007話 四大源素の世界

 さて、修練を始める前に魔法のついて詳しくおさらいしよう。


 この世界『イデルミリア』にはマナ(魔素)と呼ばれる、自然エネルギーが存在する。

 

 マナは全ての生物に吸収され。

 無機物にも吸収される場合もある。


 生物の中でも人間においてはマナを体内で魔力に変換させることが出来る。

 個人差はあれど人間には必ず魔力が宿っているのだ。

 それを若年の時から修練することによって、体内の魔力を増やし、優れた者は魔法を使うことができる。


 魔法を行使するには、俺の経験上だが。

【才能】【努力】どちらも必要だ。

 掛け算だと思ってくれ。

 本来は数値化できない。

 でも仮にステータスがあるとして魔術士レベル100がMAXだとする。


【才能】0.1〜10

【努力】0.1〜10


 これを自分に当てはめる。

 例えばレベル100に到達するには一通りしかない。


 才能10✕努力10=100レベル


 となるわけだ。

 まぁ、残酷な話しだが……どれだけ努力しても才能がないと上限値は決まってしまう。

 

 ほとんどの人間の才能は0.1〜1くらいじゃないかな?

 実戦で使えるような実力になるには最低でも才能が3はいる気がする。

 だから魔法使いは非常に希少なのだ。


 さらにそこから魔法は4属性に分けられる。

 ラノベの王道だが【火、水、風、土】の四大源素。光や闇という概念は存在しない。

 

 治癒魔法は少し特殊なので今は置いておこう。

 今は四大源素だけに絞る。


 属性にも個々人で得手不得手があり、多くの者が1属性を極めることに専念する。

 複数の属性を扱える者は本当に珍しい。

【複合魔法】を扱えるようになるからな。


 2属性を行使できれば優秀。

 3属性を行使できれば天才。

 

 因みに俺は……4属性……天才を超えた存在。

 テヘペロ。


 マナに含まれる四大源素の中でも吸収しやすい属性は個々人で異なるのだ。


 と、魔法教本に書かれていたのはこんなものだ。


 さらに俺の独学で得た魔法の知識もあるのだが……別に知らずとも魔法は使えるので、おさらいはこの辺にしておこうか。


「さて今日は【複合魔法】に挑戦してみるか。他属性を組み合わせることで魔法の威力が跳ね上がるからな」


 ここまで来るのに半年か。

 やはり1度衰えたものを戻すにはそれ相応の時間がかかる。


「水と風……よし、想像して創造しろ……」


 武器は果物ナイフ。

 刃に魔力を定着させろ。


 水の柱を造り、左右から風で封じ込めて高圧縮させるイメージ。

 あとは水平線に薙ぎ払うだけだ。

 

「広範囲斬撃魔法……アクアブレイド!」


 圧縮された水の刃は半円を描いて、雑草を一気に刈り取る。

 凄まじい斬れ味。

 果物ナイフに付与しただけでこの威力。


 あ、因みに技名の『アクアブレイド!』とか叫ばなくても魔法は使えます。

 わたくし無詠唱なんでね。

 でも誰もいないし、言った方が雰囲気出てカッコいいじゃん?

 

「いや〜久々に難易度の高い魔法を使ったわ」


 我ながらあっぱれ。

 サボらずに修練したかいがあった。


 やっぱり俺TUEEEEしちゃう?

 なんてな。

 この歳になって、そんなあからさまに自慢はしない。

 

 フフフ、実力は隠してこそ大人の魅力が引き立つってもんよ。


「と、そろそろ時間だ」


 なんて厨二病めいたことを考えいたら時間になったので、修練を止めて冒険者ギルドに向かう。


−−−−−−−−−−−−−


 冒険者ギルドに到着。


「うん? なんだ?」


 いつもなら俺の顔を見るなり、誰かしらが「雑用君」とバカにしてくるのだが……

 今日はどうやら既に揉め事が発生していたようだ。


「いいじゃねぇか! 頼むよ!」

「うるせぇ! どっかいけクソガキ!」


 赤髪短髪の少年が、冒険者に突っかかる現場を目撃する。

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