16話
♦♢♦♢パーティーハウス前♦♢♦♢
「我れらクリスターズのハウスへようこそ」
「こ、ここが君らのハウスか....想像してた2,3倍はデカいんだが」
「そうか?まぁ、俺らの代わりにこのハウスを住み込みで管理してくれる人がいるからこのハウスにいる間何かあったらその人に聞いてくれ」
「わかった。因みにその管理人さんの名前は?」
「ユリエラだ。」
「わかった」
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夕食の用意ができていたようで他のパーティーメンバーも揃っており気絶していたアリシアも起きていた。
「は、はじめまして私はアリシアです。この度は助けていただき本当にありがとうおございます」
他のメンバーとは違いアリシアの挨拶の仕方には平民とは違う何かを感じた
「気にするな.....と言いたいところだがクリューズ達にも言ったが今回は運が良かっただけだ俺が来なかったらもしくは間に合わなかったら今ここに君たちは居ない。そのことをしっかりと心にとめておけ」
「.....わかりました。ご忠告感謝します。そしてこの街にいる間このパーティーハウスをご自由にお使いください。あなたは私たちにとって命の恩人です。」
「それは助かる。ところでアリシアは貴族の出なのか?言葉遣いやふるまい方が他と違って上品すぎる」
「はい、とは言っても貴族階級では一番下の準男爵家です。回復士のジョブを授かったので教会で修練し今はこのパーティーの回復役をしています」
「なるほど納得だ」
「さ!この話はやめようぜじゃないとせっかくの晩飯が冷めちまう」
「そうです!温かいうちに食べないとユリエラさんに怒られてしまいます!」
「そうっすね!俺もあの人に怒られるのは勘弁っす」
そう言い4人は手を合わせ目を閉じた
「「「「我らの糧となる食材たちに感謝を捧ぐ」」」」
「ん?なんだその言葉は?」
「これは....飯の前の祈りだ。自分たちの生活のために命を奪うんだからな」
なるほど、日本でいう『いただきます』と同じようなものか
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「あぁ~....食べたー」
まだあったことのないユリエラさんのご飯はとてもおいしかったこの世界にはマヨネーズやソースといった調味料がないのだが正直日本の料理と変わらないくらいおいしかった。ここ1週間は肉を焼いただけでそれ以外何もせずに食べていたからその反動で腹いっぱいになるまで食べてしまった
「それにしても冒険者になったと思ったらCランクからになるし....明日は起きたら冒険者ギルドに行って手ごろなクエストでも受けるか」
今日はもう寝ようかn....『まことぉ~....助けてよ....』
それは突然頭の中に響いてくる。そして、それと同時に光の道筋まで.......
「は!?なんで....なんで俺の名前?いやいやそもそも同名の別人を呼んでるって可能性も.....」
いやないな。誠なんてこの世界でそうそう同じ名前の奴なんていない
くそ!これで気にせず寝たら絶対あとで後悔するじゃないかよ!っていうかなんで俺の名前読んでるんだ?この世界の人間で俺の本名知ってる奴なんていないだろ。それに一緒に召喚された奴の中にも下の名前で呼ぶような親しい奴なんていないぞ
「あぁー!もう深く考えるのは後だ!我此処に命ず我が魔力を糧に其のものに聖なる加護を与えよ聖1段廻魔法『後光』」
バフを自分にかけるとこの部屋にある窓の縁に足を乗せ一気に跳躍する
「ふッ!」
光の先は人通りの少ない裏路地だったので建物の屋根まで跳躍し移動時間の時間短縮をする
「一体全体誰なんだよ!」
誠は私念を口にしながら走る....
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「ハァ....ハァ、ハァ」
光を追ってみればボロボロの服を着た獣人の子供が倒れていた
頬は痩せこけ腕や足は細々としている。目には生気がなく今にも死にそうだ
しかも見える範囲で体には多数のアザがあり服には靴の跡まである
「この子か....」
この世界の人間は一部を除いてクソの集まりのようだ.....
人とは違う何かを持っていると周囲は嫌悪し消そうとする。反吐が出る
「っとこうしてる場合じゃないかとりあえず外傷だけでも直しておかないと我此処に命ず我が魔力を糧に其の者を癒せ聖9級魔法『ヒール』ともう一つ我此処に命ず我が魔力を糧に其のものの状態を回復させよ聖4級魔法『キュア』」
魔法の効果で外相は全て癒した。キュアで体の状態異常....病気なんかも問題ないだろう。息も先ほどより穏やかになっている.....
連れて帰ると判断した誠は羽のように軽い亜人の子供を抱え屋根へ跳躍しクリスターズのパーティーハウスへ帰るのだった
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