第7話  弱くなった、ボク

【黒輝石】を手に入れたボクたちは、次のマーリエお姉さんの【赤輝石】を求めて、

 ジャルダン山に向かうことにした。

 ヘイゲルの町で、弓を買って貰うのも忘れずにね。

 だって、弱すぎるみんなのために、いちいち、リヴァイアサンを喚べないよ~

 召喚術は、MPがたくさん必要だからね。


 ジョルダン山まで、南に向かって歩いて五千歩くらいだ。

 それまで、ひたすらみんなには、経験値を上げてもらわないと。

【赤輝石】は、山の主だという大蛇が持っているんだ。

 そいつと戦って、戦利品として奪ってくるんだけど……


 あ……また全滅しちゃった……


 ボクは、弓で牙タイガーの急所を狙って、仕留めた。

 癒し魔法も、腕が上がって来ちゃったよ。


「だから、戦法を考えてよ。お姉さんとお兄さんは、魔法使いなんだから、HPが低いんだから、後ろに下がって攻撃の援護して。敵のHPが下がったところでおじさんが止めを刺すの」


「分かっているが、お前から言われると、ムカッとするな!」


 おじさんは面白くないらしい。

 そりゃ、子供に指図なんてされたくないと思うよ。

 でもこの世界のことは、ハサンおじさんより、ナルお兄さんより、マーリエお姉さんよりも知ってるんだ。

 ボクを攻略本だと思って、信じてついて来て欲しいな。


 ジョルダン山についた時には、みんなもLvが上がって、Lv30にはなっていた。

 よし、パーティーのメンバーだけで大蛇と戦えるぞ!!


 ボクは、後方にいて、火矢の準備をした。

 この大蛇は水の属性なので、ボクの喚ぶリヴァイアサンとは、属性が同じでHPを削るどころか、回復させてしまう。

 水と逆の火の魔法使いのナルお兄さんなら、上手くやってくれるだろう。


 戦いが始まった、

 寝床に侵入したボクらを敵と認定したようだ。


 ナルお兄さんが、火の魔法で手応えがあったのが分かったのか、ガンガンいってくれちゃってるし、火なら、良いのかって、マーリエお姉さんも火トカゲなんて招喚してる。ハサンおじさんも合間に斧を振り回してるよ。


 ボクも加わらくちゃ……

 と、弓を構えた時だった。

 力が入らない?

 どうして……?

 ボクは、癒しの魔法を呟いた。

 効き目が僅かだ……どうしたんだろう……

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