第35話 奪おうとする存在
野田 啓一「やぁ中須賀。ちょっといいかな? 」
次の日。休み時間。1時間目終了後に、野田は花梨に接触する。
花梨が友人の那須がいない間に、声を掛ける。おそらくタイミングを図っていたのだろう。
中須賀 花梨「…何? 」
珍しい。いや普段では決してありえない。
花梨は野田に嫌悪感を示す。
野田 啓一「どうしたんだ。中須賀。機嫌が悪そうだな。もし気分を害したことがあるなら、いつでも俺に伝えてくれよな。話なら聞くからさ」
流石イケメンと言うべきか。スマートに対応した。並の女子生徒なら野田のルックスに魅了され、ときめいていただろう。
だが、花梨は違った。花梨はこんな奴にときめかなかった。逆に優しい対応をされ。より機嫌を害した。
中須賀 花梨「親切に教えてあげる。私が機嫌が悪いのは野田君が原因でもある。だから迂闊に声を掛けないで。それと、私の彼女の木越君にも謝って! ]
軽く目を瞑り、花梨は席から立ち上がる。
中須賀 花梨「あなたの顔なんか2度と見たくない。お願いだからこれ以上関わらいで欲しい」
野田から逃げるように、花梨は教室を退出する。
クラスメイト達も花梨の異質な様子に、違和感を覚えたのだろうか。多くのクラスメイト達が教室を後にする花梨に視線を走らせた。
野田 啓一「お、おい、待ってくれよ! 中須賀!! 」
野田の制止も虚しく、完全に花梨から無視された。
手を前に伸ばした野田が取り残される形になった。
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