無実の罪で断罪され、紆余曲折を経て自身が異世界転生者であると知る流れは、最早王道と化した展開です。しかし、本作は百合の魅力溢れる女主人と幼女の主従関係、そして宇宙的なファンタジーの舞台を形作ることによって、他と差別化を図っていると感じました。物語もまだ始まったばかりですし、魅力はこれから発揮されていくでしょう。
ただ現段階で残念に思ってしまった点が2つあります。
1つは、舞台が王道のRPG風のファンタジー異世界ではなく、ファンタジー風テーマパーク惑星という壮大な秘密(ともすれば作品の肝になり得る)をタイトルの時点で明かしてしまっていること。
もう1つは、異世界転生者であることを早々に知ってしまうため、幼女主人公と言いつつ、かなり年不相応の聡明さを持っていると感じました。ロリババア……とまではいきませんが、無知・無垢な幼さを求めると面食らってしまうかもしれません。
長所と短所がそれぞれハッキリしている意味でも、今後の成長次第で化ける資質を持った作品だと思います。