第四章第四話
俺は懐に謝り、他愛も無い話をして別れた。
俺は帰ってゲームしていた。
スマホに着信音があったが、出ない。
ゲームに集中したいから。
翌日。
「頼君、昨日メッセージ送ったんだけど。何してたの?」
「そうなんだ。勉強していたよ。」
「凄いね。テスト近いから?」
「ん?」
「えっ?」
「ごめん。リピートアフターミー。」
「テスト近いから?」
「うん。ごめん。嘘。ゲームしてた。」
「テスト勉強しようよ!」
「やらない。」
「じゃあ…。」
「と言うことで、モヤシちゃんに言われたので、勉強してください。」
「モヤシちゃんって…アイツ男だぞ?」
「うん?うん。まぁ、いいか。」
えっ?何?大丈夫?コイツ、女だと思ってたの?男だけど、女みたいだけどさ。
ま、いいか。
[これが後に、そういう事だとわかるのは結構後だった。]
「とりあえず、宿題をして。」
「いや、」
『 宿 題 』
「はいわかりました。」
こ、怖えー!怖いよ!懐さん!圧が!圧がすごいよ!
そして宿題を毎日やった。懐に言われながら。
期末テスト当日。
「はぁ、テストあんま、自信無いな。」
「でも、懐ちゃんに教えて貰ったんでしょ。頑張りなよ。」
「あぁ。わかった。」
なんの問題無く、解けた。
懐と勉強したところもあれば勉強してないところもあった。
が結構解けた。テストが終わった後、小枝と帰った。
「で、彼女とはどうなの?」
「ぶぅふ!」
コイツ…。また!
「どうしたの? リ ア 充 」
「リア充じゃねーよ!」
「あはっ。嘘だよ。あれ?顔赤くなってるよ。」
「うるせえ!」
マジで辞めてくれ。信号待ち。
「はぁ。なんか疲れた。」
「赤信号だから休んどいたら?」
「あぁそうする。」
座ろうとしたら大型トラックが交差点を通ろうとしてた。それと同時に子供が飛び出た。引かれる。そう思う前に体が動いた。子供を庇うように抱きしめて、車が通らないところまで、動かせた。
「おいてめぇ!死ねてぇのか!?」
俺は突然の事だから、子供が泣かないように言葉を選ぶ暇なんて無かった。
「……のに………してんじゃ…。」
「なんて?」
「死にてぇのに邪魔してんじゃねぇよ!」
「…は?」
あまりに突然な言葉に耳を疑った。
「なに、言ってんだ?」
「うるさい!」
そう言って子供はどこかに行った。
「大丈夫!?」
と小枝が駆け寄って来た。
「あ、あぁ。大丈夫だ。それよりあの子供…。」
「子供の事なんか気にしないで。それより頼君本当に大丈夫?血出てない?僕絆創膏持ってるよ。」
なんという女子力。小枝女子じゃないけど。「あぁ。血も出てないし、この通り大丈夫だよ。」
「そう。良かった。」
-でも、子供はどうなったのだろうか。
あの後も死のうとしてるのか。
いや、なぜ死のうとしているのだろうか。
死とはそう簡単に決断出来るものじゃない。迷って、死にたくて。でも、生きたくて。
生きるか死ぬか迷って今日も心臓は動いている。
それを簡単に死に繋げるとゆう行動は出来るものではない。あの子供は、まだ
本当の死の怖さを知らないのか。
あの子供が死んだのがわかった。
何故?
虐められてたから。
なんで『死』の事を分かっていた?あの子は小四程度だぞ。
いや、小四でも、『死』について分かるか。
でも、
いやでも、
何か、止める方法は無かったのではは無いだろうか。
分からない。
教えてくれ。
あー!むしゃくしゃする。
その日は寝れないでいた。
7月23日
今日は休ませて貰うことにした。
前サボった時に、先生が自宅まで来たので、
神社に行った。
〜10分後〜
「やべぇ!暇だ!」
1分経つのがこんなに遅いなんて。神社を歩き回るか、ゲームするか。家には先生がいるかもしれないから行かない。神社の裏に行く。
「あれ?こんなとこに看板なんてあったけ?」
暗くてわからなかったが、大きめの看板が置いてあった。
「『懐定神社のご利益』これ大切なやつじやねぇか。」
暇つぶしに移動させるか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はぁ疲れた。」
あれから約十分後。俺は人に見られるような所に移動させた。
「そういえばちゃんと見て無かったな。」
懐定神社は俺が産まれた時に作られたようなものだから気になる。
『懐と言う神様が運命を定める。これから懐定神社と言う神社が出来たのである。』
「ぷっ。」
読んでちょと吹いた。懐と同じ漢字だし読み方だったから笑った。
「頼君?」
そこには懐がいた。なんでここに懐がいるのか考えていると、
「その看板…。なんで…。」
「あぁ。これ?神社の裏にあったから移動させたんだ。このデカさを一人でだぞ。凄いだろ。」
だが懐は否定も肯定もしてくれない。
「どうした?てかなんで懐ここにいるんだ?学校じゃないのか?」
「それが見つかったならもういいや。」
何言ってるんだ?
『私の事は忘れて。』
記憶が無くなる。と頭でわかってしまった。だけど、
「お前は…。」
その一言でそいつは悲しそうな顔をする。「私の名前は…。」
「懐。」
「えっ?」
懐は驚いた。
「ちゃんと俺は覚えてる。だから忘れさせようとするな。」
「なんで?」
「お前が好きだからかもな。」
「えっ?」
その言葉はいまの雰囲気に合わないと分かってる。でも伝えたい。
「私の事を…?頼君が…?」
「そうだ。」
俺は初めて懐に会った日、
神様に恋したんだ。
「頼君には話さなきゃね。」
「何を?」
「この神社が出来た本当の理由。」
「理由?看板に書いてないのか?」
「うん。この懐定神社は私達と同い年って言ったでしょ。」
「うん。」
「あれは偶然って訳じゃ無いの。この神社は頼君が産まれたから作られたんだよ。」
「えっ?」
「あれは、晴れの日桜が散っていた頃。」
懐から色んな話を聞いた。
とても現実じみたものでは無かった。
でも、信じた。懐の、好きな人の話だから。
「色々、わかんない事があるよね。いいよ。明日も休んでここに来て。きっと心が休まるから。」
「いや、大丈夫。そんな甘やかされる訳にはいかないから。」
「うん。わかった。」
「じゃあ、また明日。」
「あぁ。」
翌日
「ねぇ、頼君。」
「なんだモヤシ?」
「今日転校生が来るらしいよ。」
「なんでこの時期に…。」
「わかんない。でもワクワクする。」
「はぁ」
モヤシは小学生みたいな反応をしている。「頼君は興味無いの?」
「まぁな。」
「なんで?仲良くなれるチャンスじゃん。」「仲良くするのあんま得意じゃないからさ。」
「そういえば、頼君が僕以外に話してるの見るのあんま無いなぁ。」
「言って無かったけ?俺モヤシ以外に友達いないよ。」
「えぇ!?」
そう。俺は人付き合いが苦手なのだ。
「友達作りたいと思わないの?」
「うん。それに、俺の友達はお前だけ十分だ。」
「頼君…。ありがとう!」
「わぁ!抱き着くな!」
モヤシの柔らかい体に包み込まれ何とも言えない感覚に陥る。
「おーい。そこイチャイチャしないで座れ。」
「イチャイチャしてねぇし!」
はぁ。転校生どんな感じかとかは気になるけど仲良くするつもりは無い。
「転校してきました。神道 懐です。」
「えっ?」
その、聞き覚えのある、声と名前に疑問を感じた。前を見ると、懐だった。
「お前!なんで!?」
「ちょとね〜。」
「頼君の彼女じゃん!あっ…。」
その言葉に皆が驚いた。
「頼君…。なんか…ごめん!」
ごめんじゃすまされねぇよ。
「あああ、あの、時の、」
「虎男、お前。」
懐にトラウマ植え付けられたのか。
「なーに?頼君。」
あの、虎男にトラウマを植え付ける懐も凄い。
やはり、懐は怖い。
昼休み。
「お前なんでこの学校にいるんですか。」
「ちょと特別な力で。」
わざわざ、これの為に神様の力を使ったのかよ。
「なぜ、俺と懐が付き合っていると言うデマを流したのですか。」
「いやーつい。」
いやーついじゃねえぞ。
「虎男君はなぜ懐に対して怖がってるのですか。」
「いや、だっ、だってよー。」
まぁあの気迫で殴られたなら怖いよな。
「頼君。またこのイキリ野郎に殴られたら言ってね。私が成敗してやる。」
可愛げに言っているがその懐からでるオーラは怖い。
「大丈夫だ。あれから虎男はなんと心を改め、人助けするようになった。」
「人助け…?」
「あぁ。溺れかけてる小学生を誰よりも速く助けに行ったり、トラックに轢かれそうな猫を助けたりするなどの功績をあげている。」「なんか、頼君に感化されてない?」
「いや、されてない。自分で助けたいと思ったから。俺的には今までモヤシにしたことをバカみたいに思ったから。」
そうすると懐が寄ってきて耳元で言った。(一応言っとくけど、私何にもしてないからね。)
(まじ?俺お前がこう言う運命にしたのかと。)
(いや、この子には何もやってないよ。)
「何喋ってるの?」
「なにも。」
「てめぇらよく人前でイチャイチャできるな。」
「イチャイチャしてねぇし!」
俺の学校生活と恋愛生活はまだまだこれからだ。
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