第18話 SS陽性
二年くらい経ったある日、ナミコは嫌な予感がした。
このへんな気分、、。
とにかく、検査してみなきゃ。
今は薬局で手に入るから。
ナミコはドラックストアでそれを購入した。
自宅で検査してみた。
やっぱり、、、。
どうしよう、、。
ナミコの気持ちはすでに決まっていたのだが、
伝えるかどうかに悩んでいた。
顔を見て話すのがいい、メールで伝えるような事じゃないわ。
会う約束をしていた日、ナミコは告白をした。
「妊娠したと思うの。検査は自分でしてみたわ。何回もね。陽性なの、、。」
「えっ、、。」
そうよね、家庭もあるし、困るわよね。
こんなもんよね、男なんて。
「申し訳無い事をしたね。もし、産みたいなら
それでもいい。」
予想外の返答に、ナミコは、バカなんじゃない?と真剣に思った。
もう、43歳になるのよ、母体の負担も大きいし
とてもじゃないけど、やれる自信なんて無い。
認知されない子供だって将来傷つくだけ。
「いや、産まない。子育てを一からできる程の年齢じゃないもの。
あとは自分で何とかするから、、。」
「そうか、、。僕の子供なのになぁ。」
うーん、現実をわかってないの。
お坊ちゃん気質なんだわ。
「病院に行く時には付いていくから
必ず教えてほしい。ひとりで行かせるつもりはないからね。」
ええっ!ある意味で迷惑な気分。
まあ、言い出したら聞かないし、、。
「わかった。連絡するね。」
病院をどこにしようか?
できるだけ早い方がいい。
受精卵のうちに、でないと辛くなるもの。
ミサコの病院!あそこなら産婦人科があるし。
ミサコんちからも近いから。
早速、ミサコに連絡すると、
「そう。まあ、そう言う事もあるわ。
私だって経験してるから。
こっちは手配しとくからおいで。」
ミサコは初診の予約もとってくれた。
悲しいとかそんな気持ちより、この現実から早く逃げ去りたい気持ちの方がまさっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます