第10話◆元魔王・領地経営する10
後日、エクセル叔父上との最終打ち合わせにカフカ領までやってきた。
僕と専属メイドの顔したラクシュとテスとグラティの4人で。
ラクシュが御者もやってくれるので、グラティに馬車を牽いてもらいぽこぽこと3時間くらい。
改めて両領を繋ぐこの街道はちょっと距離があるなぁ、それに長い事使っている街道だからか、轍も目立ち、ボコボコしている。
この辺も整地しないとね。
「メル君いらっしゃい」
カフカ邸に着くと、エクセル叔父上が出迎えてくれた。
自分から細目に動く人なのでお客様は全部自分で出迎えているみたい。
「エクセル叔父上、本日は宜しくお願いします。こちら、先日パパにも渡した和菓子セットです」
そういうとラクシュは一抱えする箱……大体120サイズをエクセル叔父上の傍にいたメイドに手渡した。
「おお。サリが言ってたアンコのお菓子だね。今日のお茶に出そう、楽しみだな」
うきうきしながらそうメイドに指示すると、先ずは軽食でも、と食堂に案内された。
エクセル叔父上の出身は南の方なので、ちょっとエスニック的な料理が多い。
独自の調合スパイスを使っているので、辛めかつ風味豊かな味付けばかりだ。
そうそう、あのかぼちゃとそぼろ餡の饅頭も鼻に香料が抜けるんだよね。
料理の内容はスープカレーに平べったい麺を入れ、香草を乗せてからレモン汁を掛けた物だったり、鳥系の魔物の肉をスパイスを混ぜたパン粉で揚げ焼きしたもの、フルーツヨーグルト、カットフルーツ、プチケーキなどだった。
うん、おいしい。
「エクセル叔父上、宜しければこちらも使ってみてください」
僕は通販で買った世界の調味料シリーズをすっと差し出した。
オリジナルスキルを持っているベル君なら大型倉庫型大量販売店のものも手に入るんだけれど、僕のは良い所激安直営店くらいだ。
でもその中でも調味料系は充実しているので、お土産には丁度いいのだ。
「ありがとう、料理長に渡しておくよ」
「気に入ったのがあればまた持ってきますね」
「宜しく頼むよ」
後日、エクセル叔父上から「これを定期的に購入したい」と言われたのは、日本の南国の調味料、島唐辛子をお酒で漬けたものだった。
激辛タイプもあったので、それを10本セットで送ったら喜ばれた。
さて、軽食も済んだのでエクセル叔父上の執務室と繋がっている応接室で最終調整。
駐車場スペースの整地や地盤工事は僕がやるが、道の整備はそれぞれの領民を雇うことになった。
一応、国王からの支援金もでているので、領民に返そうというわけだ。
その案に賛成しつつ、お互いに納得したら契約書に調印。
これであとは駐車場スペースを作り終わったら街道整備が始められる。
その為の駐車場スペースの設計図を見ながら、僕はいつでもあの饅頭を買ってきてもらう事が出来ると口角を上げた。
あ。うちも特産品つくらないと。
領地、ほぼ山と森と海辺なので両方の幸があるんだよなぁ。
今度港町にいってみるか。うん。
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