだ?


俺はそう思った。

ビーダルギルドと言えば、ギルドランキングで1位、2位を争う実力を持つすごいギルド。

 さらに、そんなギルドの実力第三位の力を持つ人気の人が来るなんておかしい。


「社長、どうしてタケルさんがここに。」

「ああ、タケルはうちのギルドに入る事になったんだよ。」

「え?それじゃあ、このギルドも更に上位ランクになるかもしれませんね。でも、よくビーダルギルドから、タケルさんを引き抜く事が出来ましたね。」

「まあな、かなりのスカウト代はかかったが、タケルを引き抜くことが出来た。」

「ビーダルギルドは、何も言わなかったんですか?」

「個人の自由だからな」


俺が所属しているフェニックスギルドも100位以内に入っている。

 それなりに、ランキングの高いギルドだ。


「だから、君はクビね」

「え?」


俺はこのギルドをいきなりクビにすると言われてしまった。


「ど、どうしてですか!?ギルドが出している目標のドロップアイテムは集めているじゃないですか!!」

「まあ、そうだけど。君って、雑魚のドロップアイテムしか持ってこないじゃ無い?いわゆる雑魚じゃん。俺みたいな、上位のギルドに雑魚は要らないんだよ。周りからも、不満が出るし。だから、お前クビ。今持っている装備とかも全部返してもらうから。」


俺は、何も言い返すことが出来なかった。全部事実なので...

 俺は防具と短剣を目の前の机に置いた。


「こんな小汚い装備でも、それなりにするから回収しないとな」

「社長、こいつなんで今までこのギルドに居させたんですか?」

「こいつ、ドロップの運だけはいいんだよ。」

「へえ〜じゃあ、先輩さようなら。雑魚い先輩。」


タケルに、肩をポンポンと叩かれた。


「だ、だけど...」

「しつこいんだよ。元先輩さんよ!!」

「う!!」


俺は、タケルに腹を殴られギルドから追放された。


 最近は、ギルドでも強さや顔でギルドに採用することが多くなっている。ギルドのビジネスで成り立っているとは思っているからだろう。

 ギルドが雇っている人が、死んだらギルドの印象が悪くなる。だけど、顔が悪かったらどれだけ優秀な成績を叩き出しても、人気は出ない。



ギルドも人気商売の所があるので、仕方がない所もある。俺の顔は...平凡...それに、俺はそれほど強く無い。


ギルドは、ダンジョン攻略をする探索者を動画に収めアップロードして人気探索者などもいる。

 これは最近できたものだが、人気配信者になるとすごいお金を稼いでいるらしい...ギルドも、4割ほどの売り上げを持っている。

 タケルのチャンネル登録者数は100万人を超えている。最近は、少し炎上気味ではあったが、今はどうなんだろう?


 俺も動画配信をやってみたはいいけど、長くは続かなかった。チャンネル登録者は10人と伸び悩みすぐに辞めたな、もう一度やろうかなと思いながら、タケルに殴られたお腹をさすりながら家に帰った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る