第10話 親友

5月のゴールデンウィークがやって来た。

ナミコは子供達を連れて、遊びにおいでと誘ってくれたので、三重県のある都市に

車を走らせた。


ナミコは車の運転が苦手だったけど、電車で荷物を持ち、チビふたりを連れて行くのは無理すぎる。

とにかく、事故りませんように。


願いが叶ったのか?

初めの遠出に疲れたが無事友達の所に到着した。

この親友は独身の頃からの戦友みたいな存在だった。

ナミコとは違い、おおらかで大雑把。

あけっぴろげで何で話せる相手だった。


「ねぇ、ナミ、なんかあったでしょう?

わかんだかんね。」


全く、こやつにはバレバレなんだなぁ。

ナミコはこれまでのいきさつを話した。


すると、友達のミサコは

「せっかくなんだから、連絡して今夜会いに来てって言ってみ。子供達は私がみてあげるからさ。」


「えー、いいよ。今夜はふたりで飲むんだからさ。」


「バカじゃないの?

男って必要なのよ、特にナミみたいな人にはね。」


ミサコに急かされてメールをしてみたが

来れる訳ないわ。

そう思っていた。


メールの返信には

どこか住所を教えて欲しい。

出る時にメールすること、着いたらメールすることが書いてあった。


「ほらね、相手は男としてナミの事を見てるのよ。私の服を貸してあげる。

うんと、色っぽいやつ。」


ナミコは本当にそうなんだろうか?

ワタシを女として見てるの?

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