第10話  ゲームを初期化?

 現れたのは、ボクのよく知ってる友人の木﨑悠星きざきゆうせいことユーセイだ。

 なんとなく、そんな気はしてたけど……

 だって、《ファイヴ・ストーン》のゲームなんてボクとユーセイくらいしか、周りでやってる奴がいないモン。

 ユーセイは、ボクと違って陽キャで友達もたくさんいる。背が高くてスポーツも出来て、女の子にすごく人気があるんだ。

 ボクたちは、ゲームを通して共通の話題が出来て、仲良くなったんだ。


 ボクは、地道にコツコツ足派で、レベルを上げて、弓のスキルや、召喚術を手に入れたのに対して、ユーセイは、イチカバチカ、中ボスクラスに戦いを挑んで、レベルを上げるとんでもない奴だった。


 ユーセイも、ゲームは終盤のはずだったけど……

 

 ユーセイは、突然異世界に召喚されてビックリしていた。そして、ボクの顔を見て安心したようだった。


「アオじゃん。急にお前目の前で消えるたから驚いたぜ!!」


「うん、そうだよね」


「ここは、《ファイヴ・ストーン》のゲームの中ってことでOK?」


「さすがに、ユーセイは飲み込みが速いんだね」


 パーティー仲間が、僕たちのところへやって来た。


「アオ様、知り合いなん?」


 ナルお兄さんが、洞窟の中へ行ってしまったので、マーリエお姉さんとハサンおじさんが近寄ってきて言った。


「ちょっと、待ってて。2人で話させて」


「どうしたんだ?」


 お姉さんとおじさんの問いにボクは、答えることなく、ユーセイに言った。


「ユーセイ、レベルは?」


「Lvか!?聞いて驚け!!サコンダの魔物にやられて、Lv78が半分に下げられたんだよ!!ひでーよな!!」


「だから、地道にレベルを上げて中ボスは倒さなきゃ駄目だって言ったのに。

 それで……ユーセイ、何をしたんだ?このゲームに」


 ユーセイは、笑って誤魔化していたけど、ボクの真面目な顔にさらに、笑ってすっとぼけた。


「なんのことだ?」


「ボクが、急に弱くなったんだ。君、ゲームに何かしたよね?」


 ボクは、ユーセイを睨んで言った。

 ユーセイは、観念したみたいに言ったんだ。


「あ~、腹が立ったからな。ゲームの内容初期化してやったよ!!」


 はっ?何!?ユーセイは何を言ったの?

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