終
第八章
俺は帰り、モヤシの元に行く。
モヤシの表情は分からなく、
嬉しいような、気まずいような顔をしていた。
俺はモヤシと話した。
「俺、さ。モヤシと仲良くしたいんだ。でも、付き合えない。分かって欲しいけど、そんな事無理だよな。でも、これまでの関係を続けたい」
「…」
モヤシは黙った。
多分、迷っているんだ。
でも、モヤシはもう決めたようだ。
「分かった。でも、諦めないから」
「あぁ、それでもいい」
「うん」
俺は、モヤシとの仲をまた築きあげた。
フウ、これでいいよな。
どこからか、「うん」と聞こえてきたような気がした。
第八章第二話
雪が降り、地面や、屋根に雪が積もり、とても綺麗な雪景色が見られるようになった頃。
俺とモヤシは…。
「頼君!おはよ!早いね!」
「まぁな。こんな寒い中待たせる訳には行けないし」
仲良くなっていた。それも、ものすごく。
前より確実に。
「じゃあ行こ!」
「あぁ」
俺達は一緒に歩く。目的地に向かう。
「楽しみだね」
「あぁ。お、着いたぞ」
そこは、映画館だった。
「これ見たかったんだよ」
それは恋愛系の映画だ。
「わかんない人でも面白い。凄いよね」
「俺、コレ見てからアニメを見始めた」
「ふっふっふー。私はこのアニメが始まってからのオタクだから」
「クソ〜」
「だけどこの映画を見るのは初めてなので楽しみ」
「俺はこれで三回目だ」
「なに!?」
変なオタク争いをした後、映画を見た。
大体二時間後。
「面白かった〜!」
「だよな!特に主人公が好きな人に告白して、振られたシーンなんて、結構いけると思ったのに、期待を裏切る感じ凄かったよな!」
「そうそう。アニメでは結構いい雰囲気出てたし、早く付き合えと思ったのに。凄い凄い!」
この話が大体一時間。
「へぇ、面白い用で」
「あぁ!」
「んー」
「あっ。拗ねた」
俺とモヤシは元の関係に戻った。だけど最近懐が拗ねたり、変にイラついてる。
「拗ねんなよ」
懐は無視する。
「今度何処か連れてってやる」
「…うん」
一応何か誘うか、買えば
嬉しがる。それをモヤシに相談すると、
「嫉妬かヤキモチ妬いてるんじゃ無い?」
な訳無い。懐がモヤシにヤキモチする訳…。
「この間、私と頼君が話してる時、顔が怒ってた」
「虎男…?」
「…」
虎男が恐ろしいと言う顔で頷いてた。…。今度話してみるか。
懐定神社に行く。だが、
「雪やば」
最近、懐定神社に行ってないからこんなになってるなんて分かんなかった。
「よし!」
一時間後。
「はぁ、はぁ…」
まだ神社に着いていなかった。
説明をしよう。懐定神社までは階段が続いている。その階段にも雪が降り、それを退けるのはとても疲れる。
夜。
「やっとだー!」
終わった。さて、帰るか。
一いや、違うだろ。
「そうだ。懐」
俺は懐に会いに来たんだろ。
さっさと行こう。一歩。歩いた瞬間。
下から尖った氷が出てきた。
俺はそれを見て、足を止め、手を挙げ降参の意思を見せた。
「懐〜。助けて〜」
そしたら下の氷が、俺の喉元まで迫ってきた。
「あの人にそんな呼び方をするな」
おぉ。怖ぇ。
「氷の。下ろして」
「でも、」
「良いから」
「ちっ。覚えてろ」
「忘れてるわ」
「頼君」
おっと。
「誰?あの子?」
ヒュン!頭の後ろに寒気がした。
「氷の魔女」
「魔女って」
SFやん。いや、懐が神様な時点でおかしいと思った方がいいか。
「この神社の近くだけ雪降って無いのに寒いの何でなの?」
「さっきの氷の魔女と契約して冬はこの近くに雪が降らないように氷を上に置いて貰ってるの」
「雪降らせないようにすれば…」
「それは魔女でも、私でも無理。神様とか、魔女はそこら辺にホイホイいる訳じゃないから」
「てか、何で雪、降らせない用にしてんだ?」
「雪で神社が潰れる」
「あぁ」
それは絶対に駄目だろう。
「でっ?」
懐が聞く。
「何しに来たの?」
俺は懐を抱き締めた。
「ふぇ!?」
「今まで、構ってやれなくてごめん!」
「わわわわ!」
「これからは絶対に神社行くし、懐にも、構うから!」
「はうぅぅ…」
と力が抜けたように気を失った。途端、横から氷が。
「止めて。懐に血を浴びせたくないから」と言うと氷が無くなった。それについては同感らしい。
「離れて。殺してあげる」
「無理。可愛いもん」
「嫌だけどあなたと同じ気持ちよ。可愛くないって言っても凍るけど」
「怖ぇよ」
「…」
「初めまして氷の魔女。俺の名前は神道頼」
「神道?あぁ。何だ。先言ってよ」
「えっ?」
「氷の魔女って言ったら凍らせる」
「唐突だね。」
「だから名前決めて」
「名前?」
急だな。氷 。
ヒョウ、コオリ、ヒ。コウリ?
ヒョウマ?氷魔!
「お前の名前は氷魔だ」
「微妙」
「うるせぇ。しっかり考えた」
「まぁ良いけど」
「氷魔もしかして…。ツンデレ?」
今度は頭の正面に氷が。
「何か言う事は?」
「ごめん」
忙しくなりそうだ。
「んっ…」
懐が起きた。
「あっ!おはよう」
「…。へっ!?」
「どうした?」
「ウィンド!」
「ヘブシ!」
懐が俺に向けた手から風がそして上にある氷の屋根に直撃。
「アイス。」
氷魔がそう行った瞬間、氷が俺のジャンバーを突き刺し、氷の屋根に刺さる。それのせいで俺は下に来れない。
「おい!氷魔!やめろ!死ぬ!」
「死ね」
コイツ本当に…!
「氷魔…?」
そうか。寝てる時に名前を決めたもんな。
「そうそう。コイツの」
ヒュン!(以下略)
何かだんだん慣れてきたな。
「もしかして、名前決めて貰ったの!?」
「うん。この人は、私の言っていた、契約者の息子」
「契約?」
「そう。あれはあなたが産まれる前。妊娠して、まだ、二ヶ月ぐらいの日」
「そんな…話があったんだな」
「うん」
「俺の為に。親が死んだ。俺が、殺したも同然だよな」
「違う!私のせいだよ。私が生まれなければ…」
「でも、俺はお前の事好きなんだぞ」
「うん」
「そんな事言わないでくれよ」
「それを言うなら、頼君も」
「あぁ」
翌日。
教室に来て、鞄を置き、朝のHRが終わり、
一時間目から、移動教室でめんどくさかった。
いつも通りにモヤシと言っていたら、
ドクン!
心臓が銃声みたいにうるさく鳴った。
倒れる。そう思って受身を取った。
だが、次の瞬間俺の、意識は途絶えた。
選択編
医者から病名を言われた。
俺は、
肺がんだった。
しかも、ステージIVだった。
俺は泣かなかった。
急だし、泣けなかった。
医者は、余命は近いと言った。
「まじかよ。俺、死ぬのか。まぁいい人生だったよ」
それはモヤシ、虎男に言った。二人は泣いてくれた。
懐には言いずらかったが、覚悟を決め、言った。
懐は、そうなんだとだけ、言って帰って行った。
懐定神社に行くのだろうか。俺はもう、行けないだろう。もう、動けない状態だった。
BHエンド
ピピピッ!いつもの朝。
目覚まし時計がなる 。
「うーん…」
まだ、寝ていたい。
「頼!朝よ!何時まで寝てるの!?」
「うん…」
「ほら、早く行きなさい!」
「えぇ…」
「ふぁ…」
「おはよう!」
「あぁおはよ。モヤシ」
「この間のデート楽しかったね!」
「ああ」
「また、デート。行こ」
「もちろん!何処行きたい?」
「うーん?」
「分かった。俺が、考えとく」
「うん!よろしく!」
うーん?何か忘れてる様な。
そのまま放課後。
「それじゃ!」
「うん」
で何か忘れてんだよなぁ?
「あれ?」
こんなとこに、階段あったけ?そんな疑問を抱えながら、進んで行く。そしたら、神社が。-!
「あぁ!俺!何で動いてんの!?」
思い出した!俺余命宣言されて、これからどうしようとしていたところだった。
しかし、今日は何か変だ。俺と、懐は付き合っている、判定になっている。
それに、今日懐がいなかった。
「よく、ここに来たね」
「懐!?」
そこには消えかけている懐がいた。
「何で!?」
「私がいなかったらって運命したの」
「えっ?」
「どうやら、私が原因らしいね」
「おい!消えるな!」
「じゃあ死にたいの?」
「お前が消えるくらいなら、俺が死ぬ。」「やめてよ。」
「でも、」
『私の事は忘れて。』
「!?いや、俺は忘れない!」
だから、そばにいてくれ。
でも、懐は消えて行った。
懐は、最後に何か言ったが、聞こえなかった。
懐がいない日は人生は普通で、静かで。
懐は心の中で応援してくれている。だから、俺は頑張りたい。俺は懐がいない、人生を歩んでいった。
そこは、寿命以外で死なない世界であった。
喧嘩も、悪口もない世界だった。
誰1人傷つかない世界は、とても反吐が出るくらい気持ち悪かった。
Bエンド
「頼君!」
ごめん。みんな。ごめん懐。
「何で?頼君何でなの?」
だから、ごめんって、あっそうか。この声はもう
聞こえないんだった。
俺は自殺した。そうしないと、懐が消える気がしたから。
俺がガンの話をしたら覚悟した顔に見えた。
きっと、俺がガンにならない運命にするであろう。
きっとそうすれば、懐は消えてしまう。
だから、俺は、こうするしかない。
それから、懐は俺のいない独りぼっちの日々を過ごした。
本当に独りだった。モヤシも、虎男も、
一人、一人死んでいった。
懐は運命を定める、神様ではなく、
人を死なせて行く、ただの、
死神だった。
?エンド 続
俺は、懐を近くで見守る。
かつてなくしたそれは、
もう戻ってこない。
俺は懐に近づいた。
それが
例え形がなくとも、
例え死神みたいであっても、
俺は言った。彼女の名前を。
何回も呼んだ。
何回も言った。
何回もすがった。
何回も話した。
その名前を。
『懐』
神様に恋した。頼ルート なゆお @askt
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます