第17話 謎が解けた
俺「参ったな。浮気相手の女と三宅が犯人ではない。犯人は誰なんだ…」
頭を悩ませながら、俺は教室の座席に座る。
俺「とにかく被害を受けた当人に少し話を聞いてみるか」
再び席から立ち上がり、俺は隣のクラスに足を運ぶ。
俺「おい。中須賀」
偶然にも友人達と会話を交わしていない中須賀。
運がいい。友人達と会話する最中では色々と面倒だからな。それに話を遮ることで申し訳なさが湧く。
中須賀 花梨「どうしたの? 」
俺の手招きに反応し、中須賀は立ち上がる。そのまま廊下に誘導する。
俺「俺なりに昼休みに探索してみたが、どうやら犯人は見つかっていない。見当もつかない状態だ」
中須賀 花梨「…そうなんだ。それは残念だね」
中須賀は俯く。悲しみと恐怖が混じったオーラが漂う。
そんな中須賀を見てると自然と胸が苦しくなる。不思議と彼女を恐怖から救ってやりたいと感じてしまう。不思議な女だ。
俺「1つ聞くが。学校に中須賀の自宅の住所を知ってる人間はいるか? 」
とにかく情報が欲しい。たった1つの情報でも打開策に繋がる可能性がある。
中須賀 花梨「えっと、自宅の住所を知っているかは分からないけど、このクラスの友達2人とは位置情報を共有しているよ」
なに!? 位置情報を共有しているだと。
俺「どうやって位置情報を共有している? 」
中須賀 花梨「知らないの? 位置情報を共有するアプリがあるんだよ。最近流行ってるんだよ 」
中須賀は無知の俺に多少驚きつつも、優しく教えてくれる。まだテンションは低いがな。
なるほど位置情報共有アプリか。それならば、位置情報共有アプリを使いながら、中須賀が自宅にいることをモインなりの連絡手段で確認すれば見事に住所が特定できる。
この線は濃厚だな。だが、あくまで俺の推理だ。完璧ではない。
俺「その友人達の名前は? フルネームで頼む」
中須賀 花梨「
なすまきとこばやしふみ。それと位置情報共有アプリ。
待てよ。
……なるほどそういうことか!
俺は不敵に笑みを浮かべる。自然と形成された笑みだった。
俺「安心しろ中須賀。犯人が分かった」
優越感に浸りながら、俺は堂々と口にする。何て気持ちいいんだ。快感でしかない。
中須賀 花梨「え!? 本当に! 」
彼女は驚くと同時に嬉しさを顔に出す。
中須賀のそんな表情を視認すると、自然と俺は嬉しくなる。
俺「ああ本当だ。だが1つだけ中須賀に頼みがある」
中須賀 花梨「なに? 私にできることなら何でもするよ」
やる気を示すように、中須賀は豊満な胸の前で両拳を握る。多少なりとも頼もしさを感じる。
俺「那須真希と小林文を放課後に屋上に集めてくれ」
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