第11話 唇

友達のシフォンの白いワンピを借りて、

待っている車へ向かう。


彼は少し驚いた様子で、車のドアを開けてくれた。

ここは駅前以外はネオンも無く暗かった。


「ナミ、君を抱きたい。」

いきなり、唇を合わせてきた。


予測していた訳じゃない。

友達に背中を押されたせいだろうか?

ナミは唇を受けた。


そして、ホテルへ向かった。


ナミコはこうしたホテルは夫と知り合った時に

何度か利用しただけだったから恥ずかしい気持ちでいっぱいだった。


彼も良くわからないようで、ふたりで

タッチパネルをあれこれ見て、結局、

一番いい部屋を選んでくれた。


部屋に入ると、別に普通のホテルと変わらないわね。

ナミコは子供のようにアチコチを探索した。


「こっちにおいで。」


彼の言葉にナミコはベットの端に座ると

待ちきれないように唇が覆い被さってきた。


「お願い、汗をかいてるの。シャワーを浴びたい、、。」


ナミコは浴室の中が鏡張りになっているのに気づいた。

自分の裸体を写して観る。

まだまだ、いけるわ。


ナミコは置いてある寝着に着替えて出てくると

彼もシャワーを浴びに行った。


こんな時、どうするんだっけ?

ベットに入ってる?

いや、ソファー?

あっ!マッサージ機?な訳ないか、、。

ぼんやりと立っていると、いつ出て来たのか

彼がナミコを後から抱きしめた。


そしてキスをしながら寝着を剥ぎ取られた。


「ナミ、綺麗だね。」

それが合図のようにふたりはベットに

倒れ込んだ。


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