創作童話集
森茶民 解夏禾 フドロジェクト 山岸
不器用なお姫様
ある日、王様が仲の良い友達を登用させました。
それを見た王妃は、自分の親友を呼び、処刑しました。
王様は驚き問い掛けます。
「何故だ王妃よ。アレは、そなたと親の深かった者では無いか」
王妃は答えます。
「はい王様。しかし王様。王様は、親の深かった者を重用なさいました。ですから、私はあの者を処刑したのです」
王様はますます訳が解らなく成りました。
「何が言いたい。王妃よ」
王妃は答えます。
「恐れながら王様。王様が信を置いているあの者は、良くない噂が絶えません。考え直しては下さいませんか?」
「何を言うか!!」
王様は怒ってしまって、王妃を遠い山奥の塔に閉じ込めてしまいました。
それから何年か経ったある日、王様の友達は、国にとって重要な宰相と言う立場に居ました。
宰相は言いました。
「決行だ!」
なんと宰相は、王様が滅ぼした国の王子様で、王国は、その日の内に王子様の物に成ってしまいました。
王様は言います。
「ああ。何て事だ。あの女の言う事を信じておれば、こんな事には……」
王子様は言います。
「やれ!」
王様の頭は大斧で切り落とされて、ピュンと飛び上がってこう言います。
「ああ。何て事だ」
こうして、王様の国は終わりを迎え、王妃だった者は、誰も訪れなくなった塔の中で嘆きます。
「ああ。なんてこと」
創作童話集 森茶民 解夏禾 フドロジェクト 山岸 @morityamin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。創作童話集の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます