前世勇者と魔王様~私が魔王で推しが勇者だった件~ 2
呪い、又は呪縛。
私の顔の靄が晴れた瞬間、僅かに滲み出る嫌悪を読み取ってしまった。
あぁ、幸せだったのに、余計な事を。
『49日まで待っててくれるだけで良かったのに、あーぁ、恨みが出来ちゃったじゃないですか。どうしてほっといてくれなかったんですか、どうして御仏に任せずに介入したんですか、どうして、どうして、どうして誰も最後まで夢も見させてくれないんですか。前世の行い?今の私がしたワケでも無い事の責任を、今の私に取れと。そうですか、なら、皆さんにも取って貰うしか無いですよね。前世の全ての業を、責任を、今ココで』
前世が魔王でアナタは勇者。
私を殺した罪を、今のアナタに負って貰う。
「コレって」
《違うんです、こんなつもりじゃ》
『あぁ、貴女の前世、凄いですね。何人も誑し込んだ遊女、病気になった禿の指を余すことなく使って。西洋なら色欲の悪魔アスモデウスかサキュバスか、魂がその子孫なんですかね、こうなる前に彼を好きなら好きって言えば良かったのに』
《それは》
『けど前世の彼って僧侶とデキてて、あぁ、今でもそうなんですかね。ココなら流石に男色は殴り殺されたりしませんし、どうかお幸せに』
「いや、ちが」
見ないから見ないで、言わないから聞かないで。
ただそれだけだったのに。
私の夢を壊したから、壊した、ただそれだけ。
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