第5話 最初の輝石
「とにかく、ヘイゲルの町に向かおう。そこは、斧のおじさんの故郷でしょう?」
「ああ……良く分かるな」
ハサンおじさんが言って来た。
「この世界の地図は頭に入ってるよ。ヘイゲルの町は、テッカの丘から南西に千五百六十五歩歩だよ。アトラの町から、ここまでの半分くらいだから、ここへ来るのはまだ先のことだよ。パーティーを組んで直ぐは、アトラの町の周辺で、もっとLvを上げるべきだよ」
ボクは、自分の知識をみんなに言った。
「だから、そうしたぜ。俺がLv15になるまでは、アトラの町の周りの草原で、魔物退治をしてLvを上げて来たんだぜ」
「マーリエお姉さんがLv15になるまでだよ。それにしてもどうしてテッカの丘に行ったの?」
ボクは、そもそもの疑問をぶつけてみた。
「そりゃ、出会いの館でパーティーが3人しか集まらなかったんだ。だから、味方を増やすために異世界に通じてるって噂のあの丘に行ったのよ」
金髪のマーリエお姉さんは、ふんぞり返って言った。
「まぁ、勇者っぽくないけど、強い子が出てきましたからね。Lv99とか言ってるし……」
「ボク、勇者じゃないモン!!」
ボクは、勇者なんてキャラじゃないよ。
チビだし、眼鏡だし……
「早く、ヘイゲルの町に行きましょう」
声の低い、魔法使いのナルお兄さんが、言った。
「そこの、村長を訪ねてみて」
ボクは、ハサンおじさんに向かって言った。
「ヘイゲルの町にあるのは、【黒輝石】だよ。それまでみんな、Lv上げの魔物退治頑張ってね。全滅しても復活の呪文かけてあげるから~」
「「「お前な~~!!」」」
パーティーのみんなに声を揃えて言われてしまった。
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