第二章第二話

現在、あれから二年、4月16日。朝。

「えー、今日から皆さんは高校生になります。高校生として、自覚を持ち、規則正しい生活をしましょう。」

「ふぁ〜。」

ねっむ。校長の話聞いてると眠たくなるよね。

「頼君、あくびしちゃダメだよ。」

「分かってるって。」

「では、皆さん、座ってください。」

はい!寝る体勢来たー!

寝よ。

「頼君!」

「何?」

「起きて!」

「ふぇ?」

見れば、俺だけ座って寝ている。

あれ?もしかして、注目されている?

「やべ、恥ずかしっ!」

「ぷっくく、」

「ふふ、」

「あはは、」

「あー!もう、やだ!」

教室に戻るまで俺は恥ずかしすぎて顔を上げれなかった。

現在、10時24分。

「小枝 モヤシです。よろしくお願いします。」

「パチパチパチ!」

と拍手が鳴る。

更に順番は周り、

「神道 頼です。よろしくお願いします。」

「寝坊助ー!寝るなよ!」

「うるせぇ」

俺の場合、笑い声が響いた。

更に順番は周り。

「はい。私が、皆さんの先生だ。気長 結衣だ。よろしくなー。」

この口調だが、一応女だ。30代の。

「先生は、彼氏とかいますかー?」

「今後、先生にそういう質問したら宿題増やすからな。」

あっ、非リアか。それとも酷い別れ方した元リアか。

俺は先生がこの態度で性格なので前者だと思う。

「頼、お前変な事考えてないか?」

「いえ、何も。」

「本当か?」

「はい。」

「次はないぞ。」

「…はい。」

超能力者か?


現在、15時31分

「あははははは!それは、寝た頼君が悪いよ。」

「そうか?俺は校長の話が長いのが悪いと思う。」

俺は今、懐と話していた。

「マジで、本当に恥ずかしかったよ。」

そんな、些細なことで笑える日々は、近々無くなってしまう事を知らない。

ここから始まるのである。

この頼と言う男の、終わりが来るまでの話。

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