第11話 ぺろぺろもみもみするお姉ちゃん

 お姉ちゃんと大きな天蓋付きのベッドの上で抱き合っていた。お互いに素肌をぴったりと触れ合わせている。今も快楽の余韻があって、お姉ちゃんの手のひらがお尻を撫でるだけでびくりとしてしまう。


「……ちょっと。お姉ちゃん?」


 私はジト目でお姉ちゃんをみつめた。


「えへへ。ごめんごめん」


 お姉ちゃんはえっちだ。さっきだって、私の大切なところぺろぺろしてきたし……。「瑞希のなら汚くないよ」とか言ってさ。いや、違うのか。私が生み出した存在なのだから、私がえっちだってこと?


 良く分からないけれど、どちらにせよ恥ずかしい。


 今もお姉ちゃんは私の胸をぺろぺろしている。


「んっ……。お姉ちゃんって本当に……」


 怒ろうとすると、お姉ちゃんは可愛い上目遣いで私をみつめてきた。うるうるした青い瞳が美しくて、何も言えなくなってしまう。


 だけどあまりにもしつこいものだから、流石に文句を言いたくなった。


「そんなに私の胸舐めて、面白い?」


 私が不満を前面に出して問いかけると、お姉ちゃんはいたずらっぽい笑顔を浮かべた。


「瑞希が感じてくれてるのなら面白いよ。我慢しないで可愛い声、お姉ちゃんに聞かせてよ」


 もう本当に、この人は。


「お姉ちゃんがこんな変態だったなんて、ちょっとショック……」


 甘い声が漏れそうになるのを堪えながら肩を落とすと、お姉ちゃんは悲しそうな顔になった。流石に効いたのか、胸をなめるのをやめて、私をぎゅーっと抱きしめてくる。


「嫌いにならないで……」


 暗い声のお姉ちゃんに、私はくすりと笑った。嫌いになるはずはない。お姉ちゃんは変態だけれど、私が本気で嫌なことはしないのだ。大切なところ舐められるのも、普通に気持ちよかったしさ。……恥ずかしかったけど。


「嫌いになんてならないよ。この程度で」

「……この程度?」


 お姉ちゃんがキラキラした目で私をみつめてくる。手をわきわきとさせて、私の胸に触ろうとしてくるものだから、私は低い声でつげる。


「怒るよ?」


 するとお姉ちゃんはしょんぼりした表情になってしまう。本当にずるい。好きな人にこんな顔されたらなんにもできなくなっちゃうでしょ……?


「まぁ、ちょっとくらいならいいけど……」


 するとお姉ちゃんは目を輝かせて、私の両胸を揉んだ。


「瑞希のおっぱい、ずっと揉んでたい……」


 私の胸は小さい方だ。こんなののなにがいいのやら。分からないけれど、お姉ちゃんが満足しているのならよかった。くすぐったさを堪えていると、次第にお姉ちゃんの手つきがえっちになってくる。


 先端に触れそうなところで引き返したり、時にはいきなり先端に触れたりしてくるのだ。私は顔を熱くしながら、ぺしっとお姉ちゃんの頭にチョップを落とした。


「ちょっとって言ったでしょ。なに私のこと、えっちな気持ちにさせようとしてるの?」

「……そうしたらもう一回できるかなって」


 捨てられた子犬みたいな表情だ。お姉ちゃんの癖に。


「……そんなにしたいの?」

「うん!」


 流石に理性が戻ってきた今は無理だ。恥ずかしすぎる。けれどお姉ちゃんがどうしてもって言うのなら……。


「でも約束してよね。これが最後だから……」


 私がぼそりと声をこぼすと、お姉ちゃんはすぐにキスをしてきた。そのまま舌を入れてくる。胸をいやらしい手つきで触ったり、あそこに手を伸ばしたりしてくるのだ。


 本当にお姉ちゃんはえっちだ。でも悪くないって思ってる私もいる。愛されてるって実感が湧いてくるのだ。私はこれまでずっと自分を殺して生きてきた。自分を愛することなんてなかった。


 でも今なら、少しくらいは自分を好きになれそうな気がする。


 そんな風に心を許したのがダメだったのだろうか。結局私は何回も何回も感じさせられてしまって、ほとんど気絶するような形で眠りについたのだった。

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