崩壊しだす家族と悪役令嬢
こそこそと人混みに紛れて動く怪しい背中を私は追いかけていきます。
ブランリッシュのことを聞いて二日目。ブランリッシュのことはセラフィード様がどうにかしてくださると言ってくださいましたが、じっとしていることなどできませんでした。今、現在ブランリッシュをつけています。
ブランリッシュは普段彼が絶対行かないような場所を歩んでいます。町にすら行かないような子だと言うのに、下町それも少し外れた場所に入っていた時は私が追っているのは本当にブランリッシュなのかどうか疑ってしまいました。彼が学校を出て途中で軽く変装するところまで見ていたので間違いないと分かっているのですがどうしてもブランリッシュだとは思えなかったのです。しかもブランリッシュの足取りは一切の無駄がなく何度も来たのか迷いひとつありませんでした。
慣れているように道を行く彼はやがて一つの店に入りました。ボロいと云うほどではありませんがそこそこに古そうなお店です。お洒落でもなく何処と無く小汚いそこはブランリッシュが入るような店には見えませんでした。
見た感じ飲食店のように思えるのですがどうしましょうか。
辺りを見渡します。人通りはそこそこ多いです。中に人も居るでしょう
周囲の光加減を調整して私の姿が人には見えないようにしていて見つかる心配はないのですが、扉を開けたらさすがに不振に思われますわよね。だけどなかで何をしているのかは気になりますし……
私はしばらくの間戸のどうするか扉の横で悩みました。そうしていると丁度良く誰かが扉のノブに手をかけました。ごつい体で人相の悪い男でした。こんな男が入るような店にブランリッシュが入ったのかと思うとますます疑問が芽生えて、私は男のあとに続いて見つからないように中にはいりました。
店の中には幾つかのテーブル席があり、カウンターがありました。私が予想した通り飲食店だったようです。
店の外観は先程言った感じで寂れているようにも思いましたが、中には人が沢山いました。それなりに繁盛はしているようです。ブランリッシュの姿ももちろんあります。
ばれないように壁に張り付いて中の観察をいたしました。
客層はばらばらで怪しげな輩からそこそこ裕福そうなものまで沢山います。それにおかしいと感じました。余程美味しいのであればこんなに客層がばらけていてもそれなりに納得できるのですが、でてくる料理はどれもまあまあの見た目でお世辞にも美味しそうとは言えませんでした。なんだか変な臭いもしています。
それにじっと見ていて気づきましたが、ブランリッシュもそうですが幾人か貴族までいますわ。服装や髪型を変えばれないようにしていますが、見覚えのある相手が数人います。
一体ここは何なのでしょうか。
なぜこんなところにブランリッシュが……。
ブランリッシュの方を見ますともう注文はしていたようで料理が運ばれている所でした。彼の机に置かれるのは平民に良く親しまれている麺料理でした。ブランリッシュがあんなものを食べると言うことに驚いてしまいます。庶民が食べるようなものは大抵バカにしていて、散々貶しているというのに。
食べるところをついついみてしまいました。一口食べるのを見ると本当に食べたと喜んだのですが、みていると三口食べた程度で箸を置いてしまい席も立ってしまいました。そのまま会計の方に向かいます。えっと目を見開いたのですが見てみると他にもそうしているお客が沢山いて……。
レジにならんだ彼らはお会計の際に何か袋を貰っていました。大きさからして多分お持ち帰り用の品なのだと思うのですが、二三口で食べるのを止めてしまったのにと困惑してしまいます。
一体何がと考えていれば、いきなり店内で呻き声がひびきました。中にいた一人が急に立ち上がって床に転がり落ちました。悲鳴が飛び出しそうになったのを両手で抑えました。床に転がった人は青白い土のような顔色をしていて泡を吐きます
「……り、……り、」
うわ言のように男は何かを呟きました。その何かは聞こえませんがはっと思うものがありました。急いで店の中の人の顔を見ていきます。そこにいる多くの人が土のような色をして落ち窪んだ目をしていました。
いや、と小さな声が口から出てしまいました。幸いその声は騒がしい声にかき消されて誰かに聞かれ気取られることはありませんでした。店内の騒ぎには気も止めずさっさと出ていこうとする客の後ろについて私も店から逃げ出しました。
駆け足で町のなかを走ります。胸が煩いほどに音をたてていました。何かがせりあがってきます。
人のいない道に入り込むと行き当たりに突き当たりそこで立ち止まりました。立ち止まるのと同時に体の力が抜けて立っていることも出来なくなります。膝先が地面についてしゃがみこんでしまいます。吐き出しそうになるのを必死に抑えますが、口からはあ、あぁと呻き声が漏れていきました。苦く酸っぱいものが口の中に広がって行きます。呑み込めば喉が焼けるように痛みさらにやって来るものを抑えこむ。荒い息が鼻からは漏れていました。抑えようとしてもちっとも抑えることができずに、早く早くと焦ってしまいます。そうするとますます息ができなくなっていく。
ヤバイと思ったとき目の前に紙袋が差し出されました。
「吐け。吐いた方が楽になる」
えっと思う前に頭を押さえつけられ紙袋の中に口元を入れられてしまい……。
背中を撫でる手に促されるように塞き止めていた吐き気が競り上がってきました。紙袋の中にすべて吐き出してしまいます。酸っぱい臭いが広がり、口のなかも嫌な味で一杯になりました。ムカムカとしくきます。
「ほら、これで口のなかをすすげ」
手渡されるコップから水をいただき、すすいだものを差し出されたタオルの中に吐き出しました。
落ち着いて荒かった息を整えていきます。
「大丈夫か」
問いかけられるのに私は一度口を閉じてから相手を見ました。目に写るのはぼさぼさの髪で。そこにいるのはグリシーヌ先生です……。
「はい。大丈夫ですが、何で先生がここに」
口からでる声は細いものになりました。またしても痴態を見られて恥ずかしくなります。貴族としてとかはもうどうでもいいのですが、あんな姿を見られるのは単純に女の子として嫌です。
「ルーシュリック」
「え?」
「ルーシュリックのやつに頼まれたんだ。ブランリッシュの奴がおかしくてお前が大変そうだから様子を見てやってくれないかと。だからブランリッシュのことを調べていた。それでお前を見つけた」
「……そうなんですか。ルーシュリック様が」
意外だと思いました。彼がそんなことを先生に相談していただなんて。それなりには気にしているようでしたが、何もいってこないので関わるつもりはないのだと思っていたのですが。
「あの、これは私の問題ですから先生が心配することはありません。……先生にはもう何度も助けられましたし、これ以上迷惑をかけるわけにもいきませんから」
ですから引いてくださいと言おうとするとその前にそんなことは気にせんと言われてしまった。それでもダメですと言おうとすれば続けられる先生の言葉で言えなくなりました。
「それよりブランリッシュの奴相当ヤバイところにまで手を出しているぞ。人身売買の組織や反王家派の奴等とも繋がっている」
えっと目が見開きます。何を言われたのか一瞬理解できませんでした。脳が言葉の意味を理解することを嫌がります。思考を停止させようとするのを無理矢理にでも動かして何を言われたのか理解します。
口先が震えるのが分かりました。
耳に意味のない呻き声が届きます。嘘でしょと私の声で聞こえたのに残念だが真実だと先生の静かな声が云いました。
「そ、そんな。……あ、のお店は……」
違いますわよね。私の考えているものではないですわよねと。そんな気持ちで問いかけたのに呆気なく首は横に振られます。
「あの店は違反薬物を不法販売している店だ」
先生の言葉を刃物か何かに思いました。私の胸をぐさぐさと切り裂いていく。嘘ですよね。また私から同じ言葉が漏れました。先生の首は先程と同じように横に振られました。
「真実なんだ」
言い聞かせるように言われたのに今度こそ地面にベッタリと座り込んでしまいます。冷たく痛い地面の感触。服が汚れるのさえ気にすることができませんでした。何でと口にしても先生は何も答えてくれませんでした。
「どうして! ブランリッシュは!あの子は何がしたいのですか! そんなことをしてどうなると言うの。自分が苦しくなるだけではありませんか! そんなことをして自分が幸せになれるとでも思っているのですか!」
泣かば叫ぶようにして言ってしまいました。どうしてなの、分からないを繰り返しいってしまうのに先生は無表情で私を見つめました。
「思うに」
どうしてと一頻り叫んだ頃、先生がぼそりと言葉を落としました。私は先生を見つめます。無表情ですが何処か呆れているような様子がありました。先生は言うのを迷うように数度だけ口を開けては閉めるを繰り返しましたがすぐに言葉を口にしました。
「お前とブランリッシュは考え方が似ているんだと思う」
「何を……」
何をいっているのですかと言いそうになって私は口を閉ざします。何かあれ?と思うことがありました
「追い詰められたときに選ぶことが同じだ。お前もしたことがあるだろう」
ああと細い吐息が漏れました。信じられないと先生を見つめれば黒い目は見つめ返してきて。何も言わないのにそれが真実だと言われていることが分かりました。
かつて自分がしようとしたことを思い出します。それは今目の前にいるグリシーヌ先生によって潰されてしまったこと。
「まさか、あの子は私達の家ごと死のうとしているのですか……」
言葉にする声が震えてしまいました。言いたくないと中で何度も言葉が止まりました。
「そうじゃないかと思っている。昨日からずっと様子を見ているからわかるがあいつには薬を使っている様子がない。顔色も普通だし、言動も何一つおかしいところがない。だがお前の両親にはその兆候が現れ始めている。多分食事にでも混ぜているんじゃないか。
お前は気づかなかったか」
「……気付きませんでしたわ。両親とはもう何日も会っていませんから」
「……そうか」
あまりの出来事に驚愕して聞かれたことにたいしてするすると答えてしまいました。ああ、ダメだと思うのに訂正する気力すら起きません。
「止めないと……」
私から声がでました。ですが先生はそれを冷たい声で指します。
「止めてどうする。止めてお前はあれに何をいえる」
先生の言葉に私は口を閉ざします。分かっています。誰に言われなくとも今の私がブランリッシュを止めたところでどうにもならないことなど。それでも私が止めなければと思うし、私が何かを言わなければと思うのです。
「お前は何も言えないだろう」
先生に言われます。それでもと私は声を絞り出していました。
「私が止めなければならならいのです。私はあの子のブランリッシュの姉だから。ブランリッシュがああなってしまったのは私のせいだから!」
言えば先生は私を見つめます。黒い目でじっと見つめてきます。目の奥が焼けるように熱くなっていきます。うっすらと視界を歪ませるものがありました。
先生がひとつ息をはきました
「なら、まずお前は何をしたい。この先どうしていきたい。あの家族をどうしていきたいんだ。自分の思いすらも分からない者が人を救えると思うな。ブランリッシュの奴をどうにかしたいと思うのなら、まずお前がどうしたいかを考えろ」
先生がといます。目を見開いて固まってしまった私に先生はそうなるのが分かっていたかのようにゆっくりと同じことを言います
「お前は家族をどうしたい」
目をそらして俯いてしまう私にそれが分からない限りお前は何もできないと先生は言います。しばらく考えて分かりませんわと私は言いました。このままでいいのかと聞いてきます。
「良くないとは思います。でもどうしていいのかが分かりませんわ」
「好きなのか」
「……ブランリッシュの事は好きです。何だかんだありますが、弟ですもの嫌いにはなれません。母と父のことも、……嫌いにはなれません」
訪ねられる質問に答えれば先生はため息をついて分からんなと云いました。私を見つめてくる目は奇妙なものを見るようでした。
「お前の親などお前にとって毒にしかならんだろう。しかもお前も一度はそれを壊そうとした。それをなぜ嫌いになれんと言える」
「毒にしかならなくとも愛された記憶がありますの。私のことを本当の意味で好いていなかったのだとしても大切にされた優しくされた記憶がありますの。誰よりずっとあの人たちからの温もりを求めた日々があります。だからそう簡単には捨てられないんです。
憎くても嫌いだと思ってもどうしても自分からは手放すことができないんですわ」
最後は叫ぶようになってしまいました。先生はそれに静かにそうかと言いました。だから自分と一緒に終わらせようとしたのかと問いかけてくるのに無言で頷きました。
「共に終われば一緒になれるのか。優しさを与え続けられるのか」
無言で考え無言で首を降ります。
そんなことにはならないでしょう。きっとずっと憎み続けられることになる。それでも
「ずっと私をみてもらえますわ」
もうよそを見て視線から外されることだけはなくなるのだ。
「分からん思いであり、分かる思いでもあるな」
先生の言葉に先生を見ました。黒い目が私を写していました。それは迷子の子供のように情けない顔をしています。そんな子供を宿して先生は話しました。
「俺はかつて親が嫌いだった。もっと言うと今も嫌いだ。お前の親のようなどうしようもない親で俺は親の愛など知らずに育った。欲しいとも思わなかった。ただ二人を嫌いこんな親などいなくなればいいと思っていた。そのおかげかある日二人が死んだ。俺は悲しまなかった。赤く染まって死んだ二人を見、これで良かったんだと思った。何処かすっきりした気持ちを感じもした。
だがそれが気のせいだったと後になって気づいた。
何をしても二人の顔が浮かんだ。二人は今の俺を見てどう思うのだろうと考えた。嘲笑われているような気がして腹にたつこともあれば、驚愕し愕然としている姿を思い浮かべてせせら笑うときもあった。
それで俺は気付いた。俺もまたどんな形であれあの親に見てほしかったのだと。俺を愛さないあの親を見返してやりたかったのだと」
ふっと先生が笑いました。口許を歪めたそれは何処か醜く己の中の何かを嘲笑うようでした。
「こうして話してみるとお前やブランリッシュの方がずっと可愛いな。今になってやっと気付いたが、どうも俺は随分と捻くれた餓鬼だったらしい」
そんなことありませんわと、私は言いました。私よりずっと強かっただけですと口からは出ていきます。私はただ愛されてないことを嘆いて愛してほしいと思うことしか出来なかっただけなのですから。
「私も……」
ん? と先生が私を見ます。躊躇う言葉を何だと聞いてくれました。
「私もそんな風に思えたなら何かを変えることが出来たでしょうか。もし私があの人たちを見返すことができたら……あの人たちはどんな目で私を見るのでしょうか」
さあなと先生は言います。
「残念ながら俺はその姿を見ることが出来なかった。そもそも見返すことの出来るような存在にもなれなかった。
だからなんとも言えん。お前はどう思う。お前の両親がどんな顔をすると思う」
考えてみます。私があの人たちを見返す姿。あの人たちよりもずっと偉い地位を手にいれて、あの人たちが望むものよりもずっと素晴らしい生活をこの手にする。それこそ王族レベルの暮らしが出来るような存在になりますの。きっとあの人たちは驚き悔しがるでしょう。その前に唖然とした顔で私を見るのです。そして当たり前のように手のひら返しをしてくるのです。私に優しい声をかけて縋りついてくる。
「今とあまり違いがあるようには思えませんわね」
「そうか。だが、こう考えろ。お前にすがり付いた相手の手を取るも離すもお前の自由なのだと。捨てることができないのだとしても、狭い屋敷の中に閉じ込めてそれまでしていたぐらいの生活をさせてやればいい。その横でお前は今まで以上の贅沢をするんだ。そのときはどんな顔をする。もしくは何処か遠くにやってもいい。療養だとか言って遠くに生活だけは保証して会いに行きたくなれば何時でも行ける。どんな顔をする」
思い浮かんだのは絶望する二人の姿です。思い描いていた理想の未来とはかけ離れて泣く二人の姿。くすりとつい笑みが落ちてしまいました。
「それは……」
面白いですわねと口にしてしまいます。絶望と希望、そして憎しみが入り交じった目で見上げる二人、そんな目で見られることにきっと胸は痛みますけどでもわかっていますの私は。母を父を私たち兄弟はそんな目で見ていることを。
「お前は見返してやりたいと思うか」
「できたらと思います。でも……できますでしょうか」「出来るだろうお前ら兄弟なら。あんな親が考えている人生設計などぶち壊してもっといい人生を手繰り寄せることが出来るだろう
違うか?」
「違いませんわ」
先生が囁くように言いました。浮かべる笑みは悪戯をする子供のようで私もそんな顔で笑いました。
「……お前は何がしたい」
問われるのに私は僅かだけ考えました。
「私は……見返してやりたいです。それであの人たちに私たちが都合のいい道具でなかったことを教えてやりたい。その上で、やり直せるならもう一度だけやり直したいですわ。それで無理なら……その時はもう兄弟だけで生きていくことを決めますわ」
言えば先生はそうかと頷きます。できるといいなと、その為にお前は何を言ってやると最初の質問に戻ります。言葉につまりながら今までとは違う気持ちで考えます。どうすることもできないと思っていたのとは違う思いで。
「そうですわね。……まだ分からないのですが、でも、ブランリッシュと喧嘩をしてみたいと思います。私達兄弟はお互いに大事なことはなにも話さないままここまで来てしまいましたわ。ブランリッシュはそれなりに表面だけでも自分の思いをぶつけようともしてくれましたが、私はそれからすら逃げてしまっていましたわ。
だからお互いがお互いにたいして何を思っているのか、家族のことをどう思っているのかを今一度話したいです。喧嘩と言う言い方は暴力的かもしれませんが。それぐらい自分の気持ちすべてをさらけ出してみたいです。じゃないと私たちは分かりあえないままになってしまうと思いますから。
それができたら私とブランリッシュはちゃんと兄弟になれるんじゃないかと思いますの」
「そうだな。それは大事なことだ」
止めるでなく先生は言いました。ふぅと細い息を吐いて先生は私を見つめます。黒い目が揺れました。
「お前はどんどん強くなっていくな……。羨ましい」
えっと思いました。眩しいものを見るような目で先生が見てくるのに首をかしげてしまいます。
「それは先生がいるからですわよ? 先生が動けないでいる私の足元を歩けるようにしてくれるから前に行けるようになるだけですわ」
じゃないと私は絶対に動けませんでした。言えば先生は驚いた顔をして自分の口許を抑えれそれからそうかと小さな声で言いました。
「セラフィード様」
私は翌朝登校してきたばかりのセラフィード様に声をかけました。ぎょっと見開く彼にお願いがありますと頼みます。
「私、ブランリッシュと喧嘩をしてしまってあの子と最近話していませんの。セラフィード様ならあの子と仲がよろしいでしょう。ブランリッシュと仲直りがしたいのです。その為に場所を用意してくれませんか」
「な、なに」
バカなことをと続くはずの言葉は消えてセラフィード様の口許がふるふると震えました。青の瞳は限界まで見開いていてそれから大きく肩を落としました。
「彼奴か」
私にも聞こえるか聞こえないかの声でセラフィード様は呟きました。頷くことはしませんが見つめればはっはと乾いた笑い声が落ちます。叶わねぇなと彼は言いました。
「分かった。今日の放課後になるが用意してやる」
「ありがとうございます」
礼をしますと彼は無言で私を見つめました。そして言います。仲良くなれるといいなとその一言だけを
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