ソルティキャップ

ソルティキャップ

作者 白藤しずく

https://kakuyomu.jp/works/16817330664680670380


 塩アレルギーの広崎真結と出会った佐竹陽介は、初めて好きになって大切な彼女をなくしたが、広崎叶汰と再びバッテリーを組んで大きな夢を追いかける話。


 三点リーダはふたマス等気にしない。

 現代ドラマ。

 まさに運命だったのだろうと思わせてくれる。

 悲しくて泣けるけれども、読後は希望がもてるところが良い。


 主人公は高校三年生の佐竹陽介。一人称、俺で書かれた文体。自分語りの実況中継で綴られている。読者の涙を誘う型、苦しい状況→もっと苦しい状況→願望→少し明るくなる→駄目になる流れに沿っている。


 それぞれの人物の思いを知りながらも結ばれない状況にもどかしさを感じるタイプと、絡め取り話法と、女性神話の中心軌道に沿って書かれている。

 主人公の佐竹陽介が八歳のとき、三つ年下の妹が交公園から帰る途中、大通りに飛び出して交通事故でなくしている。

 小学校の頃、広崎叶汰とキャッチボールして遊んでいると、地元で野球チームをしているおじさんに声を掛けられ、友達とチームに入ることにした。中学生になると野球部に入部し、陽介がッチャー、叶太がキャッチャーでバッテリーを組むようになる。

 佐竹家と広崎家で野球観戦に行ったとき、ファールボールが叶太の妹、真結のところに飛んできて、当たりそうなところを主人公が体を張り、手首を大怪我した。その怪我が原因で今になってもたまに手首が痛むことがある。真結は助けてくれたことが嬉しくて、ファンになり、以来大好きだと思ってきた。

 広崎兄妹の父、広崎進太郎は有名なサーファーで、日本代表にも選ばれていた。オリンピックに出るはずだったが、練習中に突然、死んでしまう。死因はアナフィラキシーショックによる溺死と言われ、何が原因かわかっていないが、塩アレルギーだった可能性がある。真結が塩アレルギーだからだ。

 中学三年の夏、全国大会一戦目で敗退。主人公と叶太は泣きながら二人で甲子園に行くことを約束するも、叶太はスカウトを蹴って高校に行かない選択をした。

 強豪校で投手をしている主人公は高三の夏、最後の大会を一週間後に控えていたとき。眼の前で男の子が飛び出すのを目撃。助けに飛び出し、気づけばアスファルトの上に横たわり、男の子の泣き声が聞こえる。

 病院で頭部は十針縫い、右脚は捻挫、右腕は複雑骨折、靭帯も損傷。一カ月は入院、短くて三カ月、長くて半年で完治と診断され甲子園の夢は絶たれた。

 一カ月後、右足が治り退院。これからは右腕のために週に一回の通院生活がはじまる。ロビーでぼろぼろの野球帽を拾ってくれた少女・真結が突然苦しみだし、看護師が離れてと叫ぶ。酸素マスクを着けた彼女に自分のせいかと訪ねると、直接的な原因はそうかも知れないえれど、悪いのは自分だから気にしないでという彼女。

 何でもするからというと叶太が病室に現れ、真結に何したんだよと胸ぐらをつかまれる。その人は悪くないと叫ぶ真結。許さないからと出ていく叶太。彼女から、死ぬまで私の彼氏になってください、返事は「はい」か「イエス」かでと言われ、と彼女ができる。

 一週間後、期間限定のパインゼリーを持って訪ねる。父の影響でサーフィンをしていた彼女。野球でピッチャーをしている話をする。

 二週間後、アップル味のセリーを持っていく。右腕のケガのことを聞かれ全治半年と答える。大愛前だと答え「きついですね」と言われるも、叶太がやめてから野球をする理由が見いだせず、野球をすることで彼を思い出すのがきつかったのはいえなかった。

 三週目、叶太にセリーを持って来るのが迷惑で、真結は塩アレルギーだと教えられ、検査中だから帰れと言われる。

 四週目、八月の終わり。塩分の少ないゼリーを持っていく。あのゼリーはサーフィンをしていたとき父が勝ってきてくれた思い出のものだと教えてくれたついでに、父親が有名なサーファーで、亡くなった原因が塩アレルギーかもしれないと知る。

 五週目、九月。彼女がサーフィンの国の育成選手だったことを知る。野球を始めたきっかけを話し、兄から聞いたといって、キャッチャーが兄だったんですよねと彼女はいう。

 六週目、九回表に相模シャイニーズが四万十サニーズにツーランホームランを打たれて勝ち越しされた映像を前に、相模シャイニーズのユニフォームを着た彼女が頭を抱えている。「一点差じゃわかりませんよ。四万十サニーズはめちゃくちゃサヨナラ負けしてるんですから。もう少し打って欲しいところです」と四万十サニーズファンの主人公が答え、彼女は余計に悔しがった。

 七週目、今日は相模シャイニーズと越後ウルフズの第二試合目。昨日の試合でシャイニーズはウルフズに敗れているため、今日の彼女は応援にいっそう力が入っていた。エース東堂が早速崩れ、点差が縮まることなく終わる。

 八週目、彼女の病室には小さな子供たちからよく見るおばちゃん看護師までたくさんの人が集まり。ケーキ模様のハットに『HAPPY BIRTHDAY』と書かれたサングラスを掛ける彼女がいた。プレゼントに差し入れのグミを渡す。

 九週目、十月。主人公の右腕の固定器具が外れ、小さな板を当てて包帯でぐるぐる巻きにしただけの腕になる。病室には緊迫した空気が立ち込め、苦しむ彼女と数人の医師や看護師がいた。辛くなって帰宅する。

 十週目、酸素マスクは着けたままメガホンを叩き、今日の試合は勝てそうだという彼女。十連敗からの勝利に彼女はバンザイして喜ぶ姿につられて主人公も微笑む。

 十一週目、通院の予定が昨日だったが、急用で今日になる。窓を見つめる彼女から悲壮感が漂う。お腹が空いたから帰るといって部屋を出たが胸騒ぎがして戻ると、発作を起こして苦しむ彼女の姿があった。医者たちの迅速な処置で彼女の容態はすぐに安定し、叶太が「真結を殺そうとしたの、お前なんだろ」と言ってくる。「真結は発作が起きない程度のナトリウム水を点滴で摂取していること、お前知ってるよな? その点滴の量が増えてたんだ。あれは誰かが意図的に変えない限り変わったりしねーんだよ!」お前の言ってることはでたらめだと言い返すも、「お前に会ってから真結の病状はどんどん悪化してんだよ! もう真結の前に二度と顔出すんじゃねぇ!」と言われ、何も言い返さず病室を後にした。

 十四週目、会わないまま三週間が過ぎた。叶汰から一件の着信『真結が会いたがってる』にぐったり寝ている彼女の写真が添付されていた。会いにいくと、「でも陽介さんが来てくれて、少し元気になれました」と笑う彼女に胸が締め付けられる。

 一五週目。叶太が一生欄でいいから真結だけは大切にしてやってくれといわれ、「俺はあの子に元気でいてほしい。俺があの子の体調を崩す原因になるなら、俺はもう会わない」と病院を去る。帰宅し彼女から電話がかかる。兄のことで謝り、体調が悪くなるのが陽介のせいだとしても会いたいと話す。一緒に話して笑ってる時間が最近の一番の幸せだと伝えて仲直りする。

 十六週目、「私の大好きな企画やっているんです」テレビを覗くと、芸人が視聴者から集めた『あるある』を紹介。今日は『病院』だった。笑う彼女に、どうして点滴の量を増やしたのか気になって尋ねる。主人公が急用で来る日が変わった日は父の命日。日曜日の昼間の巡回の時間なら自殺しやすいと思っていたけど、絶好のタイミングを逃し、不幸にも生きていると笑う。父が死んでから母が働くようになり、自分が病気になって面倒を見るようになって過労で死にかけたこと。兄はスカウトを断って、面倒を見たり家事やバイトをしてくれていること。自分が死ねば無理しなくてすむからと、震える声の彼女の話を聞いていると涙がこぼれてくる。昔、妹をんくしているから人が死ぬのが苦手と答え、今度こそ大切な人を守りたい、叶太は妹が大切で元気な姿を見たら疲れも吹き飛ぶから、兄の頑張りに応えるよう生きてくださいと告げ、「ちゃんと話聞いてやれよ」叶太の背中を叩いて帰る。

 十七週目、十二月。叶汰から、死と向き合う覚悟がないならこないほうがいいといわれる。「最初は偽りの彼氏だった。だけどもう俺の気持ちは本物なんだ。あの笑顔を絶対守るって決めたんだ」と答えると、「どうやら俺とお前は同志のようだな」彼とまた手を取り合える気がした。

 十八週目、叶太から、真結が歩けなくなったという。病室に駆けつけるも、病状が悪化して足りない栄養分は筋肉から補っているため、リハビリをしても歩けるようになるか難しいという。

 十九週目、車椅子に乗った彼女と中庭へ行く。「あ~もうすぐ死ぬんだな~って。だからもうこの関係を終わりましょ」といった彼女は、病院で出会うまえから主人公を知っていたこと、ずっと大好きだと思っていたことを告げ、も十分楽しみましたという。主人公はまだ満足出来ていないといい、「俺、これからもずっと、死んでもずっと、来世でもずっと、広崎さんの彼氏でいていいですか?」涙する彼女を抱きしめた。

 二十週目、クリスマスイブ。ケーキを持って病室へ行く。ショートケーキが二つしかなく、一つはフルーツタルト。彼女はフルーツタルトが好きといい、「良いカップルだな~」と叶太が囃す中、三人で食べた。

 二十一週目、年が明け、病院の裏にある神社へ二人で初詣に行く。

 彼女がまたサーフィンが出来ますように絵馬に書くと、彼女は見せてくれず「いつか勝手に見てください!」と笑った。

 二十二周目、通院最終日。病室にいくと、担当医の先生とおばちゃん看護師が懸命に処置を行い、電気ショックを使ってもアラーム音は鳴り止まなかった。

 葬儀後、あの神社に立ち寄り、絵馬になんと書いたか見ると泣き崩れ叶太に電話した。絵馬には『陽介さんとお兄ちゃんが世界一のバッテリーになれますように』と書かれていたことを伝え、二人で叶えようといってはみたものの、リハビリには時間が掛かるし叶太のブランクは大きい。できるのか不安になるも、「夢ってのはな、簡単に叶うもんじゃねーんだよ。お前は人百倍の努力が出来ねーのか?」といわれ「人百倍でも一億倍でも努力してやるよ!」と手を取り合う。

 彼女の仏壇前に座り手を合わせる。今まで過ごしてきた日々の一つ一つが今を作っている。奇跡なんかよりももっと強い、必然的な運命みたいなものだった。いつか彼女の夢が叶うその日まで、二人はまた前を向いて走り出すのだった。


 広崎真結の謎と、主人公に起こる様々な出来事の謎が、どのように関わって行くのかを描きながら、かつてバッテリーを組んでいた広崎叶太との再会と対立といった関係性を経て、どんな結末に至るのかをみせてくれる。


 冒頭からテンポよく展開されているところが良かった。

 客観的な状況説明をする導入、帽子を拾ってきた少女と出会うところから本編がはじまり、彼女の死を迎える客観的視点からのまとめの結末から、文章のカメラワークを考えて作られている。


 各場面、いつ誰がどこで何をどのようにどうしたのか、主人公の心の声や感情の言葉、相手の表情や様子、声の大きさ、読み手が想像できるような書き方をされているので、感情移入できる。

 後半、クライマックスに至ってからも主人公の強い想いが、必要な行動や表情など、強く描いて想いをみせているので読者にも気落ちが届いて胸を打たれていく。

 本作内では、クライマックスやラスト以外でも涙をかなり流しているので盛り上がったところで泣いても感動することはない。

 そもそも泣くという感情と、主人公の想いは別なので泣かせれば感動するわけではない。

 主人公の強い想いが現れる、必要な行動や態度、表情を読み手に伝えみせることで、読み手の心に届くのだ。

 彼女から「私の彼氏じゃなくていいです」といって打ち明け、「俺はまだ満足できていません」一生守りたいと気持ちを伝え、彼女はなき、抱きしめるといった一連の行動は静かに描かれ、彼女がなくなった時の描写は余計なものを排除して淡々と描き、葬儀後に絵馬を見ては泣き崩れるがそのあとすぐに連絡する行動を取っていく。

 涙を見せるのではなく、こうした一連の行動を描いてるから胸に迫るものがあるのだ。

 だから「来世でもずっと、広崎さんの彼氏でいていいですか?」と顔を抑えた後、「涙が手を伝っていた」は無くてよかったかもしれない。肩を震わせていたとか、声が震えていたとか、別な表現でも十分伝わると感じた。

 

 書き出しが「俺ら二人で甲子園、絶対行こうな!」と、面白みはないけれども手堅いはじまっている。

 野球の話なのかなと読み手に思わせて呼んでいくと、中学三年の全国大会で負けたときの話だと説明される。

 そうした遠景を見せてから、「それなのに」バッテリーを組んでいた相手はスカウトを蹴って高校にいかない選択をしたという。

 衝撃的な事実に、ここで「おっ」と読み手は興味を引く。

 高校に行かないのはよほどのことがあったことを想像させる。金銭的、あるいは家庭の事情、なにかしらの病気等色々考えられる。

 主人公は、あとで家族交流として野球観戦を見に行っているし、バッテリーを組んでいたなら、本人にどうしてなのか聞けたはず。

 なぜ聞かなかったのだろう。

 十月に父の命日だからと真結が自殺計画が起きている。

 おそらく中学三年の十月に、父親が突然なくなり、そのあと妹も病気となって大変な状況に陥ったと考えられる。

 まだ中学に通っている時期だったから聞けたと思うのに。叶太は話さなかったのかしらん。


 信号待ちをしていたとき、飛び出した男の子を助けている。

 大事な試合前に怪我をしてはいけないのはわかっているはず。運転手はブレーキを踏んでいるので、男の子がケガをしなかった可能性もゼロではない。詳しい状況はわからないけれども、逡巡することもなく主人公は動いている。

 俺は昔のことをぼんやりと思い出していた。「俺は一体何のために強豪校で投手をしているのだろう。一体誰のために……」

 このときすでに、気持ちは野球から離れていたので子供を助ける行動ができたのだろうと気にならなかったのだが、あとで自分の妹が事故でなくなっていることが明かされる。

 同じ過ちはくり返したくない、人が死ぬのは嫌だと、そういった思いが彼を突き動かしたのがわかるので、冒頭には物語の核心部分がいろいろと詰まっているけれども、なにがあるのかは読み手に想像させるギリギリのところを描いているので、興味がもてるのだ。

 テンポいい書き出しと、真結に出会う状況を無理に感じさせないような展開が良かった。


 退院したあとの暑い中、使ってきたボロボロの野球帽を被って病院へいく。意外と近いのかしらん。

「親に送ってもらえば良かったと後悔する」とあるので、そうでもないかもしれない。単に暑かったから、車に乗せてきてもらえばよかったと言っているだけか。

 

 帽子を拾ってくれるのだけれども、主人公は病院内に入って脱いだのかしらん。いつ落としたのか。脱いだ帽子を後ろのポケットにでも入れていたのだろうか。

 真結は自分が塩アレルギーで入院していることを知っているはず。叶太が指摘し、看護師が「離れて」と叫ぶように、塩分に触れないようにすることも知っているはず。

「女の子の帽子を持つ手は、赤く腫れ震えていた」こうまでして帽子を拾わなければならなかったのは、真結が主人公のことを前から知っていて、大好きだったから。

 自分の気持ちには素直に行動する、そんな姿が描かれている。


 男の子を助けて怪我をした主人公と、アレルギーを顧みず帽子を拾って届ける彼女の行動は同じ。二人は対になっているので、惹かれ合うのだと思う。

 ファールボールから彼女を守った行動も、妹をなくしたことによる行動だろう。

 彼女は彼に惹かれ、自分を顧みずに誰かを守ろうとする考えが、父の命日に自殺をしようとしたり、もうすぐ死ぬから彼氏をやめてもいいといいだして、妹を亡くして死を怖がる主人公を怖荒瀬内容にと考えていったのだろう。

 兄よりもバッテリーらしい。


 点滴をからでは栄養接種はたかが知れている。食事のほうが大切。

 ゼリーやグミを食べている場面はあるけれども、普段はどうしたいたのかしらん。

 塩分接種を制限されているので、食事の塩分も抑えられている。

 塩味がないと美味しくないし、味気ない。

 彼女にとって、食事は楽しくないものだったのではと考える。


 脳のエネルギーのために砂糖は欠かせないし、筋肉を動かすために塩は必要。

 塩の摂取が制限されている真結が、自分で歩けなくなり車椅子に乗るのは当然と言える。


 兄の叶太と再会して、妹の症状を話すところからも、何も話さずに主人公の前から去っていったのがわかる。

 バッテリーだったのは野球だけだったのかしらん。

 そもそも、小学生の時にキャッチボールをしていたのだから、友達だったはず。野球をするようになってからは、野球中心の関係になり、野球をやめるのは友達もやめるみたいになっていたのだろう。

 相談することはせず、一人で抱え込んでしまうところがあるのかもしれない。

 主人公の登場で真結が悪化しているのは間違いないので、兄としては二度と顔を出すなと言いたい気持ちはわかる。

 わかるけど、妹には主人公が必要だと認めたから、また来てくれという。叶太の立場はつらいものがある。

 どのキャラクターも、一人では前に進めなくて、三人が前に進むためには誰かの協力を得て障害をクリアしていくように書かれているところが、作品の魅力や面白さを引き出してくれていると感じた。


 野球の試合で一喜一憂する真結の場面は面白かった。こういうシーンはとても大切。希望を見せてから落とす落差が、ラストの展開には重要になってくるから。

 盛り上がるところは盛り上がっているのもよかった。


 世界一のバッテリーを目指すには、二人共、大学に入って大学野球でそれなりの成績を残してプロになって、さらに活躍していかなくてはいけない。主人公はともかく、叶太のハードルのほうが高い気もする。それでも目標が出来たのはよかったし、一人じゃないところもいい。二人なら歩いていけそうだ。


 読む前に、タイトルを見てなんだろうと思った。読んで、汗の含んだ野球帽のことだとわかる。野球帽で二人は出会い、彼女は無くなったけれども、これからは叶太と二人で、汗で帽子が濡れるほど努力して夢に向かって行くことを感じさせる、素敵なタイトルだった。

 ただ、真結のことをこれからも思い続けるということは、一生独身なのかしらん。いまはいいけど、年取ってから辛くなりそうな気がした。

 

 塩アレルギーについて。

 現実では、塩自体の分子量は小さく、アレルギーを起こすことはない。

 海水の塩には多種の微量元素が含まれている。マグネシウム、マンガン、他など。これらの微量元素もアレルギーを起こすことはまずない。

 もし塩アレルギーがあるとすれば、食品のなかの塩分でもアレルギー反応を起こすはず。塩気のものは何を食べても症状が出てしまう。

 塩に関連するアレルギー反応があるとしても、塩そのものではなく、塩に含まれる他の物質に対する反応である可能性が考えられる。


 一方、亜硫酸塩はアレルギー反応を引き起こすことが知られており、特定の食品や飲料に含まれているため、亜硫酸塩アレルギーに注意が必要。

 ワインの酸化防止剤、またはドライフルーツなどの漂白剤として使用される、食品添加物の一つ。

 他には、かんぴょう、甘納豆、煮豆、豆腐、ゼラチン、コンビニ弁当、カレーやラーメン等のレトルト食品、その他、海老やカニにも、黒ずみを抑えるために使用されることがある。また、ビールにも含まれていることがある。

 亜硫酸塩はもともと、ストレートティー、卵、お酢、発酵食品、ピーナッツ、ワイン、ブロッコリー、キャベツ、ケール、ニンニク、玉ねぎ、イチゴ、プラム、ココナッツに含まれている。


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